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 弁護士の中島哲です。
 2018年6月29日に、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」(通称「働き方改革推進法案」)が参議院で強行採決され成立しました。
 この法案は、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」を創設し、労働基準法の労働時間、休憩、休日等の規定を対象労働者について適用しないことを可能とするものです。これは、1947年に制定された労働基準法にて実に戦後70年以上もの間維持されていた労働時間規制を完全に除外する働き方を認めるものであり、これまでの労働法の規制を根底から覆すものです。
 そして、対象となる労働者は、高度の専門的知識等を必要とし、時間と成果との関連性が通常高くないと認められる業務に従事する労働者とされてはいますが、自分で自分の出退社時間を自由に決められる立場にあることは必要とされていないため、使用者は業務命令さえ出せば、いくらでも働かせることができることにもなりかねません。この法案が「定額働かせ放題法案」と言われた所以です。
 また、対象となる労働者の給与額も、厚生労働省令で定めることができるので、厚生労働大臣が「小さく産んで大きく育てる」と言っているように、今後の改正によっては、対象が際限なく広がっていくおそれがあります。
 このような法案は、長時間労働を容認するものであり、労働者の健康被害や過労死の増加にも繋がりかねないもので、時代の流れに逆行するものだと言わざるを得ません。
 残念ながら、今後、過労による労災の事案が増加することはまず間違いないと思われます。微力ながら、弁護士としてやれることをやっていこうと思います。

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