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国の控訴断念を受けての弁護団声明

2013.4.12 命の雫弁護団 団長 佐藤博文

小野寺防衛大臣は、本日午前の記者会見で、3月29日札幌地裁が原告勝訴の判決を下した陸上自衛隊真駒内基地徒手格闘訓練死事件(平成22年(ワ)第2554号国家賠償請求事件)につき、控訴しないことを発表した。
遺族らは、判決後の4月4日、防衛大臣政務官・左藤章氏に面談し、①国は遺族の苦しみを真摯に受け止め控訴しないこと、②両親及び家族に対して謝罪すること、③再発防止に向けた取り組みを徹底するとともに、危険な徒手格闘訓練を即刻廃止して自衛隊員の人権を保障すること、を要請していた。
これに対して、防衛大臣が、遺憾の意を表明して控訴断念を発表したことは当然である。
しかし、両親や家族の心痛を考えるならば、両親及び家族に対する直接の謝罪(上記②)を行うことを強く求める。その中には、遺族の公務災害申請書類の開示請求に対して大部分を非開示にするなど、事故の真相隠蔽行為と取られても止むを得ない対応をしたことなどの弁明と謝罪も含むものである。
また、本件のような事故・事件を二度と起こさないために、上記③の実行を強く求めるものである。特に、本判決が、「旺盛な闘志をもって敵たる相手を殺傷する又は捕獲するための戦闘手段であり、その訓練には本来的に生命身体に対する一定の危険が内在」する徒手格闘訓練に対して、スポーツ事故や労災事故と同様の「安全配慮義務」が働くことを認めたことは非常に重要であり、国は、自衛隊員に関する徒手格闘を含む全ての訓練、業務について、自衛隊員の生命・身体の安全に万全を尽くすよう、改めて強く求めるものである。

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