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弁護士の笹森学です。

◆ 集団的自衛権とはヤクザの論理

集団的自衛権を行使するとは「てめぇ、俺のダチを殴ったな。許さねぇ」「あんたは俺を殴っちゃいねぇが、渡世の義理だ。悪く思うな」というものです。これを軍隊でやるというのです。

この結果、数えきれない市井の人々の生命が死屍累々と大地を覆うか霧散霧消するのです。愛くるしい子どもの顔面が歪んで吹き飛び、臨月の妊婦のお腹を銃弾が突き破り、振り向いたあなたの母親の全身がハチの巣になり、子どもに近寄ろうとした父親のはらわたがズリ出て自分で踏んで転倒する。
これをコンピューター機器による無感覚の戦闘行為が引き起こすのです。
もはや愛だの恋だのへったくれもありません!
わが安倍政権は、用意周到な全方位外交が望まれる現在に、国民の平和と安全を「武力で」守ると称して日本国民を殺戮の世界へ連れて行こうとしています。
「殺戮を厭わず」。これが安倍政権の言う積極的平和主義の本性です。でも、余計なお世話です。

◆ 憲法が守って来た69年の平和が壊される今・・・

日本は、敗戦後69年に亘り一切の交戦をせず他国にも自国民にも戦死者を出して来ませんでした。200以上にも上る世界の国々が日本を敵国とは見ずに容易にビザを発給します。このように平和主義の国と評価される国は世界に類例を見ません。平和ボケと何と言われようと憲法9条の抑止力の結果です。
しかし、そのような日本が潰えるのです。今後色々な国から、自分たちの生存を犯す危険な国と認定されかねないのです。
このような状況にありながら、日本では東欧や中東の春などのようなあからさまな国民運動が今一つ盛り上がりに欠けているように見受けられます。過半数の議席と高い支持率が反対運動を圧倒しているからでしょうか?アベノミクスの恩恵にあずかりたいからでしょうか?
しかし、内閣支持率も平和主義の観点から不安を感じさせて暫減しつつあります。
では、なぜでしょう?
武力を行使することによる実際の「殺戮」に対する「想像力」が欠けているからだという意見があります。
また、30〜40代の青年世代の動きが活発ではなく非・政治的だという意見もあります。確かに、彼らの世代の動きによって今後の雌雄が決するように思えます。
そこで、30〜40代の彼らと同世代のエンターテナーの感性を分析することによって、集団的自衛権の行使に対する彼ら世代の動向を予測してみたいと思います。
取り上げるのは私が心酔する2人の女性歌手、本名、植村愛カリーナと蒲池(かまち)幸子(さちこ)です。どちらも自らペンを持ち、精魂こめてリリックを作り、他人に何かを伝えることを大切にしています。

◆ A→

植村愛カリーナ。すなわち最初のアルファベットAで始まるAIは1981年生まれ。バリバリの30代です。
彼女は、2006年ツァーのファイナル、武道館ライブで一世一代のパフォーマンスを見せました。残念ながら私は<日本武道館AI>というDVDでその片鱗を観ただけですが、いち早くヒップホップミュージックを取り容れ、正確で激しいダンスを交えてステージを縦横無尽に駆け回るそのステージは素晴らしいものでした。
そんな中、極私的失恋歌である最終宣告(LAST WORDS)での「失笑を買うくらい歩きながらI cry。記憶全てかき消したい...帰る場所はもうない。扉閉めて...Say Goodbye」というシャウトが武道館に響き渡ります。私には<あばよ、と言え!!>と背中をドつかれているように聞こえ、失恋体験への共感で観客を煽るそのパワフルさに度肝を抜かれ、仰天したことを忘れられません。
これは「しがみつかない そんなに弱くない 痛みなんて飲み込んでやる」「何度も何度も努力してきたから 私のこと知ったふりして テキトーなこと言わないで」(Independent Woman)と、メゲルけどいつまでも失った愛に翻弄されてウルウルするのはやめよう、と強靭な意志を持った女性たろうとする徹底した自立性に共通しています。だからと言ってAIは、ウルウルウジウジすることを、ボロボロになり痩せ細る弱さを否定しているのではありません。それを認めるからこそ、「My friendの声がむねの奥に響いて涙...それとひきかえに私がどれだけやれるか見せるから!!!」(365)、「あなたがくれた優しさを抱いて今度は私がMake you smile」(大切なもの)、「あなたが私を護るから・・・・私があなたを護るから」(Story)、などのリリックに明らかなようにAIは、必ず誰かがあなたを見守っている、人は独りで生きていない、そう、人との関わりの中でこそ成長する主体的な自分が基本である、と訴えるのです。
だからこそAIは、2006年の武道館で満員の観衆に向かって飛翔し、<周りの困っている人に手を差し伸べよう、憎み合い殺し合う争いをやめて愛し合おう>と訴える傑作「I wanna know」をオープニングに選び、疑いなく、世界に対して愛と平和のメッセージを発信する日本を代表するエンターテナーとなりました。
そして、3・11にいち早く反応したAIは、以降「余裕がなくて 優しくなれない そんな時でも ちゃんと分かってくれている人がいる」「君が笑えば この世界中に もっと もっと しあわせが広がる 君が笑えば すべてが良くなる この手で その手で つながる」(ハピネス)、「いつの間にか 当たり前のことが 出来なくなってた 余計なことを考えすぎて 素直になれない why? そんな時もある でも 人の愛で人は変わる」「家族、友達、恋人も となりの知らない人も Come on! It's OK みんなで手をつなごう」(One Love)など平易で心に迫るリリックで、お隣近所の平穏と優しさこそが人の心を癒すために必要で、愛と平和の基本であることを確信を持って歌い続けています。
このような彼女が、殺戮を招く集団的自衛権の行使に賛成するわけはありません。
そして、彼女と感性を共有するファンも全く同じだと思います。
NO PEACE

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