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【日本労働弁護団とは?】
日本労働弁護団とは、労働者の人権を守るべく立ち上がった弁護士をはじめとする法律家集団です。北海道合同法律事務所も、所属する弁護士全員が日本労働弁護団に所属しており(日本労働弁護団北海道ブロック)、法廷闘争だけでなく、日々労働者の人権を守るべく活動しています。
今回、11月10日と11日の2日間にわたって浅草で行われたのは、日本労働弁護団の創立60周年記念シンポジウム&全国総会で、全国から労働弁護団の団員が集まりました。記念シンポジウム&総会の中で、今年1年の弁護団の活動や、今後の取組みなどについて議論を交わし、団結を深め、決意を新たにしました。
今回は、記念シンポジウム&総会のテーマの中で、特に印象に残った問題についてご紹介します。

【働き方改革!?】
安倍政権が進めている「働き方改革」については、「解雇の金銭解決制度」や「残業時間の上限規制」、「高度プロフェッショナル制」「同一労働同一賃金」などの個々の制度の問題点のほか、働き方に関する法案8つを「1つの働き方改革法案」として法案を提出する安倍政権の姿勢そのものの危険性について指摘されました。
これら法案の中には、過労死促進法などと揶揄され極めて評判の悪い法案だった「高度プロフェッショナル制」などが含まれており、それを「残業時間の上限規制」などの聞こえの良い法案とセットにしてその問題性、危険性を覆い隠してしまうようなやり方は、非常に問題があると言わざるを得ません。私たち国民は、「働き方改革」の美名に惑わされることなく、1つ1つの法案の内容や危険性をしっかりチェックしていくことが重要であると改めて感じました。

個々の制度の問題点(一部です。)としては、

■ 解雇の金銭解決制度…従前、訴訟における和解協議の中で柔軟な解決が図られていたものであり、制度化によって安易な解雇を誘発するほか、解決基準が低下する危険がある。
■ 残業時間の上限規制…過労死基準とされている月80時間を超過している時点で「上限規制」と呼べるのかには大いに疑問がある上、規制される時間の対象に休日労働を含まない例外が定められているなど、抜け道が多い。
■ 高度プロフェッショナル制…労働法による時間規制の対象とならない裁量労働者の範囲が不明確であり、どこまでも拡大される恐れが大きい。

といった点が指摘され、熱い議論が交わされていました。

【雇用によらない働き方】
「雇用によらない働き方」に関するパネルディスカッションでは、その危険性について熱い議論が交わされました。「雇用形態にとらわれない柔軟な働き方が可能になる。」として、これを促進していこうという動きがありますが、偽装請負など、労働法規制を不当に回避する例が後を絶たない現状を前提とする限り、労働法による労働者保護規制が破壊されてしまう危険性が大きいことが指摘されました。
現時点でも、既に「雇用によらない働き方」の1つとして、東京の一部の地域では、スマホアプリを使った配車サービスや飲食店の宅配代行などが行われています。しかし、「雇用によらない」ということは、「労働法による労働者保護規制が適用されない」ことを意味します。使用者による労働時間管理が十分になされておらず、偽装請負等による労働者保護規制の回避が後を絶たない今の日本の現状では、「雇用によらない働き方」は確実に労働者保護規制が破壊されてしまいます。そして、労働者保護規制の破壊は、過労死などの労働災害を拡大する危険性すらあるものです。
「雇用によらない働き方」の議論をするのであれば、労働者保護規制を回避するような脱法的な運用ができないような制度設計が不可欠であると強く感じました。


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