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2014年12月25日付朝日新聞の朝刊一面に、『来日実習生「時給25円」』という衝撃的な見出しの記事が掲載されました。

長崎県内の縫製工場で働くバングラディッシュ人の元外国人技能実習生は、月10万円の給与から、社長が住居費名目で約4万円をとっていき、さらに就職を仲介したバングラディッシュ人に5万円をとられており、手元に残るのは月1万円。

彼女は、未明までミシンがけなどに追われる日もあり、休みは月2〜3日しかなく、月400時間以上働き、残業は月200時間を超えるとのこと。

1万円の手取りを時給に換算すると「25円」以下。

彼女は知人のツテを頼り、今は別の食品工場で働いています。縫製工場の当時を「奴隷のような扱いだった」と振り返っています。

彼女は、待遇改善を訴えたところ強制帰国させられそうになったことでこの事件が発覚し、2013年に社長らを相手に賃金の支払いを求めて京都地裁に提訴しています。
当事務所の小野寺信勝も、この事件の代理人を務めています。

外国人研修・技能実習制度は、「我が国で開発され培われた技術・技能知識の開発途上国等への移転を図り、当該開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的」とする制度であり、国際貢献の一環とされています。もちろん、労働関係諸法が適用されますが、その実態は上記のとおりです。

安倍政権は、労働力不足を背景に、外国人実習生の拡大を打ち出していますが、「外国人技能実習生の労働権を守るため、外国人技能実習プログラム改編のための措置を講じること」を、国連の人種差別撤廃委員会から勧告されています。

このまま受け入れを増やしていいのか、朝日新聞でも問題提起されていますが、みなさま、この問題にも、ぜひご注目ください。

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