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 当事務所の弁護士も加入する法律家3団体の連名で「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に強く抗議し、即時撤退を求めるとともに、国連憲章に基づく平和的解決を求める声明」を発表しました。
 在札幌ロシア連邦総領事館に声明文を持参して「必ず本国に送り、プーチン大統領に伝えてほしい。」と職員の方に伝え、その後、司法記者クラブで記者会見もしました。
 以下、声明を全文掲載いたします。

 【ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に強く抗議し、即時撤退
  を求めるとともに、国連憲章に基づく平和的解決を求める声明】

 2022年2月24日、ロシア連邦共和国(以下「ロシア」という)は、隣国であるウクライナ共和国(以下「ウクライナ」という)に対し、軍事侵攻を開始した。
 ロシアは、この軍事侵攻により、首都キエフを含む主要都市やその周辺の軍事施設、民間施設に対して攻撃を行ない、兵士だけでなく一般市民にも犠牲者が多数出ており、その数は、軍事侵攻後わずか数日間で双方合せて数千人に上る可能性があると報道されている。さらに、プーチン大統領は、核兵器の使用にも繰り返し言及しており、今後の事態の推移によっては予断を許さない状況にある。
 第2次世界大戦後の国際社会は、国連を設立して、紛争の防止と平和的解決のための新たな国際秩序を作った。国連憲章第2条4項は、すべての加盟国に対し、「その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立」に対しても禁止した。例外として、武力攻撃が発生した場合、個別的又は集団的自衛権の行使(同憲章51条)が認められているが、ウクライナがロシアを武力攻撃した事実は確認されておらず、ロシアの国連憲章違反は明らかである。
 プーチン大統領が、ウクライナに対して核兵器の使用を言うことは、最悪の非人道的な「武力による威嚇」であり、絶対に許されるものではない。ヒロシマ・ナガサキを経験し、核兵器禁止条約(昨年1月発効)の実現を求める立場から怒りを禁じえない。
 こうしたプーチン大統領によるウクライナ侵攻の暴挙に対して、世界中の市民が抗議の声を上げているのは当然である。これは、国際紛争の平和的解決の原則が、国際法としても国際世論としても確立していることを意味している。
 日本国憲法は、「恒久の平和を念願し」「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」(憲法前文)を有するとしている。私たち北海道内で活動する法律家3団体は、かかる憲法の下で、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命として活動している。
 このような立場から、私たちは、ロシア政府に対してロシア軍の即時撤退を求めるとともに、ロシア市民、ウクライナ市民を含む世界中の人々と連帯して国連憲章に基づく平和的解決のために全力をあげる決意である。

 2022年3月4日
   青年法律家協会北海道支部   支部長 田 中 貴 文
   日本労働弁護団北海道ブロック 代 表 伊 藤 誠 一
   自由法曹団北海道支部     支部長 佐 藤 博 文

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