北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

命の雫裁判、勝訴!

 2006年11月21日、当時20歳だった沖縄出身の自衛官亡島袋英吉さんが、初任地として赴任した陸上自衛隊真駒内基地内で、徒手格闘訓練中に死亡したことについて、両親ら遺族が国の責任を問う裁判を札幌地裁に起こしており、2013年3月29日に原告勝訴の判決が言い渡されました。
 判決後に、弁護団が声明を出しておりますので、以下に掲載いたします。

                        声      明
                                                  2013年3月29日
                                                  「命の雫」裁判弁護団 

 札幌地方裁判所は、本日、「命の雫」裁判(陸上自衛隊真駒内基地徒手格闘訓練死事件)について、原告勝訴の判決を言い渡した。
 本裁判は、2006年11月22日、当時20歳だった自衛隊員の島袋英吉さんが、徒手格闘訓練中に相手方に投げられ、急性硬膜下血腫及び外傷性くも膜下血腫で亡くなった事故につき、自衛隊の責任を問うものである。
 遺族原告らは2010年8月3日に提訴し、以後、本件訓練に関与した3名の自衛官の安全配慮義務違反及び亡英吉の遺体に残された傷害の痕跡等から、訓練の目的を超えた有形力の行使の存在について主張・立証を行ってきた。
 裁判所は、自衛隊の徒手格闘訓練について、「旺盛な闘志をもって敵たる相手を殺傷する又は捕獲するための戦闘手段であり、その訓練には本来的に生命身体に対する一定の危険が内在」するものとして、徒手格闘訓練の危険性について言及した。
 その上で、訓練の指導者は、「訓練に内在する危険から訓練者を保護するため、常に安全面に配慮し、事故の発生を未然に防止すべき一般的な注意義務を負う」とし、このことは、徒手格闘訓練が自衛隊の訓練として行われる場合であっても異なるものではないと認定した。
 本件訓練の指導者たる自衛官Fは、受け身の習熟度の低い英吉さんが投げ返しに対して適切に受け身をとることができず、頭部を打ち付ける危険性があったことを十分に予見しながら、訓練相手たる自衛官Aに対して英吉さんに対する投げ返しを認めたことにつき、指導者としての注意義務に違反する過失があったとして、原告らの主張を認める判断を行った。
 しかし、英吉さんの遺体に生じた多数の不自然な損傷については、通常の訓練ないし医療行為によって生じた可能性があるとし、訓練の目的を逸脱した有形力が故意に行使されたか否かについては否定した。
 裁判所が、訓練に関与した自衛官らの故意責任を排斥したことは遺憾であるが、本判決は、自衛隊の徒手格闘訓練の危険性について初めて判断した初めての判決である。また、慰謝料については両親固有の慰謝料も認めた上で、高額な金額を認定している点で、画期的な勝訴判決であると考える。さらに、不法行為に基づく損倍賠償請求の消滅時効の起算点について、原告らの主張とおり、原告らが現実に損害及び加害者を知ったのは黒塗りがない調査報告書等を入手した平成20年8月頃であるとし、被告の主張を排斥した点も妥当である。
 また、本判決が、自衛隊内での訓練における安全管理の杜撰さを指摘し、国の責任を認めたことの意義は極めて大きく、深刻な反省を迫るものである。
 判決は、概ね妥当なものであり、被告である国は、亡くなった本人と遺族の苦しみを真摯に受け止め、控訴することを断念すべきである。
 そして、このような痛ましい事件が自衛隊内で繰り返されることのないよう、国として万全の対策を講じ、再発防止に向けた取り組みを徹底すべきである。


※ 「命の雫」とは
 遺族は、なぜ希望に溢れていた息子が命を落としたのかを明らかにするべく、英吉君の生涯の軌跡を『命の雫』(文芸社)と題する書籍にまとめ、出版しました。「命の雫」裁判は、この書籍の題名から名付けられました。
 
 

B型肝炎訴訟帯広説明会開催!

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 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団は、B型肝炎訴訟についてお知りになりたい方や、新たに訴訟への参加を考えている方・そのご家族などを対象として、全道各地で説明会を開催いたします。
 まずは、4月14日(日)に帯広での説明会を開催いたしますので、ご案内いたします。

 日時  2013 年4月 14 日(日)13 時 30 分〜
 会場  とかちプラザ 講習室 403号室
     (帯広市西4条南13丁目1番地・JR帯広駅 徒歩3分)


≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/

中高生のための憲法ゼミナール

 3月9日に札幌弁護士会が「中高生のための憲法ゼミナール」を開催し、約20人の中高生が生活保護などをテーマに議論し、憲法25条が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を規定する生存権の内容について理解を深めたと、北海道新聞に講座に様子が報じられています。
 参加した中高生は、4、5人ずつのグループに分かれて、生活保護を手厚く認めるべきかについて意見交換をしたところ、国の借金が増えて税金が高くなるとして生活保護支給対象を縮小すべきとする意見があれば、働きたくても働けない場合もあり、子どもの教育などに影響が出ないように手厚く保護すべきとの意見も出されたとのことです。また、スーパーのチラシやアパートの家賃のパンフレットなどを見ながら必要な生活費を計算して、生活保護の支給額と比較してどのようなレベルが「最低限度」かを考えたとのことです。

 なお、シンポジウムでは、当事務所の池田賢太が司会を務め、佐藤博文(札幌弁護士会憲法委員会事務局長)が開会挨拶をしております。

≪今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?≫
 生活保護制度については、日本弁護士連合会が、「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?〜生活保護のことをきちんと知って、正しく使おう〜」と題したリーフレットを作成・発行しています。
 意外と知られていない生活保護制度の実態が分かりやすくまとめれていますので、ぜひ、一度ご覧ください。

 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf

イラク戦争開戦から10年/問題点を検証

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 米英軍がイラク攻撃を開始してから、今年の3月20日で10年を迎えるにあたり、3月23日午後6時半から、「今、問う イラク戦争の10年と日本」と題したシンポジウムが開催されると、北海道新聞(3月15日付夕刊)に紹介されています。
 米英軍が「テロとの戦い」を掲げてイラクを攻撃し、当時の小泉純一郎首相はその攻撃を支持することを表明して人道復興支援の名の下、自衛隊をイラクに派遣しました。
 しかし、米国が主張していたアルカイダと旧フセイン政権との協力関係や、大量破壊兵器の保有は根拠がなかったことが判明しています。
 シンポジウムでは、イラク戦争で英軍兵だった19歳の息子を亡くし、イラク侵攻を決めたブレア元首相の責任を問う裁判を起こした英国人のローズ・ジェントルさん、そして当事務所の佐藤博文(自衛隊イラク派兵差し止め訴訟・全国弁護団連絡会事務局長)が、イラク戦争の問題点や、自民党が掲げる国防軍の創設など自衛隊や憲法を取り巻く現状について講演する予定です。

 会場  札幌エルプラザ(札幌市北区北8条西3丁目)
 時間  18時30分〜

B型肝炎訴訟109人、国と和解

 集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した患者らが国に賠償を求めている全国B型肝炎訴訟において、3月15日、札幌地裁で原告109人が国と和解したことが、北海道新聞(3月16日付朝刊)で報じられています。1期日において109名が和解したのは北海道訴訟では過去最多です。和解が成立した原告は合計449にとなり、提訴した1177名のうち38%の方が和解したこととなります。
 弁護団代表の佐藤哲之は、和解のペースが上がっていることを評価したうえで「和解を見ずに亡くなった人もおり、さらにテンポを速めたい」とコメントを出しています。

【弁護団にご相談を】
 現在も、随時、B型肝炎救済法に関する相談を受け付けておりますので、感染原因に心当たりがないにもかかわらず、B型肝炎に感染されている方は、ぜひ、弁護団にご相談ください。和解成立後は、キャリアの方には定期検査の費用助成制度もあります。
 また、B型肝炎は、集団予防接種において誰が感染してもおかしくはない病気です。できるだけ早く、一度は検査を受けることをお勧めします。

 ≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/

裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求

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 2月20日、札幌弁護士会を通じて、札幌高等裁判所・札幌地方裁判所が、入庁者に対して所持品検査を行うとの連絡を受けました(職員や事件当事者に対する危害行為が発生したとのこと)。
 この所持品検査は、金属探知器を使用する(空港の手荷物検査と同様)に先立って手荷物の開披を求める運用とのこと。この所持品検査がプライバシーの侵害であることは明らかであることなどから、当事務所は、以下のとおり、札幌高等裁判所長官宛に「裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求書」を提出しました。


 
札幌高等裁判所 長官 山  崎   恒  殿

                        2013年(平成25年)2月28日
                         〒060-0042
                         札幌市中央区大通西12丁目
                          北海道高等学校教職員センター
                           北海道合同法律事務所
                            弁護士 佐藤哲之
                            弁護士 石田明義
                            弁護士 長野順一
                            弁護士 内田信也
                            弁護士 笹森 学
                            弁護士 佐藤博文
                            弁護士 川上 有
                            弁護士 渡辺達生
                            弁護士 三浦桂子
                            弁護士 安部真弥
                            弁護士 中島 哲
                            弁護士 山田佳以
                            弁護士 香川志野
                            弁護士 池田賢太
                            弁護士 橋本祐樹


     裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求書

第1 申入の趣旨
 当事務所及び当職らは、札幌高等裁判所が、本年3月1日から実施する旨決定した、高裁・地裁庁舎(本館・別館の玄関)における入庁者に対する所持品検査(以下、「本件所持品検査」という。)に対し強く抗議し、当該所持品検査実施方針の撤回を求める。
 
第2 申入の理由
1 開かれた裁判所(公開の裁判の保障)の実現に反する本件所持品検査
(1)裁判所の義務
 憲法82条第1項は、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」として、裁判の公開を制度的に保障している。これは、立法・行政から独立した裁判所に対する民主的統制の一環としての側面があり、司法の正当性の根拠ともいえるのであって、「公開法廷」は形式的だけでなく実質的にも保障されなければならない。従って、裁判所は、実質的にも公開法廷を実現する義務を負う。
また、裁判所は、近年、さかんに「市民に開かれた裁判所」を標榜し、地・家裁委員会を設置したり、市民への広報に努めるなど、それなりに活動してきた。これは、裁判所が、開かれた裁判所を実現することを市民に対して約束してきたことを意味する。従って、裁判所は、この市民に対する公的な約束を遵守する意味でも、開かれた裁判所を実現する義務を負う。
(2)所持品検査の持つ意味(プライバシー侵害性)
 所持品検査は、一般的にプライバシー侵害を伴う。そうであるからこそ、職務質問に伴う所持品検査についても、司法は厳しい制約を課している。特に本件所持品検査は、金属探知器を使用するに先立って手荷物の開披を求める運用とのことである。
手荷物の開披を求めるということが、外部からの金属探知器によるものに比べ遥に大きなプライバシー侵害であることは明らかである。このような所持品検査が、裁判所を訪れた市民にとってどれほど大きな苦痛を与えるものであるかは、容易に想像がつくものであるから、かかる所持品検査の実施のためには、十分な立法事実と関係各所からの意見聴取や協議をおこなうなど慎重な検討経過を必要とするというべきである。
(3)施設管理権について
 各公的機関には、それぞれに施設管理権が存在する。しかし、施設管理権が 無制約な行使が認められるわけではない。当該施設の属性や担っている職務及び義務と、施設管理権を行使すべき必要性及びその手段の相当性との関係において、是認される範囲は異なってくると考えられる。
 この点、裁判所には、前記(1)のとおり、「公開の法廷」、「市民に開かれた裁判所」の名にふさわしい環境を確保する憲法上の義務があるのであって、施設管理権の行使として新たな制約を設ける場合には、十分な必要性と相当性がなければ認められないというべきである。
(4)立法事実の不存在
 裁判所には、紛争当事者を含め多様な属性を有する市民が出入りする。従って、紛争の最中にある者らが激高して、暴力的手段を用いる抽象的危険が存在するとはいえる。しかし、裁判所に限らず、公的機関では多かれ少なかれこのような市民が出入りするのであって、必ずしも裁判所だけが突出してかかる危険性が高いということはできない。
 そうであれば、公開法廷を憲法上義務づけられた裁判所(そして、裁判所内で職務を行う市民の公僕である裁判官・裁判所職員)が、市民の一般的な暴力性を理由に、強いプライバシー侵害行為である所持品検査を行うことが正当化されることはない。
 従って、裁判所が市民に対して所持品検査を実施するためには、その必要性を根拠づける立法事実が必要である。
 しかし、当事務所及び当職らは、少なくとも近時、貴庁において、かかるプライバシー侵害性の強い所持品検査を必要とするような危険行為が発生したとの事実を知らない。
仮に、一定の危険行為があったとしても、所持品検査、特に本件所持品検査の態様でのものを実施するためには、他のより緩やかな権利侵害にとどまる手段を持ってしては防止し得ないほど強い危険性を有した行為が存在しなければならないと考えられるところ、かかる危険行為があった旨の情報はない。
従って、貴庁における本件所持品検査を正当化する立法事実はないというべきであるから、本件所持品検査は、施設管理権の裁量を逸脱する違法な行為である。
(5)関係各所からの意見聴取等の不存在(手続き上の瑕疵)
 上記(2)のとおり、市民のプライバシー侵害性の強い所持品検査の実施のためには、開かれた裁判所としては、慎重な検討過程を持つべきである。
 そうであれば、裁判所はその利用度が最も高く、市民、特に裁判所を利用する市民との関係が強い弁護士・弁護士会から意見を聴取すべきであり、その声に真摯に耳を傾けるための協議の場を設ける必要があった。
 しかし、貴庁は、北海道弁護士連合会や札幌弁護士会に対して、一切の意見聴取を行わず、一切の協議の場を設けることもなく、本年2月18日に一方的に本件所持品検査の実態を通告してきた。そればかりでなく、貴庁は、かかる通告を受けた札幌弁護士会からの、書面による正式な協議申し入れに対し、これを拒絶した。
これは、裁判所の対応としてあるまじきものと言わざるを得ず、手続違背の非難を免れない。
(6)以上から、貴庁の本件所持品検査の実施は、施設管理権の濫用であって認めることはできないので、強く抗議するとともにその撤回を求める。

2 弁護士・弁護士会との関係での不誠実性
(1)弁護士会との信頼関係の破壊
 これまで、裁判所と弁護士会は、立場の違いを超え、同じ法曹として密接な協力関係を持ってきた。それは、法曹として、法の支配の実現をはかるという意味で、共通の基盤を有するとともに、これまでの相互の活動について相当の評価を与え、信頼関係を築いてきた結果である。
 もちろん、別組織である以上、裁判所、弁護士会ともに独自に決定することが前提であり、常に相互の協議を必要とするわけではない。
 しかし、相互に強い影響を及ぼす可能性のある事項については、事前の協議を行ってきた。特に、裁判所庁舎利用に関する問題は、最も利用度の高い弁護士・弁護士会の理解と協力が不可欠なはずである。
(2)弁護士業務への不当な侵害
 本件所持品検査は、弁護士には直接適用がないとするものの、それは徽章の提示が前提となっているところ、徽章の携行を失念することは誰においてもあり得るのであり、かかる徽章の携行を失念した弁護士についての取扱が示されていないこと、徽章の代替物として日本弁護士連合会が発行する身分証を認めていないことなどを考えると、弁護士が常に所持品検査の対象から除かれるわけではないようである。
 仮に、弁護士への所持品検査が鞄を開披することを内容とするならば、それは明らかな弁護士業務への不当な侵害である。弁護士の携行する鞄等の内容物は、依頼者をはじめとする個人のプライバシーの集合体といっても過言ではなく、仮に貴庁がその内容に立ち入らないと表明しても、表面上からも一定のプライバシー情報は明らかになりうるのであるから、やはり弁護士業務への不当な侵害行為である。
 さらに、事務員に対する身分証の持参の義務づけも不当である。
事務員は、多岐に渡る外勤があるのであって、出先から急遽予定を変更して裁判所に赴かなければならないこともある。また、身分証の交付が1事務所1枚に限定されていることは、複数事務員を抱える多くの事務所にとって緊急的対応を困難にするし、大規模事務所にはおいてはその弊害は著しい。
 以上から、本件所持品検査及び身分証提示の義務付は明らかに弁護士業務に対する不当な侵害である。

3 結語
 以上から、当事務所及び当職らは、貴庁による本件所持品検査の実施に強く抗議し、その撤回を求める。
 なお、高裁・地裁が本抗議・要求にもかかわらず本件所持品検査を強行実施するならば、当職らは、国民に与えられた権利の行使を辞さない。当職らはかかる権利行使を留保するものであること付言する。
       

B型肝炎訴訟/追加提訴

 集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した患者らが国に賠償を求めている全国B型肝炎訴訟において、2月28日、札幌地裁など9地裁に新たに345人が提訴したことが、北海道新聞(3月1日付朝刊)に報じられています。
 原告数は、全国で累計8056人になりました。北海道訴訟については、75人が追加提訴し、原告数は1177人になりました。

 B型肝炎救済法に基づく給付金の支給を受けるには、裁判所に訴訟を提起する必要があります。

【弁護団にご相談を】 
 現在も、随時、B型肝炎救済法に関する相談を受け付けておりますので、感染原因に心当たりがないにもかかわらず、B型肝炎に感染されている方は、ぜひ、弁護団にご相談ください。和解成立後は、キャリアの方には定期検査の費用助成制度もあります。
 また、B型肝炎は、集団予防接種において誰が感染してもおかしくはない病気です。できるだけ早く,一度は検査を受けることをお勧めします。

 ≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/

秘密のヒミツ

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 札幌弁護士会は,3月1日に,「秘密保全法」制定に反対する市民集会『秘密のヒミツ』を開催します。

 政府は,尖閣諸島沖中国漁船衝突事件のビデオ流出事件をきっかけとして,「秘密保全法」を制定しようとしています。
 秘密保全法案は,国の安全,外交,公共の安全と秩序にかかわる幅広い事項を「特別秘密」に指定し,特別秘密を漏らした人には最高で懲役10年という厳しい刑罰を科すものです。秘密保全法案の対象には,国家公務員ばかりではなく,一般市民も含まれます。
 情報公開の必要性が強調されるなか,重要な情報を国民から遠ざけようとする秘密保全法案は,国民主権に反し,民主主義を根底から揺るがしかねません。
 今回の市民集会では秘密保全法のヒミツに迫り,法案の問題点を探ります。

 と き 2013年3月1日(金)
       午後5時30分開場,午後6時開会

 ところ 札幌市教育文化会館研修室305

教師の原発本出版不許可〜出版・表現の自由の侵害〜

 札幌琴似工業高校の川原茂雄教諭が,原発や放射能をテーマにした「出前授業」の内容を3冊の本にまとめ出版する際,その出版許可申請を受けた北海道教育委員会が「不許可」としていたことが,朝日新聞(1月30日付夕刊),北海道新聞(1月31日付朝刊)に報じられています。

【不許可決定】
 地方公務員が報酬を受ける事業にかかわる場合,任命権者の許可が必要であり,本の出版により印税を得ることになる場合「営利企業等従事許可願」の提出が求められるため,川原教諭が昨年10月下旬に申請をしていたものです。昨年12月6日付の不許可とのこと。

【出版】
 川原教諭は,印税十数万円を福島県の子どもを支援する市民団体へ寄付する予定で,道教委の不許可決定を受け,印税を出版社から団体に,直接送る手続きをとって,本は昨年12月に出版されました。

【不許可理由】
 道教委は不許可理由を「原発事故で被害を受けた人も多い。出版で報酬を得ることで誤解を招いたり,公務員の信用を傷つけたりする恐れがあった」「原発問題は政治的争点で,衆院選にも重なるデリケートな時期だったため」などと説明しています。

【出版・表現の自由の侵害】
 当事務所の佐藤博文(札幌弁護士会憲法委員会事務局長)は,朝日新聞の取材に対して「内容が公序良俗に反しておらず,不相当に高額な報酬ではない。原発の本を理由に事実上不許可にしたことは憲法21条(※)が保障する出版・表現の自由を侵害する」とコメントしています。

※ 憲法21条
 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

貧困をなくそう!全道学習・運動交流会

 ワーキングプアについて考える「貧困をなくそう!全道学習・運動交流集会」が2月2日に行われ,首都圏青年ユニオン青年非正規労働センターの河添誠事務局長が講演し「劣悪な雇用環境を変えるために,現場から声を上げよう」と訴えたことが北海道新聞(2月3日付朝刊)で報じられております。
 講演では,年収200万円以下で生活している労働者が1045万人(給与所得者の約22%)いることが報告されました。河添さんは,ほかに正社員としての働き口が見つからず,仕事を辞められないことが,賃金未払い等の問題がある「ブラック企業」を助長していると指摘されました。
 個人の努力では解決が困難なことも,組合による交渉で会社側の謝罪を引き出した例などを紹介し,現場から声を上げることの重要性が話されました。

 集会は,労働組合や弁護士などで組織する「雇用・くらし・SOSネットワーク北海道(通称SOSネット)」が主催しました。
 SOSネットには,当事務所の多くの弁護士が相談会活動に携わっており,渡辺達生はSOSネットの事務局の一員として活動しております。

 なお,賃金の未払いをはじめ,雇用関係に関する悩みがございましたら,遠慮なく,当事務所にもご相談ください(当事務所は,働く人びとのための法律事務所であることを事務所憲章として掲げております。)。