北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

元准教授 千歳科学技術大学を提訴

 学長を批判したことを理由として解雇された千歳科学技術大学の元准教授が、同大学を相手に解雇無効と慰謝料300万円の支払いを求める訴訟を札幌地方裁判所に起こしたことが、北海道新聞(4月6日付朝刊)に報じられています。
 元准教授は、昨年9月に採用され、学長から学力不足による退学者対策を要請され、その対策を提案しましたが、学長が消極的だったため「もっと責任感を持ってください」などの批判的内容のメールを学長に送信したところ、今年2月「教育者・組織人として適格性に欠ける」として解雇されています。准教授は、解雇は教授会の決議もなく理事会の専権で行われており、無効だと主張しています。
 なお、本訴訟については、当事務所の佐藤博文、池田賢太が代理人を務めております。

 

憲法フェスティバルのご案内

アップロードファイル 130-1.pdf

 弁護士の池田です。

 当事務所の弁護士の多くが加入している青年法律家協会(青法協)の北海道支部の一大イベントのお知らせです。
 青法協は、1954年、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に、若手の法律研究者や弁護士、裁判官などによって設立された団体です。

 毎年、北海道支部では憲法記念日に近い4月の週末に憲法フェスティバルを開催しています。
 今年は、憲法学者の浦部法穂先生をお招きして、憲法とは何か?という基本的な疑問から解き明かしていこうと思っています。
 昨年は、自民党はじめ多くの政党から改憲案が示され、改憲手続きを定めている憲法96条の改正議連が活発に活動するなど、憲法改正が具体的な政治日程に上がりつつあります。
 今一度、しっかりと日本国憲法を学ぶ集会にしたいと思っています。
 皆さま、ぜひお誘いあわせの上、ご参加くださいますようお願いいたします。

 なお、『「青年」法律家協会』は、「志あるものはいつまでも青年!」なので、年齢制限はありません。

(このトピックスの上部「アップロードファイル 130-1.pdf」をクリックいただくと、チラシをダウンロードできます。)

   憲法フェスティバル2013
   「浦部先生に聞いてみよう!憲法は変えなきゃダメですか?〜憲法の役割と日本の未来〜」


【日 時】 2013年4月27日(土) 開場 午後1時30分

【開 演】 午後2時00分

【場 所】 札幌市民ホール(第1・第2会議室) 札幌市中央区北1条西1丁目

【資料代】 500円

【講 師】 浦部 法穂(うらべ のりほ)先生
       神戸大学名誉教授・法学館憲法研究所顧問
       元神戸大学大学院法学研究科教授,
       神戸大学副学長,
       名古屋大学大学院法学研究科教授(憲法・国際人権法)

【主 催】 青年法律家協会北海道支部

奨学金問題対策全国会議発足

 奨学金の返済が困難な人の法的相談に乗る弁護士らによる初の支援組織「奨学金問題対策全国会議」が、3月31日に発足しました。北海道新聞(3月30日夕刊、4月1日朝刊)等に掲載されています。
 道内の弁護士8名を含む、弁護士、及び司法書士50人が中心となって相談体制を組織するとのこと。
 
 日本学生支援機構の奨学金の貸付額は年1兆円以上。2011年度の滞納額は2002年度の2.2倍の876億円(約33万人)に上り、裁判所に対する支払督促申立は1万0005件で2002年度の80倍以上に増えています。

 その要因として、社会保障制度の問題が大きく影響しています。日本の国立大学の年間授業料は40年間で15倍に値上がりし、奨学金の大半は返済が必要な貸与型です。他方、ヨーロッパでは国立大学の学費は無料で、その上、返済の必要のない給付型の奨学金が多くあります。ちなみに、日本の教育予算は、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中、最下位です(2009年の調査結果)。

 当事務所の橋本祐樹も、この会議のメンバーの一人であり「総返済額1千万円を超す場合や、延滞金を返し続けても元金が減らない例もあり、かつての消費者金融問題に似ている。社会問題として広く知らせたい」と話しています。

命の雫裁判、勝訴!

 2006年11月21日、当時20歳だった沖縄出身の自衛官亡島袋英吉さんが、初任地として赴任した陸上自衛隊真駒内基地内で、徒手格闘訓練中に死亡したことについて、両親ら遺族が国の責任を問う裁判を札幌地裁に起こしており、2013年3月29日に原告勝訴の判決が言い渡されました。
 判決後に、弁護団が声明を出しておりますので、以下に掲載いたします。

                        声      明
                                                  2013年3月29日
                                                  「命の雫」裁判弁護団 

 札幌地方裁判所は、本日、「命の雫」裁判(陸上自衛隊真駒内基地徒手格闘訓練死事件)について、原告勝訴の判決を言い渡した。
 本裁判は、2006年11月22日、当時20歳だった自衛隊員の島袋英吉さんが、徒手格闘訓練中に相手方に投げられ、急性硬膜下血腫及び外傷性くも膜下血腫で亡くなった事故につき、自衛隊の責任を問うものである。
 遺族原告らは2010年8月3日に提訴し、以後、本件訓練に関与した3名の自衛官の安全配慮義務違反及び亡英吉の遺体に残された傷害の痕跡等から、訓練の目的を超えた有形力の行使の存在について主張・立証を行ってきた。
 裁判所は、自衛隊の徒手格闘訓練について、「旺盛な闘志をもって敵たる相手を殺傷する又は捕獲するための戦闘手段であり、その訓練には本来的に生命身体に対する一定の危険が内在」するものとして、徒手格闘訓練の危険性について言及した。
 その上で、訓練の指導者は、「訓練に内在する危険から訓練者を保護するため、常に安全面に配慮し、事故の発生を未然に防止すべき一般的な注意義務を負う」とし、このことは、徒手格闘訓練が自衛隊の訓練として行われる場合であっても異なるものではないと認定した。
 本件訓練の指導者たる自衛官Fは、受け身の習熟度の低い英吉さんが投げ返しに対して適切に受け身をとることができず、頭部を打ち付ける危険性があったことを十分に予見しながら、訓練相手たる自衛官Aに対して英吉さんに対する投げ返しを認めたことにつき、指導者としての注意義務に違反する過失があったとして、原告らの主張を認める判断を行った。
 しかし、英吉さんの遺体に生じた多数の不自然な損傷については、通常の訓練ないし医療行為によって生じた可能性があるとし、訓練の目的を逸脱した有形力が故意に行使されたか否かについては否定した。
 裁判所が、訓練に関与した自衛官らの故意責任を排斥したことは遺憾であるが、本判決は、自衛隊の徒手格闘訓練の危険性について初めて判断した初めての判決である。また、慰謝料については両親固有の慰謝料も認めた上で、高額な金額を認定している点で、画期的な勝訴判決であると考える。さらに、不法行為に基づく損倍賠償請求の消滅時効の起算点について、原告らの主張とおり、原告らが現実に損害及び加害者を知ったのは黒塗りがない調査報告書等を入手した平成20年8月頃であるとし、被告の主張を排斥した点も妥当である。
 また、本判決が、自衛隊内での訓練における安全管理の杜撰さを指摘し、国の責任を認めたことの意義は極めて大きく、深刻な反省を迫るものである。
 判決は、概ね妥当なものであり、被告である国は、亡くなった本人と遺族の苦しみを真摯に受け止め、控訴することを断念すべきである。
 そして、このような痛ましい事件が自衛隊内で繰り返されることのないよう、国として万全の対策を講じ、再発防止に向けた取り組みを徹底すべきである。


※ 「命の雫」とは
 遺族は、なぜ希望に溢れていた息子が命を落としたのかを明らかにするべく、英吉君の生涯の軌跡を『命の雫』(文芸社)と題する書籍にまとめ、出版しました。「命の雫」裁判は、この書籍の題名から名付けられました。
 
 

B型肝炎訴訟帯広説明会開催!

アップロードファイル 123-1.pdf

 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団は、B型肝炎訴訟についてお知りになりたい方や、新たに訴訟への参加を考えている方・そのご家族などを対象として、全道各地で説明会を開催いたします。
 まずは、4月14日(日)に帯広での説明会を開催いたしますので、ご案内いたします。

 日時  2013 年4月 14 日(日)13 時 30 分〜
 会場  とかちプラザ 講習室 403号室
     (帯広市西4条南13丁目1番地・JR帯広駅 徒歩3分)


≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/

中高生のための憲法ゼミナール

 3月9日に札幌弁護士会が「中高生のための憲法ゼミナール」を開催し、約20人の中高生が生活保護などをテーマに議論し、憲法25条が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を規定する生存権の内容について理解を深めたと、北海道新聞に講座に様子が報じられています。
 参加した中高生は、4、5人ずつのグループに分かれて、生活保護を手厚く認めるべきかについて意見交換をしたところ、国の借金が増えて税金が高くなるとして生活保護支給対象を縮小すべきとする意見があれば、働きたくても働けない場合もあり、子どもの教育などに影響が出ないように手厚く保護すべきとの意見も出されたとのことです。また、スーパーのチラシやアパートの家賃のパンフレットなどを見ながら必要な生活費を計算して、生活保護の支給額と比較してどのようなレベルが「最低限度」かを考えたとのことです。

 なお、シンポジウムでは、当事務所の池田賢太が司会を務め、佐藤博文(札幌弁護士会憲法委員会事務局長)が開会挨拶をしております。

≪今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?≫
 生活保護制度については、日本弁護士連合会が、「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?〜生活保護のことをきちんと知って、正しく使おう〜」と題したリーフレットを作成・発行しています。
 意外と知られていない生活保護制度の実態が分かりやすくまとめれていますので、ぜひ、一度ご覧ください。

 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf

イラク戦争開戦から10年/問題点を検証

アップロードファイル 121-1.pdf

 米英軍がイラク攻撃を開始してから、今年の3月20日で10年を迎えるにあたり、3月23日午後6時半から、「今、問う イラク戦争の10年と日本」と題したシンポジウムが開催されると、北海道新聞(3月15日付夕刊)に紹介されています。
 米英軍が「テロとの戦い」を掲げてイラクを攻撃し、当時の小泉純一郎首相はその攻撃を支持することを表明して人道復興支援の名の下、自衛隊をイラクに派遣しました。
 しかし、米国が主張していたアルカイダと旧フセイン政権との協力関係や、大量破壊兵器の保有は根拠がなかったことが判明しています。
 シンポジウムでは、イラク戦争で英軍兵だった19歳の息子を亡くし、イラク侵攻を決めたブレア元首相の責任を問う裁判を起こした英国人のローズ・ジェントルさん、そして当事務所の佐藤博文(自衛隊イラク派兵差し止め訴訟・全国弁護団連絡会事務局長)が、イラク戦争の問題点や、自民党が掲げる国防軍の創設など自衛隊や憲法を取り巻く現状について講演する予定です。

 会場  札幌エルプラザ(札幌市北区北8条西3丁目)
 時間  18時30分〜

B型肝炎訴訟109人、国と和解

 集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した患者らが国に賠償を求めている全国B型肝炎訴訟において、3月15日、札幌地裁で原告109人が国と和解したことが、北海道新聞(3月16日付朝刊)で報じられています。1期日において109名が和解したのは北海道訴訟では過去最多です。和解が成立した原告は合計449にとなり、提訴した1177名のうち38%の方が和解したこととなります。
 弁護団代表の佐藤哲之は、和解のペースが上がっていることを評価したうえで「和解を見ずに亡くなった人もおり、さらにテンポを速めたい」とコメントを出しています。

【弁護団にご相談を】
 現在も、随時、B型肝炎救済法に関する相談を受け付けておりますので、感染原因に心当たりがないにもかかわらず、B型肝炎に感染されている方は、ぜひ、弁護団にご相談ください。和解成立後は、キャリアの方には定期検査の費用助成制度もあります。
 また、B型肝炎は、集団予防接種において誰が感染してもおかしくはない病気です。できるだけ早く、一度は検査を受けることをお勧めします。

 ≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/

裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求

アップロードファイル 119-1.pdf

 2月20日、札幌弁護士会を通じて、札幌高等裁判所・札幌地方裁判所が、入庁者に対して所持品検査を行うとの連絡を受けました(職員や事件当事者に対する危害行為が発生したとのこと)。
 この所持品検査は、金属探知器を使用する(空港の手荷物検査と同様)に先立って手荷物の開披を求める運用とのこと。この所持品検査がプライバシーの侵害であることは明らかであることなどから、当事務所は、以下のとおり、札幌高等裁判所長官宛に「裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求書」を提出しました。


 
札幌高等裁判所 長官 山  崎   恒  殿

                        2013年(平成25年)2月28日
                         〒060-0042
                         札幌市中央区大通西12丁目
                          北海道高等学校教職員センター
                           北海道合同法律事務所
                            弁護士 佐藤哲之
                            弁護士 石田明義
                            弁護士 長野順一
                            弁護士 内田信也
                            弁護士 笹森 学
                            弁護士 佐藤博文
                            弁護士 川上 有
                            弁護士 渡辺達生
                            弁護士 三浦桂子
                            弁護士 安部真弥
                            弁護士 中島 哲
                            弁護士 山田佳以
                            弁護士 香川志野
                            弁護士 池田賢太
                            弁護士 橋本祐樹


     裁判所入庁者に対する所持品検査に関する抗議書兼要求書

第1 申入の趣旨
 当事務所及び当職らは、札幌高等裁判所が、本年3月1日から実施する旨決定した、高裁・地裁庁舎(本館・別館の玄関)における入庁者に対する所持品検査(以下、「本件所持品検査」という。)に対し強く抗議し、当該所持品検査実施方針の撤回を求める。
 
第2 申入の理由
1 開かれた裁判所(公開の裁判の保障)の実現に反する本件所持品検査
(1)裁判所の義務
 憲法82条第1項は、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」として、裁判の公開を制度的に保障している。これは、立法・行政から独立した裁判所に対する民主的統制の一環としての側面があり、司法の正当性の根拠ともいえるのであって、「公開法廷」は形式的だけでなく実質的にも保障されなければならない。従って、裁判所は、実質的にも公開法廷を実現する義務を負う。
また、裁判所は、近年、さかんに「市民に開かれた裁判所」を標榜し、地・家裁委員会を設置したり、市民への広報に努めるなど、それなりに活動してきた。これは、裁判所が、開かれた裁判所を実現することを市民に対して約束してきたことを意味する。従って、裁判所は、この市民に対する公的な約束を遵守する意味でも、開かれた裁判所を実現する義務を負う。
(2)所持品検査の持つ意味(プライバシー侵害性)
 所持品検査は、一般的にプライバシー侵害を伴う。そうであるからこそ、職務質問に伴う所持品検査についても、司法は厳しい制約を課している。特に本件所持品検査は、金属探知器を使用するに先立って手荷物の開披を求める運用とのことである。
手荷物の開披を求めるということが、外部からの金属探知器によるものに比べ遥に大きなプライバシー侵害であることは明らかである。このような所持品検査が、裁判所を訪れた市民にとってどれほど大きな苦痛を与えるものであるかは、容易に想像がつくものであるから、かかる所持品検査の実施のためには、十分な立法事実と関係各所からの意見聴取や協議をおこなうなど慎重な検討経過を必要とするというべきである。
(3)施設管理権について
 各公的機関には、それぞれに施設管理権が存在する。しかし、施設管理権が 無制約な行使が認められるわけではない。当該施設の属性や担っている職務及び義務と、施設管理権を行使すべき必要性及びその手段の相当性との関係において、是認される範囲は異なってくると考えられる。
 この点、裁判所には、前記(1)のとおり、「公開の法廷」、「市民に開かれた裁判所」の名にふさわしい環境を確保する憲法上の義務があるのであって、施設管理権の行使として新たな制約を設ける場合には、十分な必要性と相当性がなければ認められないというべきである。
(4)立法事実の不存在
 裁判所には、紛争当事者を含め多様な属性を有する市民が出入りする。従って、紛争の最中にある者らが激高して、暴力的手段を用いる抽象的危険が存在するとはいえる。しかし、裁判所に限らず、公的機関では多かれ少なかれこのような市民が出入りするのであって、必ずしも裁判所だけが突出してかかる危険性が高いということはできない。
 そうであれば、公開法廷を憲法上義務づけられた裁判所(そして、裁判所内で職務を行う市民の公僕である裁判官・裁判所職員)が、市民の一般的な暴力性を理由に、強いプライバシー侵害行為である所持品検査を行うことが正当化されることはない。
 従って、裁判所が市民に対して所持品検査を実施するためには、その必要性を根拠づける立法事実が必要である。
 しかし、当事務所及び当職らは、少なくとも近時、貴庁において、かかるプライバシー侵害性の強い所持品検査を必要とするような危険行為が発生したとの事実を知らない。
仮に、一定の危険行為があったとしても、所持品検査、特に本件所持品検査の態様でのものを実施するためには、他のより緩やかな権利侵害にとどまる手段を持ってしては防止し得ないほど強い危険性を有した行為が存在しなければならないと考えられるところ、かかる危険行為があった旨の情報はない。
従って、貴庁における本件所持品検査を正当化する立法事実はないというべきであるから、本件所持品検査は、施設管理権の裁量を逸脱する違法な行為である。
(5)関係各所からの意見聴取等の不存在(手続き上の瑕疵)
 上記(2)のとおり、市民のプライバシー侵害性の強い所持品検査の実施のためには、開かれた裁判所としては、慎重な検討過程を持つべきである。
 そうであれば、裁判所はその利用度が最も高く、市民、特に裁判所を利用する市民との関係が強い弁護士・弁護士会から意見を聴取すべきであり、その声に真摯に耳を傾けるための協議の場を設ける必要があった。
 しかし、貴庁は、北海道弁護士連合会や札幌弁護士会に対して、一切の意見聴取を行わず、一切の協議の場を設けることもなく、本年2月18日に一方的に本件所持品検査の実態を通告してきた。そればかりでなく、貴庁は、かかる通告を受けた札幌弁護士会からの、書面による正式な協議申し入れに対し、これを拒絶した。
これは、裁判所の対応としてあるまじきものと言わざるを得ず、手続違背の非難を免れない。
(6)以上から、貴庁の本件所持品検査の実施は、施設管理権の濫用であって認めることはできないので、強く抗議するとともにその撤回を求める。

2 弁護士・弁護士会との関係での不誠実性
(1)弁護士会との信頼関係の破壊
 これまで、裁判所と弁護士会は、立場の違いを超え、同じ法曹として密接な協力関係を持ってきた。それは、法曹として、法の支配の実現をはかるという意味で、共通の基盤を有するとともに、これまでの相互の活動について相当の評価を与え、信頼関係を築いてきた結果である。
 もちろん、別組織である以上、裁判所、弁護士会ともに独自に決定することが前提であり、常に相互の協議を必要とするわけではない。
 しかし、相互に強い影響を及ぼす可能性のある事項については、事前の協議を行ってきた。特に、裁判所庁舎利用に関する問題は、最も利用度の高い弁護士・弁護士会の理解と協力が不可欠なはずである。
(2)弁護士業務への不当な侵害
 本件所持品検査は、弁護士には直接適用がないとするものの、それは徽章の提示が前提となっているところ、徽章の携行を失念することは誰においてもあり得るのであり、かかる徽章の携行を失念した弁護士についての取扱が示されていないこと、徽章の代替物として日本弁護士連合会が発行する身分証を認めていないことなどを考えると、弁護士が常に所持品検査の対象から除かれるわけではないようである。
 仮に、弁護士への所持品検査が鞄を開披することを内容とするならば、それは明らかな弁護士業務への不当な侵害である。弁護士の携行する鞄等の内容物は、依頼者をはじめとする個人のプライバシーの集合体といっても過言ではなく、仮に貴庁がその内容に立ち入らないと表明しても、表面上からも一定のプライバシー情報は明らかになりうるのであるから、やはり弁護士業務への不当な侵害行為である。
 さらに、事務員に対する身分証の持参の義務づけも不当である。
事務員は、多岐に渡る外勤があるのであって、出先から急遽予定を変更して裁判所に赴かなければならないこともある。また、身分証の交付が1事務所1枚に限定されていることは、複数事務員を抱える多くの事務所にとって緊急的対応を困難にするし、大規模事務所にはおいてはその弊害は著しい。
 以上から、本件所持品検査及び身分証提示の義務付は明らかに弁護士業務に対する不当な侵害である。

3 結語
 以上から、当事務所及び当職らは、貴庁による本件所持品検査の実施に強く抗議し、その撤回を求める。
 なお、高裁・地裁が本抗議・要求にもかかわらず本件所持品検査を強行実施するならば、当職らは、国民に与えられた権利の行使を辞さない。当職らはかかる権利行使を留保するものであること付言する。
       

B型肝炎訴訟/追加提訴

 集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した患者らが国に賠償を求めている全国B型肝炎訴訟において、2月28日、札幌地裁など9地裁に新たに345人が提訴したことが、北海道新聞(3月1日付朝刊)に報じられています。
 原告数は、全国で累計8056人になりました。北海道訴訟については、75人が追加提訴し、原告数は1177人になりました。

 B型肝炎救済法に基づく給付金の支給を受けるには、裁判所に訴訟を提起する必要があります。

【弁護団にご相談を】 
 現在も、随時、B型肝炎救済法に関する相談を受け付けておりますので、感染原因に心当たりがないにもかかわらず、B型肝炎に感染されている方は、ぜひ、弁護団にご相談ください。和解成立後は、キャリアの方には定期検査の費用助成制度もあります。
 また、B型肝炎は、集団予防接種において誰が感染してもおかしくはない病気です。できるだけ早く,一度は検査を受けることをお勧めします。

 ≪相談窓口≫
 全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局 電話 011-231ー1941
 ホームページ http://www.b-kan-sosho.jp/