北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

自衛隊員と家族・恋人のための「安保法案」緊急相談!

 「自衛官の人権弁護団・北海道」からの緊急の訴えです。

 安倍政権は、来週16日にも「安全保障関連法案」の強行採決に踏み切ろうとしていますが、この安保法制で海外に派遣されることになる自衛隊員は、その家族・恋人は、どんな思いでこの法案の審議を見ているのでしょうか。その声を集めて国会に届けるべく、緊急の電話相談会が開催されます。

 以下、弁護団からの緊急の訴えを全文掲載ます。ぜひともご一読の上、お知り合いの自衛隊員やご家族の方に相談会のことをお知らせいただければ幸いです。

 (案内チラシをダウンロードできます。→ 9.12 安保法案緊急相談会チラシ.pdf)

 

    自衛隊員と家族、恋人の皆さんへの緊急の訴え

   9月12~13日 集団的自衛権行使・安保法案 緊急相談

                                      自衛官の人権弁護団・北海道

                                      現職自衛官及び元自衛官有志

 

1.政府は、集団的自衛権・安保立法によって自衛隊員が負うリスクについて、隊員の声を聞くこともなく、「増大しない」という答弁を繰り返すのみで、説明責任を果たしていません。

 国会は、人権が「立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする」(憲法第13条)ものであるにもかかわらず、政府への追及も独自調査においても余りにも不十分です。

 

 自衛隊員は、兵士である前に市民です。しかも、安保法案に一番利害関係を持つ、この国の主権者です。家族にとっては、市民の皆さんと全く同じ夫・妻、父・母、息子・娘です。

 兵士の人権を守ることは、この国の民主主義を守り、軍隊を誤らせないことです。

 これらは、人権保障・民主主義と軍隊の存在を両立させようとする西欧諸国では当たり前に認められている原理・原則です。

 しかし、日本の自衛隊員は、厳格な「政治活動の禁止」と絶対的な「上命下服」により、一番の利害関係者なのに、質問や意見を述べる機会が全く与えられていません

 自衛隊員を「公僕」として雇い「殉死」まで強いることになる私たち主権者・国民は、その責任を深く自覚して、彼らの代弁者であるべきではないでしょうか。

 

2.政府は、「後方支援」は前線から遠く離れた安全な場所で、現に戦闘が行なわれていないことを確認して行くので、危険度は高くなく、リスクはこれまでと変わらないと言います。

 しかし、この説明を本当だと思う自衛隊員は誰1人いません。この国の政府と国会は、このような虚構の議論で、安保法案を成立させるつもりなのでしょうか。

 

 現代の非正規戦は、いつ、どこで戦闘が発生するか分からず、ひとたび始まれば、戦闘部隊の戦闘力の継続のために、弾薬や燃料等を寸刻も切らさず補給しなければなりません。

 自衛隊には、「後方支援連隊」という部隊があり、その中に「直接支援小隊」という部隊があり、それは戦闘部隊に随伴して最前線で直接支援することが任務です。

 この一事からも明らかなように、実際の戦争においては、前方も後方もありません。むしろ、相手からすれば、武器や食料などの物資を持ち、戦闘能力の低い補給部隊は、格好のタ-ゲットとなり、襲撃されるリスクが極めて高いというのが、軍隊の常識です。

 そして、ひとたび戦闘が始まれば、補給を止めることはできず、かえって強化が要求されます。このような状況で、他国の軍隊や民間人を置き去りにして撤退することなど出来るはずがありません。必ず自衛隊員は戦闘に巻き込まれ犠牲者が出るでしょう。

  しかも、後方支援活動は、国際交戦法規(戦時法)上の「兵站活動」です。これが武力行使に当たらないという詭弁は、国際法的に通用しないばかりか、現地に派遣された自衛隊員に国際交戦法規の適用を否定し、国際法上認められる兵士の権利(例えば捕虜の扱い)が認められないことになります。

 政府と国会は、このような基本的なことすら整理せずに、安保法案を成立させるのですか。

  

3.自衛隊員は皆、憲法13条以下の人権保障の他、憲法9条2項「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」の下、専守防衛を任務とする自衛隊に、憲法を順守すると宣誓して入隊しています。

 日本は、第2次世界大戦における「特攻隊」「集団自決」などに象徴される、兵士を虫けらのように扱い、その非人間的な扱いに世界が驚愕した歴史があります。いま再び同じことが起きかねません。国際交戦法規(戦時法)の適用が適用されない海外派兵を、あろうことか、憲法9条があり「専守防衛」の自衛隊員に強いるというのです。

 私たち弁護士は、人権擁護を使命とし、法の支配に仕える法律の専門家として、このようなことは絶対許されないと考えます。皆さんの疑問や意見を政府・国会に届けなければなりません。皆さんにはこの国の主権者のとして参政権(憲法15条)・請願権(16条)が保障されています。

 4.私たち自衛官の人権弁護団・北海道は、イラク戦争への自衛隊派遣に反対して2004年1月、自民党の元閣僚・防衛政務次官の故箕輪登氏が「専守防衛」の立場から全国で最初に提起した裁判の弁護団が出発点です。そして、空自女性自衛官セクハラ裁判(札幌地裁2006年提訴。2010年勝訴判決・確定)、陸自真駒内基地徒手格闘訓練死裁判(札幌地裁2010年提訴。2013年勝訴判決・確定)をはじめ、北海道において、自衛官や家族の人権に関わる様々な相談を受け、部隊との交渉、公務災害認定、裁判などを取り組んでいます。  

 イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議は、北海道訴訟を皮切りに全国11の裁判所、原告数5700名、弁護士数800名という、戦後最大の憲法訴訟を展開しました。そして、2008年4月17日、名古屋高裁で、平和的生存権の具体的権利性を認め、イラク派兵は憲法9条1項違反とする違憲判決を勝ち取り、同年12月、自衛隊をイラクから完全撤退させました。

 この判決は、自衛隊員や家族から、自衛隊の「専守防衛」を確認し、イラク派兵中又は今後派兵される隊員の「平和のうちに生きる権利」を守ったものとして、歓迎されました。

  今回の緊急相談会は、この自衛官の人権弁護団・北海道が主催し、全国に800名の弁護団がいるイラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議の協力で行ないます。さらに、他の人権裁判弁護団、日弁連など様々な弁護団、法律家団体にも協力を呼びかける予定です

 どうぞ私たち弁護士に、皆さんの率直な思い、疑問、意見をぶつけて下さい。皆さんの電話、ファックス、メ-ルをお待ちしています。皆さんの声を政府・国会に届けます。

 電 話  0120-210-180     (12日午後3時~8時)

 fax  011―210―6662     (12日午後3時~13日午後3時)

 メ-ル   jieikan-jinken@hg-law.jp   (同)

北星学園大学植村さんの名誉棄損訴訟、東京地裁への移送申立を却下

 元朝日新聞記者である北星学園大学非常勤講師の植村隆さんが札幌地方裁判所に提起した櫻井よしこ氏、株式会社新潮社外2社に対する名誉毀損訴訟について、櫻井よしこ氏らが東京地裁への移送を申し立てていたところ、8月31日、札幌高等裁判所は、移送を認めた札幌地方裁判所の決定を取り消し、移送申立を却下する決定を出しました。

 極めた妥当な結論であるとして、弁護団が声明を発表しましたので、全文を掲載します。

 なお、植村さんの名誉棄損訴訟の詳細については、こちらのコラムをご覧ください。

 コラム → 北星学園大学植村さんの名誉棄損訴訟のご紹介

 

声   明

 

 本日、札幌高等裁判所第3民事部は、植村隆氏(北星学園大学非常勤講師・元朝日新聞記者)が札幌地方裁判所に提起した櫻井よしこ氏、株式会社新潮社外2社に対する名誉毀損訴訟について、東京地裁への移送を決定した札幌地裁民事第5部の原決定を取り消し、櫻井氏らの移送申立を却下する決定を下した。

 

 本日の決定は、民事訴訟法17条を正しく適用したものであって極めて妥当な結論である。

 

 植村氏が1991年8月11日付朝日新聞大阪本社版社会面に、はじめて『従軍慰安婦』として名乗り出た金学順氏について書いた署名記事につき、「捏造記事」という謂われなき汚名を着せられ、激しい誹謗中傷を受け、自身だけでなく勤務先の北星学園大学、家族が脅迫されるほどの憎悪を向けられている。

 ところが、ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、植村氏や大学、家族が脅迫や暴力の恐怖にさらされていることを知りながら、雑誌やインターネット上で「捏造」「意図的な虚偽報道」である等と執拗に誹謗中傷している。そして、その言説に煽られるかのように、植村氏への卑劣な攻撃が今なお続けられており、櫻井氏の言説は植村氏の社会的被害とは無関係ではありえないものである。

 原決定は、植村氏に対する社会的被害と櫻井氏の名誉毀損表現とを切り離して被害の実態から目を背けており不当な内容であった。

 本日の決定は、植村氏の被害実態に直接触れてはいないものの、かかる事態を重く受け止めたと理解できるものであり、札幌高等裁判所の正当な判断を高く評価する。

 

 また、植村氏と出版社らの圧倒的な経済的格差、とりわけ植村氏が非常勤講師であって経済的基盤が脆弱であることに照らせば、東京へ移送するとの原決定は、経済的理由から裁判を続けて行くことが危ぶまれる事態を招来させることになりかねないものであり、実質的に植村氏の裁判を受ける権利を害する内容であった。これは植村氏に限らず、大手マスメディアによる地方の一市民に対する名誉毀損訴訟を、事実上、東京地裁の専属管轄とする先例になりかねず、到底看過することができないものであった。

 

 本日の決定は、植村氏ひいては大手マスメディアによって名誉毀損等の被害を受けた市民の裁判を受ける権利を十分に配慮したものであり高く評価する。

 

 弁護団は、植村氏の慰安婦記事は真摯な取材に基づいたものであり、ジャーナリズム精神が体現された優れた記事であり、「捏造」批判は、何ら根拠のない非難であると確信している。

 

 私たちは本日の決定を高く評価すると共に、今後も司法の場で植村氏の名誉回復を実現するべく全力を挙げる決意であることをここに改めて表明する。

 

2015年8月31日      

植村隆氏名誉毀損札幌訴訟弁護団 

離婚に関する無料法律セミナー&相談会のご案内

 

 当事務所では、7月17日(金)に、離婚に関する無料法律セミナーと無料法律相談会を開催します。

 セミナーでは、「三度の飯より離婚事件!」というほどに離婚事件に情熱を持つ内田信也弁護士が、内田流の離婚問題の解決方法をお話しします。

 引き続き、法律相談会では、離婚を考えているけれども、何から始めたらよいのか分からない、子どもがいるが、親権が取れるのかどうか不安、住宅ローンの残っている自宅を財産分与でどう分けたらよいのか、など、離婚に関わるさまざまなご相談を、当事務所の弁護士がお受けします。

 セミナーは、申込不要ですが、法律相談会は、前日までにお電話またはメールにてご予約をお願いします。なお、HPの相談予約フォームはご利用いただけませんので、ご了承ください。

【無料セミナー】

日時   7月17日(金) 10時~12時

会場   北海道高等学校教職員センター4階大会議室

     (当事務所の入っているビルです。)

【無料法律相談会】

 日時   7月17日(金) 13時~18時(相談時間はお一人様40分)

 会場   当事務所

 予約方法 前日までに、お電話(011-231-1888)又は

                  メール(rikon-c@hg-law.jp)にてご予約ください。

 メールでご予約いただく際は、お名前、電話番号、希望連絡方法(メールでの連絡をご希望の方は、「@hg-law.jp」のドメインのメールを受信できるように設定してください)、相談希望時間(13時、14時、15時、16時、17時の中から第3希望まで)と、簡単なご相談内容をご記入ください。時間を調整の上、折り返しご連絡いたします。

土曜法律相談が始まります!

 当事務所では、これまで月曜、水曜、金曜日に定例相談を設けておりましたが、平日はお時間がとれないという方のために、6月6日(土)から、土曜日も定例相談日としてご相談をお受けすることにいたしました。

 相談時間  毎週土曜日 午後1時から午後3時40分まで

 ご相談を希望される方は、前日の17時15分までに、お電話又はホームページにてご予約をお願いいたします。

 ○ 電話 011-231-1888

 ○ 相談予約フォーム https://secure01.blue.shared-server.net/www.hg-law.jp/contact/

 (もちろん、定例相談のない火曜日・木曜日に相談をご希望の場合も、遠慮なくお問い合わせください。できる限り、相談をお受けできるように調整いたします。)

対テロ戦争・戦争立法の中で自衛隊員と家族は、いま。

 司法試験指導校として有名な伊藤塾の塾長・伊藤真弁護士が所長を務める「法学館憲法研究所」の「今週の一言」に、当事務所の弁護士佐藤博文のコラムが掲載されました。

 掲載ページはこちら → 法学館憲法研究所 今週の一言

 佐藤博文は、自衛隊イラク派兵差止訴訟の全国弁護団連絡会議事務局長のほか、「自衛官の人権弁護団・北海道」の団長も務めております。

 佐藤は、その経験から、対テロ戦争・戦争立法の制定が企てられている中で、自衛隊員とその家族が置かれている境遇・実態をひも解きながら、集団的自衛権と戦争立法について警鐘を鳴らしています。

 戦争立法が国会に上程されようとしている今、少々長いコラムですが、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。以下に、全文を掲載します。

隊員に「遺書」を書かせ部隊で保管

 2015年1月末、私は、陸自北部方面隊(札幌市)の道東の基地に所属するある自衛隊員から、「苦情処理通知書」を見せられ、驚いた。「殺す・殺される」軍隊として、遂にここまで来たのか、と。
 陸自北部方面隊は、2010年より、部隊の隊員に対する「服務指導」として、「家族への手紙」という名の遺書を書かせ、それを部隊が管理した。彼の場合は、隊舎内のロッカ-への保管を命じられていた。
ずっと疑問を抱いていた彼は、昨年末に部隊から取り戻し、今年1月初め、遺書を書かせた根拠を尋ねた。その回答が今回の通知書だった。
 そこには、遺書を書かせる意義を、「物心両面の準備をより具体化したものであり(略)長期の任務に急きょ就くことに備え(略)あらかじめ本人の意思を整理しておくことにより、個人の即応性を向上指させるもの」であり、「単に自己の死亡のみに準備する遺書とは全く別物」であると説明されていた。
 そして、彼の遺書の返還は、「貴殿が病気休職中であり(略)任務に参加する可能性がないことを踏まえ(略)貴殿自身による保管」としたと説明する(彼以外の遺書は引き続き部隊の保管にあることを自認)。
遺書の目的は、"殉死(戦死)"への覚悟である。2010年夏、北部方面総監・千葉徳次郎陸将は、遺書を書くことは「命を賭す職務に就く軍人としての矜恃である」と訓示している。国家のために死ねという。
 さらに、隊員個人のプライベ-トな問題としてではなく、「公務」として扱われていることが重要である。自衛隊では隊員の持ち物は全てチェックされる。「精強さ」が求められる隊員は「本当は行きたくない」などといったことは絶対に言えない。全て成績評価に結びつくからである。
 これを、15歳や18歳で入隊する未成年者に強いている。海外で戦争をする軍隊・兵士になるということは、"公務員を雇う"主権者国民が、自分に代わって自衛隊員をこのように"働かせる"ことにほかならない。

7月1日閣議決定と自衛隊員・家族の不安

 昨年7月1日の閣議決定に対して、自衛隊員や家族の多くが不安と困惑、憤りを隠さない。自衛隊員は、米軍と一体となった戦争遂行準備、泥沼の「対テロ戦争」の戦場派遣という、深刻な問題に直面している。戦争も軍隊も知らない政治家たちがリアリティのない議論をし、簡単に「専守防衛」を投げ捨て、「兵士の人権」を顧慮しないことに、深刻な危機感を抱いている。
 例えば、閣議決定がなされた昨年の北海道の自衛官志願者が、前年より激減している。一般曹候補生は3044人⇒2586名(15%減。全国では10%減)、航空学生は372人⇒273人(27%減)という具合である(2014.10.1北海道新聞)。
 ご承知だろうか。2004年1月、北海道の自民党・元閣僚、故箕輪登氏が「専守防衛」の立場から全国で最初に訴訟を提起したのを皮切りに、全国11地裁でイラク派兵差止訴訟が取り組まれ、2008年4月17日、名古屋高裁は平和的生存権の具体的権利性を認め、イラク派兵は憲法9条1項違反とする画期的な違憲判決を下し、同年12月自衛隊をイラクから完全撤退させた。
 この判決は、自衛隊員からすると、自衛隊の「専守防衛」を確認し、イラク派兵中や今後派兵される自衛隊員や家族の「平和のうちに生きる権利」を守ったもので、多くの隊員・家族が(表には出さないが)歓迎した。
この防波堤が、今次の集団的自衛権と戦争立法で決壊の危機にさらされている。

自衛隊の海外派兵・国防軍化と自衛隊員の人権は表裏一体
  
 実は、イラク訴訟と並行して、自衛隊員や家族が自衛隊を相手に人権侵害からの救済を求める裁判がたたかわれてきた。海自「たちかぜ」裁判は、イラク派兵が始まった2004年の事件(被害者は当時21歳)、空自浜松基地裁判は翌2005年の事件(同29歳。妻と0歳の子あり)だった(いずれもいじめ自殺)。
名古屋高裁違憲判決が出た2008年には、空自女性自衛官セクハラ事件(北海道。当時20歳)、陸自(札幌真駒内。当時20歳)と海自(広島江田島。当時25歳)で、徒手格闘訓練中の死亡事件が起きた。
特に、自衛隊員の自殺は深刻である。
 イラク派兵中、在職中の自殺者は毎年約100名に上っていた。自殺する前に退職するケ-スが多いから、「暗数」は数倍にも上るだろう。
 自衛隊員の自殺者のうち、アフガニスタンからイラク戦争への派兵経験者に限った統計では、第1次テロ特措法(インド洋派兵)では海自8人(延べ派兵数1362人に1人)、第2次では海自4名(同600人に1名)、イラク戦争では陸自20名(同280人に1人)、空自8名(同453人に1人)、総計40名になる。ちなみに、日本国民の自殺者は4672人に1名(2013年度)で、イラク戦争派遣の陸自隊員の自殺率は国民平均の17倍ということになる。
 自衛隊は直接戦闘行為に関与していないが、これが実際に行なうようになったらどうなるか。米イラク・アフガニスタン退役軍人会(IAVA/会員27万人。全米最大)の調査結果(2013年)によれば、回答者の45%が自殺を諮った帰還兵を知っており、37%は実際に命を絶った仲間がいるという。また、米退役軍人省によると、統計を取り始めた1999年以降、2012年までに少なくとも21州(50州中)で2万7000人が自殺し、さらに3万4000人が退役軍人である可能性があるが、全容は掴めないという。
 元兵士による殺人・強盗などの凶暴犯罪が多いことも周知の事実である。世界一安全だと言われる日本を、アメリカのような国にしていいのか。

軍隊の本質-人権保障と根本的に矛盾
 
 自衛隊員は、日常生活の全てにおいて、「おう盛な闘争心をもって敵を殺傷又は捕獲する戦闘」(真駒内徒手格闘訓練死事件判決)に備えなければならず、そのため組織=上司・先輩の命令は絶対である。
自衛隊の規律は、「軍紀」と言われ、その本質は、「通常の道徳規範」とは正反対の一般社会では絶対に許されない器物の損壊、人員の殺傷などの戦争遂行行為を、自他の生命を省みることなく公然と行なわせるものである。これに従わなければ軍紀違反となり、戦前には「逃亡」は死刑をもって処せられた。
 これが、自衛隊員や家族の人間としての感性や良心、価値感と矛盾・対立し、様々な問題を引き起こす。日本には、ドイツやオランダのように「兵士である前に市民である」「1人の兵士の人権を守ることは軍隊を誤らせないこと」といった民主主義国家における軍隊の基本ル-ルが確立されていない。
 空自女性自衛官セクハラ訴訟で、原告が新人教育のときに渡された「職場での『躾(マナ-)』」には、以下の文章がある。
 「 かつて東洋の君主国と言われたわが国は、太平洋戦争後封建制度の否定とともに古来の美風も崩壊して、それに変わるべき新しい規律は誤れる自由主義の名目の下に未だ固定化していない。(中略)昔の日本人には、環境や階級の差こそあれ厳しい礼儀作法のしきたりがあって、社会の秩序を保ち、人間関係を円滑にする上で重要な役割を果たしていた。」
 日本国憲法の「個人の尊厳」「人権尊重主義」を、「誤れる自由主義」と言うのである。戦争や軍隊のリアリティを知らない政治家や自衛隊幹部と人権教育と人権保障が置き去りの自衛隊員・・日本の自衛隊はどこの国よりも制御の効かない危険な軍隊となり、隊員や家族が悲惨な状態におかれる可能性がある。
 こんな政府と自衛隊に、集団的自衛権と戦争立法を与えてはならない。

加藤丈晴弁護士、入所

 さわやかな風の季節をむかえました。皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、当事務所に再び加藤丈晴弁護士が加わることになりました。
 加藤弁護士は、当事務所に約5年半在籍した後、同僚らとともに札幌市内に「弁護士法人北海道ひびき法律事務所」を開設し、様々な人権課題に取り組み、その活躍が注目されていました。
 しかし、同事務所が本年3月末日をもって閉所することとなり、再び当事務所で活動することになった次第です。これまでも当事務所の弁護士と加藤弁護士とは一緒に仕事する機会も多く、再び机を並べて活動できることを心からうれしく思っています。
 加藤弁護士が加わることにより、当事務所は弁護士17名、事務局員18名を擁する陣容に相成りますので、活動の幅と深みも増し、依頼者、友誼団体の皆様のご期待により一層お応えできるものと確信しております。
 今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

 加藤丈晴弁護士のページ http://www.hg-law.jp/lawer/kato.html 

修習生向け事務所説明会のご案内

 68期司法修習生の方へ

 68期司法修習生対象の事務所説明会を以下の日程で開催いたします。
 この説明会は、当事務所の特色や所属している弁護士の活動などを修習生の皆様に知っていただき、今後の就職活動にお役立ていただくことを目的として開催するものです。
 具体的な採用に直結するものではありませんが、当事務所に興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。
 参加希望の方は、各開催日の1週間前までに、下記のアドレスまで、メールにてお申し込みください。
 その際、参加希望の日程と、お名前、年齢、修習地、出身法科大学院名をご記入くださいますようお願いいたします。

● 日程
 第1回 2015年2月 2日(月)午後6時〜
 第2回 2015年2月20日(金)午後6時〜

  ※終了後に懇親会を予定しています。 

● 申込受付アドレス
  saiyouアットマークhg-law.jp
   ※ スパムメール対策として、「@」を「アットマーク」と表記しています。
      送信の際は「アットマーク」を「@」に置き換えてください。

来日実習生「時給25円」

 2014年12月25日付朝日新聞の朝刊一面に、『来日実習生「時給25円」』という衝撃的な見出しの記事が掲載されました。

 長崎県内の縫製工場で働くバングラディッシュ人の元外国人技能実習生は、月10万円の給与から、社長が住居費名目で約4万円をとっていき、さらに就職を仲介したバングラディッシュ人に5万円をとられており、手元に残るのは月1万円。

 彼女は、未明までミシンがけなどに追われる日もあり、休みは月2〜3日しかなく、月400時間以上働き、残業は月200時間を超えるとのこと。
 
 1万円の手取りを時給に換算すると「25円」以下。

 彼女は知人のツテを頼り、今は別の食品工場で働いています。縫製工場の当時を「奴隷のような扱いだった」と振り返っています。

 彼女は、待遇改善を訴えたところ強制帰国させられそうになったことでこの事件が発覚し、2013年に社長らを相手に賃金の支払いを求めて京都地裁に提訴しています。
 当事務所の小野寺信勝も、この事件の代理人を務めています。

 外国人研修・技能実習制度は、「我が国で開発され培われた技術・技能知識の開発途上国等への移転を図り、当該開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的」とする制度であり、国際貢献の一環とされています。もちろん、労働関係諸法が適用されますが、その実態は上記のとおりです。

 安倍政権は、労働力不足を背景に、外国人実習生の拡大を打ち出していますが、「外国人技能実習生の労働権を守るため、外国人技能実習プログラム改編のための措置を講じること」を、国連の人種差別撤廃委員会から勧告されています。

 このまま受け入れを増やしていいのか、朝日新聞でも問題提起されていますが、みなさま、この問題にも、ぜひご注目ください。
  
 

新・北海道住石じん肺訴訟、提起

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 2014(平成26)年12月11日、札幌地方裁判所へ新・北海道住石じん肺訴訟を提起しました。翌日の北海道新聞等で報じられています。

 この訴訟は、住友石炭鉱業株式会社が経営していた炭鉱で働いていた労働者が、同社の安全配慮義務違反によってじん肺になったことについて、じん肺患者及びその遺族が慰謝料の支払いを、住石マテリアル株式会社(旧住友石炭鉱業株式会社)、住石ホールディングス株式会社、住石貿易株式会社へ求めるものです。

 北海道では、じん肺になった炭鉱労働者が、国や炭鉱会社に対して、1986(昭和61年)からの訴訟などによる長い闘いの末、2002(平成14)年12月25日に第3陣訴訟の和解。同年「住友石炭関連じん肺問題終結共同宣言」により、訴訟に頼らず、じん肺患者が生きているうちに早期解決をするというシステムが構築されました。

 訴訟外での和解は第3陣まで行われ、2011(平成23)年8月29日以降、第4陣の請求を行いました。しかし、複数の企業が訴訟に頼らないシステムの枠組みのもとで和解する中、住石マテリアル株式会社のみが、上記システムを否定。2014(平成26)年9月1日、交渉は決裂し、今回の提訴に至りました。

 今回提訴した原告は90名。じん肺による合併症等で亡くなった22名の遺族も参加しています。

 札幌地方裁判所で継続されているじん肺関連事件は、今回の新・北海道住石じん肺訴訟のほか、トンネル作業従事者によるトンネルじん肺訴訟、建設現場従事者による北海道建設アスベスト訴訟です。

 これまでのじん肺に関する長い闘いの中で、「命あるうちに解決を」というスローガンが生まれ、現在もこのスローガンのもとで闘いが続いています。高齢化や重篤化が進む中、早期に解決しなければなりません。

 なお、新・北海道住石じん肺訴訟弁護団へは、当事務所より、長野順一、渡辺達生、山田佳以、橋本祐樹が代理人として参加しております。

新・北海道住石じん肺訴訟、提起

 2014(平成26)年12月11日、札幌地方裁判所へ新・北海道住石じん肺訴訟を提起しました。翌日の北海道新聞等で報じられています。

 この訴訟は、住友石炭鉱業株式会社が経営していた炭鉱で働いていた労働者が、同社の安全配慮義務違反によってじん肺になったことについて、じん肺患者及びその遺族が慰謝料の支払いを、住石マテリアル株式会社(旧住友石炭鉱業株式会社)、住石ホールディングス株式会社、住石貿易株式会社へ求めるものです。

 北海道では、じん肺になった炭鉱労働者が、国や炭鉱会社に対して、1986(昭和61年)からの訴訟などによる長い闘いの末、2002(平成14)年12月25日に第3陣訴訟の和解。同年「住友石炭関連じん肺問題終結共同宣言」により、訴訟に頼らず、じん肺患者が生きているうちに早期解決をするというシステムが構築されました。

 訴訟外での和解は第3陣まで行われ、2011(平成23)年8月29日以降、第4陣の請求を行いました。しかし、複数の企業が訴訟に頼らないシステムの枠組みのもとで和解する中、住石マテリアル株式会社のみが、上記システムを否定。2014(平成26)年9月1日、交渉は決裂し、今回の提訴に至りました。

 今回提訴した原告は90名。じん肺による合併症等で亡くなった22名の遺族も参加しています。

 札幌地方裁判所で継続されているじん肺関連事件は、今回の新・北海道住石じん肺訴訟のほか、トンネル作業従事者によるトンネルじん肺訴訟、建設現場従事者による北海道建設アスベスト訴訟です。

 これまでのじん肺に関する長い闘いの中で、「命あるうちに解決を」というスローガンが生まれ、現在もこのスローガンのもとで闘いが続いています。高齢化や重篤化が進む中、早期に解決しなければなりません。

 なお、新・北海道住石じん肺訴訟弁護団へは、当事務所より、長野順一、渡辺達生、山田佳以、橋本祐樹が代理人として参加しております。