北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

土曜法律相談が始まります!

 当事務所では、これまで月曜、水曜、金曜日に定例相談を設けておりましたが、平日はお時間がとれないという方のために、6月6日(土)から、土曜日も定例相談日としてご相談をお受けすることにいたしました。

 相談時間  毎週土曜日 午後1時から午後3時40分まで

 ご相談を希望される方は、前日の17時15分までに、お電話又はホームページにてご予約をお願いいたします。

 ○ 電話 011-231-1888

 ○ 相談予約フォーム https://secure01.blue.shared-server.net/www.hg-law.jp/contact/

 (もちろん、定例相談のない火曜日・木曜日に相談をご希望の場合も、遠慮なくお問い合わせください。できる限り、相談をお受けできるように調整いたします。)

対テロ戦争・戦争立法の中で自衛隊員と家族は、いま。

 司法試験指導校として有名な伊藤塾の塾長・伊藤真弁護士が所長を務める「法学館憲法研究所」の「今週の一言」に、当事務所の弁護士佐藤博文のコラムが掲載されました。

 掲載ページはこちら → 法学館憲法研究所 今週の一言

 佐藤博文は、自衛隊イラク派兵差止訴訟の全国弁護団連絡会議事務局長のほか、「自衛官の人権弁護団・北海道」の団長も務めております。

 佐藤は、その経験から、対テロ戦争・戦争立法の制定が企てられている中で、自衛隊員とその家族が置かれている境遇・実態をひも解きながら、集団的自衛権と戦争立法について警鐘を鳴らしています。

 戦争立法が国会に上程されようとしている今、少々長いコラムですが、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。以下に、全文を掲載します。

隊員に「遺書」を書かせ部隊で保管

 2015年1月末、私は、陸自北部方面隊(札幌市)の道東の基地に所属するある自衛隊員から、「苦情処理通知書」を見せられ、驚いた。「殺す・殺される」軍隊として、遂にここまで来たのか、と。
 陸自北部方面隊は、2010年より、部隊の隊員に対する「服務指導」として、「家族への手紙」という名の遺書を書かせ、それを部隊が管理した。彼の場合は、隊舎内のロッカ-への保管を命じられていた。
ずっと疑問を抱いていた彼は、昨年末に部隊から取り戻し、今年1月初め、遺書を書かせた根拠を尋ねた。その回答が今回の通知書だった。
 そこには、遺書を書かせる意義を、「物心両面の準備をより具体化したものであり(略)長期の任務に急きょ就くことに備え(略)あらかじめ本人の意思を整理しておくことにより、個人の即応性を向上指させるもの」であり、「単に自己の死亡のみに準備する遺書とは全く別物」であると説明されていた。
 そして、彼の遺書の返還は、「貴殿が病気休職中であり(略)任務に参加する可能性がないことを踏まえ(略)貴殿自身による保管」としたと説明する(彼以外の遺書は引き続き部隊の保管にあることを自認)。
遺書の目的は、"殉死(戦死)"への覚悟である。2010年夏、北部方面総監・千葉徳次郎陸将は、遺書を書くことは「命を賭す職務に就く軍人としての矜恃である」と訓示している。国家のために死ねという。
 さらに、隊員個人のプライベ-トな問題としてではなく、「公務」として扱われていることが重要である。自衛隊では隊員の持ち物は全てチェックされる。「精強さ」が求められる隊員は「本当は行きたくない」などといったことは絶対に言えない。全て成績評価に結びつくからである。
 これを、15歳や18歳で入隊する未成年者に強いている。海外で戦争をする軍隊・兵士になるということは、"公務員を雇う"主権者国民が、自分に代わって自衛隊員をこのように"働かせる"ことにほかならない。

7月1日閣議決定と自衛隊員・家族の不安

 昨年7月1日の閣議決定に対して、自衛隊員や家族の多くが不安と困惑、憤りを隠さない。自衛隊員は、米軍と一体となった戦争遂行準備、泥沼の「対テロ戦争」の戦場派遣という、深刻な問題に直面している。戦争も軍隊も知らない政治家たちがリアリティのない議論をし、簡単に「専守防衛」を投げ捨て、「兵士の人権」を顧慮しないことに、深刻な危機感を抱いている。
 例えば、閣議決定がなされた昨年の北海道の自衛官志願者が、前年より激減している。一般曹候補生は3044人⇒2586名(15%減。全国では10%減)、航空学生は372人⇒273人(27%減)という具合である(2014.10.1北海道新聞)。
 ご承知だろうか。2004年1月、北海道の自民党・元閣僚、故箕輪登氏が「専守防衛」の立場から全国で最初に訴訟を提起したのを皮切りに、全国11地裁でイラク派兵差止訴訟が取り組まれ、2008年4月17日、名古屋高裁は平和的生存権の具体的権利性を認め、イラク派兵は憲法9条1項違反とする画期的な違憲判決を下し、同年12月自衛隊をイラクから完全撤退させた。
 この判決は、自衛隊員からすると、自衛隊の「専守防衛」を確認し、イラク派兵中や今後派兵される自衛隊員や家族の「平和のうちに生きる権利」を守ったもので、多くの隊員・家族が(表には出さないが)歓迎した。
この防波堤が、今次の集団的自衛権と戦争立法で決壊の危機にさらされている。

自衛隊の海外派兵・国防軍化と自衛隊員の人権は表裏一体
  
 実は、イラク訴訟と並行して、自衛隊員や家族が自衛隊を相手に人権侵害からの救済を求める裁判がたたかわれてきた。海自「たちかぜ」裁判は、イラク派兵が始まった2004年の事件(被害者は当時21歳)、空自浜松基地裁判は翌2005年の事件(同29歳。妻と0歳の子あり)だった(いずれもいじめ自殺)。
名古屋高裁違憲判決が出た2008年には、空自女性自衛官セクハラ事件(北海道。当時20歳)、陸自(札幌真駒内。当時20歳)と海自(広島江田島。当時25歳)で、徒手格闘訓練中の死亡事件が起きた。
特に、自衛隊員の自殺は深刻である。
 イラク派兵中、在職中の自殺者は毎年約100名に上っていた。自殺する前に退職するケ-スが多いから、「暗数」は数倍にも上るだろう。
 自衛隊員の自殺者のうち、アフガニスタンからイラク戦争への派兵経験者に限った統計では、第1次テロ特措法(インド洋派兵)では海自8人(延べ派兵数1362人に1人)、第2次では海自4名(同600人に1名)、イラク戦争では陸自20名(同280人に1人)、空自8名(同453人に1人)、総計40名になる。ちなみに、日本国民の自殺者は4672人に1名(2013年度)で、イラク戦争派遣の陸自隊員の自殺率は国民平均の17倍ということになる。
 自衛隊は直接戦闘行為に関与していないが、これが実際に行なうようになったらどうなるか。米イラク・アフガニスタン退役軍人会(IAVA/会員27万人。全米最大)の調査結果(2013年)によれば、回答者の45%が自殺を諮った帰還兵を知っており、37%は実際に命を絶った仲間がいるという。また、米退役軍人省によると、統計を取り始めた1999年以降、2012年までに少なくとも21州(50州中)で2万7000人が自殺し、さらに3万4000人が退役軍人である可能性があるが、全容は掴めないという。
 元兵士による殺人・強盗などの凶暴犯罪が多いことも周知の事実である。世界一安全だと言われる日本を、アメリカのような国にしていいのか。

軍隊の本質-人権保障と根本的に矛盾
 
 自衛隊員は、日常生活の全てにおいて、「おう盛な闘争心をもって敵を殺傷又は捕獲する戦闘」(真駒内徒手格闘訓練死事件判決)に備えなければならず、そのため組織=上司・先輩の命令は絶対である。
自衛隊の規律は、「軍紀」と言われ、その本質は、「通常の道徳規範」とは正反対の一般社会では絶対に許されない器物の損壊、人員の殺傷などの戦争遂行行為を、自他の生命を省みることなく公然と行なわせるものである。これに従わなければ軍紀違反となり、戦前には「逃亡」は死刑をもって処せられた。
 これが、自衛隊員や家族の人間としての感性や良心、価値感と矛盾・対立し、様々な問題を引き起こす。日本には、ドイツやオランダのように「兵士である前に市民である」「1人の兵士の人権を守ることは軍隊を誤らせないこと」といった民主主義国家における軍隊の基本ル-ルが確立されていない。
 空自女性自衛官セクハラ訴訟で、原告が新人教育のときに渡された「職場での『躾(マナ-)』」には、以下の文章がある。
 「 かつて東洋の君主国と言われたわが国は、太平洋戦争後封建制度の否定とともに古来の美風も崩壊して、それに変わるべき新しい規律は誤れる自由主義の名目の下に未だ固定化していない。(中略)昔の日本人には、環境や階級の差こそあれ厳しい礼儀作法のしきたりがあって、社会の秩序を保ち、人間関係を円滑にする上で重要な役割を果たしていた。」
 日本国憲法の「個人の尊厳」「人権尊重主義」を、「誤れる自由主義」と言うのである。戦争や軍隊のリアリティを知らない政治家や自衛隊幹部と人権教育と人権保障が置き去りの自衛隊員・・日本の自衛隊はどこの国よりも制御の効かない危険な軍隊となり、隊員や家族が悲惨な状態におかれる可能性がある。
 こんな政府と自衛隊に、集団的自衛権と戦争立法を与えてはならない。

加藤丈晴弁護士、入所

 さわやかな風の季節をむかえました。皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、当事務所に再び加藤丈晴弁護士が加わることになりました。
 加藤弁護士は、当事務所に約5年半在籍した後、同僚らとともに札幌市内に「弁護士法人北海道ひびき法律事務所」を開設し、様々な人権課題に取り組み、その活躍が注目されていました。
 しかし、同事務所が本年3月末日をもって閉所することとなり、再び当事務所で活動することになった次第です。これまでも当事務所の弁護士と加藤弁護士とは一緒に仕事する機会も多く、再び机を並べて活動できることを心からうれしく思っています。
 加藤弁護士が加わることにより、当事務所は弁護士17名、事務局員18名を擁する陣容に相成りますので、活動の幅と深みも増し、依頼者、友誼団体の皆様のご期待により一層お応えできるものと確信しております。
 今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

 加藤丈晴弁護士のページ http://www.hg-law.jp/lawer/kato.html 

修習生向け事務所説明会のご案内

 68期司法修習生の方へ

 68期司法修習生対象の事務所説明会を以下の日程で開催いたします。
 この説明会は、当事務所の特色や所属している弁護士の活動などを修習生の皆様に知っていただき、今後の就職活動にお役立ていただくことを目的として開催するものです。
 具体的な採用に直結するものではありませんが、当事務所に興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。
 参加希望の方は、各開催日の1週間前までに、下記のアドレスまで、メールにてお申し込みください。
 その際、参加希望の日程と、お名前、年齢、修習地、出身法科大学院名をご記入くださいますようお願いいたします。

● 日程
 第1回 2015年2月 2日(月)午後6時〜
 第2回 2015年2月20日(金)午後6時〜

  ※終了後に懇親会を予定しています。 

● 申込受付アドレス
  saiyouアットマークhg-law.jp
   ※ スパムメール対策として、「@」を「アットマーク」と表記しています。
      送信の際は「アットマーク」を「@」に置き換えてください。

来日実習生「時給25円」

 2014年12月25日付朝日新聞の朝刊一面に、『来日実習生「時給25円」』という衝撃的な見出しの記事が掲載されました。

 長崎県内の縫製工場で働くバングラディッシュ人の元外国人技能実習生は、月10万円の給与から、社長が住居費名目で約4万円をとっていき、さらに就職を仲介したバングラディッシュ人に5万円をとられており、手元に残るのは月1万円。

 彼女は、未明までミシンがけなどに追われる日もあり、休みは月2〜3日しかなく、月400時間以上働き、残業は月200時間を超えるとのこと。
 
 1万円の手取りを時給に換算すると「25円」以下。

 彼女は知人のツテを頼り、今は別の食品工場で働いています。縫製工場の当時を「奴隷のような扱いだった」と振り返っています。

 彼女は、待遇改善を訴えたところ強制帰国させられそうになったことでこの事件が発覚し、2013年に社長らを相手に賃金の支払いを求めて京都地裁に提訴しています。
 当事務所の小野寺信勝も、この事件の代理人を務めています。

 外国人研修・技能実習制度は、「我が国で開発され培われた技術・技能知識の開発途上国等への移転を図り、当該開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的」とする制度であり、国際貢献の一環とされています。もちろん、労働関係諸法が適用されますが、その実態は上記のとおりです。

 安倍政権は、労働力不足を背景に、外国人実習生の拡大を打ち出していますが、「外国人技能実習生の労働権を守るため、外国人技能実習プログラム改編のための措置を講じること」を、国連の人種差別撤廃委員会から勧告されています。

 このまま受け入れを増やしていいのか、朝日新聞でも問題提起されていますが、みなさま、この問題にも、ぜひご注目ください。
  
 

新・北海道住石じん肺訴訟、提起

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 2014(平成26)年12月11日、札幌地方裁判所へ新・北海道住石じん肺訴訟を提起しました。翌日の北海道新聞等で報じられています。

 この訴訟は、住友石炭鉱業株式会社が経営していた炭鉱で働いていた労働者が、同社の安全配慮義務違反によってじん肺になったことについて、じん肺患者及びその遺族が慰謝料の支払いを、住石マテリアル株式会社(旧住友石炭鉱業株式会社)、住石ホールディングス株式会社、住石貿易株式会社へ求めるものです。

 北海道では、じん肺になった炭鉱労働者が、国や炭鉱会社に対して、1986(昭和61年)からの訴訟などによる長い闘いの末、2002(平成14)年12月25日に第3陣訴訟の和解。同年「住友石炭関連じん肺問題終結共同宣言」により、訴訟に頼らず、じん肺患者が生きているうちに早期解決をするというシステムが構築されました。

 訴訟外での和解は第3陣まで行われ、2011(平成23)年8月29日以降、第4陣の請求を行いました。しかし、複数の企業が訴訟に頼らないシステムの枠組みのもとで和解する中、住石マテリアル株式会社のみが、上記システムを否定。2014(平成26)年9月1日、交渉は決裂し、今回の提訴に至りました。

 今回提訴した原告は90名。じん肺による合併症等で亡くなった22名の遺族も参加しています。

 札幌地方裁判所で継続されているじん肺関連事件は、今回の新・北海道住石じん肺訴訟のほか、トンネル作業従事者によるトンネルじん肺訴訟、建設現場従事者による北海道建設アスベスト訴訟です。

 これまでのじん肺に関する長い闘いの中で、「命あるうちに解決を」というスローガンが生まれ、現在もこのスローガンのもとで闘いが続いています。高齢化や重篤化が進む中、早期に解決しなければなりません。

 なお、新・北海道住石じん肺訴訟弁護団へは、当事務所より、長野順一、渡辺達生、山田佳以、橋本祐樹が代理人として参加しております。

新・北海道住石じん肺訴訟、提起

 2014(平成26)年12月11日、札幌地方裁判所へ新・北海道住石じん肺訴訟を提起しました。翌日の北海道新聞等で報じられています。

 この訴訟は、住友石炭鉱業株式会社が経営していた炭鉱で働いていた労働者が、同社の安全配慮義務違反によってじん肺になったことについて、じん肺患者及びその遺族が慰謝料の支払いを、住石マテリアル株式会社(旧住友石炭鉱業株式会社)、住石ホールディングス株式会社、住石貿易株式会社へ求めるものです。

 北海道では、じん肺になった炭鉱労働者が、国や炭鉱会社に対して、1986(昭和61年)からの訴訟などによる長い闘いの末、2002(平成14)年12月25日に第3陣訴訟の和解。同年「住友石炭関連じん肺問題終結共同宣言」により、訴訟に頼らず、じん肺患者が生きているうちに早期解決をするというシステムが構築されました。

 訴訟外での和解は第3陣まで行われ、2011(平成23)年8月29日以降、第4陣の請求を行いました。しかし、複数の企業が訴訟に頼らないシステムの枠組みのもとで和解する中、住石マテリアル株式会社のみが、上記システムを否定。2014(平成26)年9月1日、交渉は決裂し、今回の提訴に至りました。

 今回提訴した原告は90名。じん肺による合併症等で亡くなった22名の遺族も参加しています。

 札幌地方裁判所で継続されているじん肺関連事件は、今回の新・北海道住石じん肺訴訟のほか、トンネル作業従事者によるトンネルじん肺訴訟、建設現場従事者による北海道建設アスベスト訴訟です。

 これまでのじん肺に関する長い闘いの中で、「命あるうちに解決を」というスローガンが生まれ、現在もこのスローガンのもとで闘いが続いています。高齢化や重篤化が進む中、早期に解決しなければなりません。

 なお、新・北海道住石じん肺訴訟弁護団へは、当事務所より、長野順一、渡辺達生、山田佳以、橋本祐樹が代理人として参加しております。

北見市でTPP研究会 ISD条項の問題確認

 12月3日付日本農協新聞で、JA北海道中央会北見支所が11月27日に環太平洋連協定(TPP)に関する7回目の研究会を開き、ISD条項の問題点などを確認しましたことが報じられています。

 今回は、当事務所の佐藤博文が
   「TPPの憲法破壊・主権放棄の協定内容
     〜韓米FTA、TPP反対弁護士ネットワークの警告」
と題して講演しました。

 TPPが締結されてISD条項が導入されれば、企業は投資国の法規制等により不当な差別を受け損害が生じた場合に、国際仲裁裁判所に訴えを起こすことができます。国内の司法機関では対応できず、司法権を定めた憲法76条を脅かすと佐藤は指摘ました。

 韓国では、既にISD条項を盛り込んだ米韓自由貿易協定(FTA)が発効しており、訴訟が起きたり政策に影響を与えている事例を紹介。国家の政策決定にまでISD条項が及んでいることを指摘しています。
 
 研究会後、佐藤は以下のとおりコメントしております。

 前回総選挙で自民党は、「TPP反対」を選挙公約にし、農民票を得て地方の議席を独占しました。その後、自民党は、あっという間にTPP推進に転換しました。

 今回の研究会には、きちんと勉強し、しっかり物申す有権者であろうとする、参加者の強い姿勢を感じました。町長や農協組合長らが一番前の席に座って聞くという、大変熱気溢れるものでした。
 
 

自衛隊員の人権擁護 課題/北海道新聞・憲法って何? II

 11月8日(土)、北海道新聞の連載コーナー「憲法って何? II 集団的自衛権」に当事務所の佐藤博文が「自衛隊の人権問題に関する勉強会」で報告した要旨が掲載されました。
 
 佐藤は、自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟、陸自真駒内駐屯地訓練死訴訟(命の雫裁判)などを手がけました。

 以下、発言要旨です。


 自衛隊員の「国防軍」兵士化が進んでいる。集団的自衛権の行使を認めると、実際に戦場に行くことになる。必然的に平素から実践に備えた訓練が行われ24時間即応体制は強化される。その人権を守ることが喫緊の課題となっている。自衛隊のセクハラ、パワハラ、訓練中の負傷、自殺問題などを手がけてそう思う。

 自衛隊に入る若者たちは入隊まで、家庭や学校で、人を傷つけるな、優しい人になれと育てられる。それが、自衛隊に入った途端に逆転する。営舎の集団生活の中で、日々の訓練の中で、人を殺せる人間につくり上げられていく。それは、それまでの人生の行動規範と異なるだけでなく、自らの価値観、ヒューマニズムとも異なるのが普通だ。その過程で問題が起きる。

 まず、ジェンダーの問題(セクハラ)。国家試験に合格し、学校卒業と同時に、陸上自衛隊事務官になった女性がいる。公務員になれたと喜んだ。その職場の上司らが企画した歓迎会の深夜、上司から強制わいせつを受けた、として昨年、提訴した。

 公務災害も多い。肺を痛め休職中の戦車部隊の隊員がいる。粉じんの中を走るうえ、大型エンジンの排ガスがひどい。

 夜間大学に行けるから、と空自に入ったのに、いざ受験しようと思ったら「自衛隊を辞めるか、大学を諦めるかだ」と言われたケースがある。弁護士が交渉し、受験できたが、合格したら、また、いじめられた。

 各種免許を取るため入隊した、という話は多い。ある陸自の男性は、大型特殊・けん引などの免許がほしかった。だが、受験人数に制限があり、「自衛隊に入れば免許が取れる」というのは、昔の話だとわかった。そこで退職しようとしたら、認めてくれない。

 自衛隊は、自由に辞められない。いざ戦場で「辞めます」では困るからだ。だから自民党内からは、逃亡自衛官には死刑の適用も、という声が出ている。

 自衛官が懲戒処分を受ける場合も、自衛隊は、司令官が決めた他の自衛官しか弁護人になれないと言う。自衛隊法施行規則に「懲戒権者は(略)隊員のうちから弁護人を指名する」とあるからだ。弁護士をつける権利を保障している憲法を、当然、優先すべきだ。

 自殺は深刻だ。イラク派兵後の2004年以降、自衛隊員の自殺が3年連続、100人を超えた。

 自衛隊員の人権はいったいどうなっているのか。以前、教育カリキュラムを調べたら「人権」は無かった。あったのは「しつけ」だ。

 一方、ドイツは、兵士である前に市民であると、教育する。「兵士になるとは人を殺すこと。苦しんだらここへ行きなさい」とメンタルケアのシステムや、上官の法令違反、不条理な命令の是正などを求める軍事オンブズマンの制度を教える。

 軍隊を持つ国は「良心的兵役拒否」「兵士の労働組合」など理論、実践でさまざまな積み重ねをしてきた。日本も、ついにそうした時期を迎えようとしている。しかし、私は、そんな国になってほしくない。

 

給与規定改定で札大に救済命令

 10月28日に北海道労働委員会が、学校法人札幌大学が教職員の給与を引き下げた際に不当労働行為があったと認定し、札幌大学教職員組合に誠実に対応するよう命じる一部救済命令を出したことが、翌29日付の朝日新聞、北海道新聞に報じられています。

 札幌大学は、学生の定員割れなどで経営が厳しいとして2011年3月に教職員の給与(期末手当、通勤手当等)を引き下げることを労組に提案しましたが、団体交渉中の2012年9月、組合員にさらに不利益となる変更を十分な説明をせずに、同年11月に実施しました。
 また、定年後に任用した教員の年俸の削減も十分な説明がなかったと認め、組合に必要な資料を提供するなどして誠実に対応するように大学に命令を出しました。

 定年後任用の教員の年俸引き下げについては、教授らが札幌地方裁判所に、賃金切り下げは合理性を欠く就業規則変更であり無効であるとして、差額分の未払い賃金の支払いを求める訴訟を提起して係争中です。

 なお、本不当労働行為救済事件の代理人は、当事務所の長野順一、佐藤博文、川上有、渡辺達生、池田賢太の5名です。

※ 不当労働行為とは
 不当労働行為救済制度は、憲法で保障された団結権等の実効性を確保するために、労働組合法に定められている制度です。同法は、組合員であることを理由とする不利益扱いする行為や、団体交渉の拒否や誠実に団体交渉に応じない行為を不当労働行為として禁止しています。