北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

国籍を超えて

 弁護士の安部真弥です。

 私は愛知県出身で、高校卒業するまでの間は、愛知の実家で生活していました。
 実家の裏通りには小さな平屋の工場があり、そこの工場で働く人やその家族が、工場の向かいに家を建てて暮らしていました。
 とても不思議な作りの家で、外から見ると、トタン屋根の大きな一つの家のようなのですが、中に入ると小さな家々に別れており、狭い路地のようなコンクリートの通路で家々がつながっていました。家々の玄関は別々です。
 実家同士が近所ということで、私はそこに住む年齢の近い子ども達とよく遊びました。特に同じ歳のHちゃんとは仲が良く、いつも一緒に遊んだ記憶があります。

 小学校高学年になった頃だったか、Hちゃんから、今まで隠していたけど言わなければならないことがあると言われました。聞くと、Hちゃんや、工場の人達はみんな、日本人ではなく、Z国の国籍だということでした。
 当時子どもだった私は、外国人だなんてかっこいい!くらいにしか考えていませんでしたし、HちゃんはHちゃんなので、日本人ではないと聞いても全く気にもしませんでした。

 その後、高校が別々になったことや、Hちゃんが引っ越したこと、私も北海道にきてしまったことなどで、Hちゃんとは疎遠になりましたが、数年前、私の母がHちゃんのお母さんと偶然出くわしたそうです。
 Hちゃんのお母さんいわく、Hちゃんは、Z国籍ということで、就職も結婚もとても苦労しているということでした。

 確かに、HちゃんはZ国籍ですが、日本で生まれ、日本で育ち、日本語しか話せません。Z国には行ったこともないと以前言っていました。
 日本の教育しか受けていないのですから、考え方なども、まるきり日本人です。なのに、日本国籍ではないというだけで、就職などで差別され、苦労しているのです。

 確かに、外国人の人権は難しい問題です。
 しかし、国籍だけで人を判断することが正しいことだとは、到底思えません。
 国籍という垣根をたやすく越えて仲良くなれる子ども達を見習い、私達大人も、本当の意味での人を見る目を養っていきたいものです。

「みんなでしゃべってかんがえよう!ショウガクキンってどーゆーもの!?」を実施しました

 弁護士の橋本祐樹です。

 先日、池田賢太弁護士からも事前のお知らせがありましたが、七夕の7月7日、「みんなでしゃべってかんがえよう!ショウガクキンってどーゆーもの!?」という名の学費問題と奨学金問題についてざっくばらんに話し合うイベントを実施しました。

 日曜日のお昼という時間でしたが、約50名の来場者を迎えて、イベントを成功させることができました。参加者は、当事者の大学生、大学院生をはじめ、これから大学進学を目指す高校生、大学教員、弁護士、司法書士、一般市民と幅広いものでした。年齢層も10代から60代と世代を問わず、関心を呼ぶものだったと感じています。

 ワールドカフェ形式で行った対話は、非常に活発に行われました。ワールドカフェ形式とは、カフェのようなリラックスした雰囲気で、討論でもなく、結論を求めるでもなく、傾聴と対話を通じて一緒に世界を創っていくという方式です。
今回は、
① ショウガクキンって聞いて何を連想する?
② 日本の高等教育にかかるお金(学費) 何が問題でしょうか?
③ お金がない人でも!安心して高等教育を受けることができるようにするために
  ・・・どうしたらよいのでしょうか?
④ 奨学金「問題」の現状を改めるために・・・どうしたらいいのでしょうか??
という4つのテーマについて、対話をしました。

 これらのテーマに沿って、全ての参加者が、年代も経験も関係なく、思い思いに自分の感じている疑問や考えていることを積極的に話すことができたと思います。様々なバックボーンをもつ人々との対話を通じて、これまで考えていなかったことに気づいたり、これまで「自分の問題」と思っていたことを他の人も悩んでいるということを知ったり、新たな発見があったようです。
このような多様な参加者による明るい雰囲気の中での熱心な対話の様子は、翌日のNHKニュースでも報道がされ、毎日新聞でも一部記事になりました。

 まずは実情を話して、問題意識を共有する。そして、「自分だけの問題ではない」と気付いてもらうこと。今回のイベントは、そのとっかかりにはなったのかなと思います。
 このイベントの運営には、学費と奨学金問題に関心を持つ学生さん達も積極的に関わってくれました。これからも、学生さん達と協力しつつ、当事者の視点で、この問題に取り組んでいこうと思います。

 奨学金の問題は、決して奨学金だけの問題ではありません。学費の問題であり、国が次代を担う人材をどのように育てるのかが問われています。いまはまだ問題の根深さにおののき、どのような問題が横たわっているのかを一つひとつ確認する作業をしている段階です。
 もし、このコラムを読んで下さった方の中に、奨学金で困っている方や日本の教育政策に疑問をお持ちの方がおられれば、どうぞお気軽にお声をかけて下さい。皆さんの疑問の中に、解決の糸口が見つかるかもしれませんから。

憲法のこと、一緒に考えてみませんか②

 弁護士の香川志野です。

 7月3日のコラム(/news/archives/153.html)の続きです。
  
 憲法は、法律よりも遠い存在だと思っている人はいませんか。
 憲法は、わたしたちの毎日の暮らしに深く結びついています。

 例えば、前回のコラムでも触れた自民党の憲法改正草案では、表現の自由の保障を定める規定の後に、新しく、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」という規定が追加されています。
 「公益」や「公の秩序」とは何なのでしょうか。
 憲法を簡単に改正できるようになってしまったら、こんなコラムを書くことさえ、許されない日がくるのでしょうか。

 改憲草案は多岐にわたっていますので、もう1つだけ。
 「家族は、互いに助け合わなければならない」という規定を、どう考えますか。
 これまでにはない規定ですが、思わずうなずいてしまう人もいそうです。
 しかし、国民がお互いに助け合う義務を強調していくと、国の責務である生存権の保障(社会保障制度の充実など)を後退させてしまう危険性があります。

 憲法のこと、もっと一緒に考えてみませんか。

★ 当事務所では、多数の弁護士が、様々な学習会・講演で講師をしています。
★「北の峰」2013年夏号では、憲法を特集しています。

「ショウガクキンってどーゆーもの!?」開催のお知らせ

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 弁護士の池田賢太です。

 今日は、香川弁護士の合間を縫って、奨学金問題について、お話ししようと思います。

 当事務所のコラムでは、橋本弁護士が連載を組んでいますので、ご存じの方も多いと思いますが、奨学金問題は、新聞等様々なメディアで報道をしていただいたことにより、少しずつ社会問題として認識されるようになってきました。

 しかし、この問題を、ご自身の問題としてとらえている方は増えたのでしょうか。新聞やテレビで取り上げられる「問題」といえるケースは、本当に大きな「問題」を抱えています。その反面、「自分のケースはあそこまでいかないから、自分ががんばればなんとかなる」というように、「自分だけの問題」としている方が多いのではないでしょうか。

 そこで、色んな背景をもつ人が、お互いに質問をしたり、話し合ったりして、問題点を共有できる場所を企画しようと考えました。多くの人が小さな社会問題を発見できると思います。「自分だけの問題」だと思っていたものが、実は、同じようなことで多くの人が悩んでいたとわかれば、少し気が楽になるかもしれませんし、あるいは、悩みを解消するための方法を一緒に考えることができるかもしれません。
 
 私たちが加入する「奨学金問題対策全国会議」と、札幌の学生さんが立ち上げた「北海道学費と奨学金を考える会」は、2013年7月7日、『ショウガクキンってどーゆーもの!?』という奨学金についてのイベントすることにしました。みんなでコーヒーを飲みながら、お菓子を食べながら、「ショウガクキン」という答えの決まっていないテーマについて、ざっくばらんに話をしようじゃないか!という企画です。
 また、当日は七夕ですから、笹と短冊を準備して、奨学金についてのお願い事を記入することもできるようにします。
 
 この企画は、学生さんたちが主導で行われます。いま、奨学金を借りている学生さん、返し始めた社会人の皆さん、実は延滞しているんです…という方々、保証人になった親御さん、高校や大学の教員の皆さん、そして全ての市民の皆さんが対象の企画です。奨学金や教育について、何にも知らなくて構いません。どんな悩みがあるのかを知ってもらうことも、大切なことです。2013年7月7日、午後1時〜さっぽろテレビ塔2階の会議室「すずらん」で皆さんをお待ちしています。

 なお、画面上部の「アップロードファイル 154-1.pdf」をクリックすると、カフェチケットをダウンロードできます。
 また、この企画は、札幌弁護士会のホームページでも紹介されております。
 http://www.satsuben.or.jp/events/2013/15details.html

憲法のこと、一緒に考えてみませんか①

 弁護士の香川志野です。

 先日、憲法についてお話をさせていただく機会がありました。
せっかくなので、ここでも少しお伝えしたいと思います。

 まずは、知っているようで知らない憲法の目的について。
 憲法は、何のためにあるのでしょうか。
 憲法の目的は、個人の権利・自由を守るために、国家権力を「制限」することです。
 権力を縛るための憲法だということが、全ての出発点です。

 近時、憲法の改正要件を緩和しようとする動きがあります。
平和や人権を保障している憲法を、簡単に変えることができるようになったら、私たちの平和な暮らしや少数者の人権は、簡単に奪われてしまう危険性があります。

 実際に憲法が改正されるどうなってしまうのか、自民党が発表した憲法改正草案を例に考えてみたいと思います。
 自民党の改憲草案では、憲法9条の戦力不保持規定を削除し、国防軍を創設するとしています。これは、日本を、「戦争をする国」に変えてしまう内容です。
 大切な人が戦場に行ってしまう、そんな国にしてはいけないですよね。

 では、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」とする改正案についてはどうでしょうか。おかしなことだとすぐ気がつくでしょうか。
 冒頭に書いた憲法の目的を考えれば、憲法を守らなければいけないのは、国民ではなくて国家権力だということがわかります。このような改正は、憲法の本質をすっかり変えてしまうものなのです。

                                                     〜次回に続きます

9条せんべいを食べながら

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 弁護士の石田明義です。

 5月下旬、紀伊半島の南部(みなべ)町というところで、日本平和委員会という平和NGOの全国会議がありました。梅の名産地ですが、土産は、現地の平和委員会メンバーのアイデアで作ったという「9条せんべい」にしました。

 「9条せんべい」の特徴は、憲法9条の条文を12枚のせんべいに分けて印しているものです。1枚1枚を読みながら1人で12枚を食べるのもいい、みんなで分け合い読みながら食べるのもいい。憲法9条を読むことは、心の栄養だけではなく、体にもいいようだ。実際、食べてみると固さや甘さもほどよく口の中に心地の良さが広がります。

 当事務所の小学生の子どもさんがいる事務員さんにあげたら、子どもさんがおいしいと喜んでもっと食べたいと言われるほどの人気がありました。小学生が親と一緒に憲法9条の条文を読みながら、あるいは憲法を話題にしながら食べるというのは、ほのぼのとした家庭の風景です。子どもたちがせんべいを食べることが、憲法9条を知るきっかけになり、憲法へ関心を持ってくれたらと思うと、9条せんべいはグッド・アイデアなものです。大人も憲法をテキストで真剣に学ぶのもいいが、食べてみて、美味しいと喜び、憲法9条いいなと語り合い、信頼や確信を広げてほしいものです。

(せんべい注文の希望者は↓)
〒640-8155 和歌山市九番町5 和歌山市教育会館内
電話073ー431ー7317/FAX073ー422ー2591
紀州・九条せんべいの会 spqcn608アットマークyahoo.co.jp
(迷惑メール防止のため「@」をカタカナ表記しております。「アットマーク」を「@」に変換してメールを送信ください。)


 突然、後半、話は変わりますが、私は「平和憲法草の根普及会」という数人のグループに関わって2004年3月に「鳩を飛ばす "いいものはいい" 平和憲法」という憲法小冊子の初版を発行し、安倍政権再登場に危機を感じで、最近新たに16版「新・鳩を飛ばす」を1千部発行し、累計2万部に達しました。希望者には無料ですが、送料のみ負担(メール便80円、大学生以下は送料も無料)で送っています。83ページの小冊子ですが、憲法の制定時の議会論戦や憲法の原点の考え、安倍政権や自民党の改憲案など現在の問題点も資料などを引用しコンパクトにまとめています。グループには元小中学校の先生が多いので分かりやすい内容になっています。実費の送料80円を送ってくれる際にカンパをくれる人もいるので小冊子の無料作成が継続できています。これも憲法9条を守ろうという気持ちを持って生活している人々が多いことを物語っているのだろうと思っています。 

 安倍政権の復活があり、鳩をまだまだ飛ばし続ける必要を感じています。

(小冊子の希望者は↓平和憲法草の根普及会)
電話/011ー785ー2622 komatsu77アットマークlapis.plala.or.jp 
(迷惑メール防止のため「@」をカタカナ表記しております。「アットマーク」を「@」に変換してメールを送信ください。)
郵便振振込口座 02730・1・93685 平和憲法草の根普及会


 安倍政権は、頑に改憲を使命としており、現憲法の個性である憲法9条を大変嫌っています。戦争放棄、軍隊不保持、交戦権否認などの特徴を削り取る予定です。9条がなくなったら個性ある日本でなくなります。自民党が狙っている改憲案には国防軍、軍事裁判所、軍事機密保護、治安維持、元首・国歌・国旗・元号、公益や社会秩序などがでてきます。集団的自衛権を認めて「戦争できる軍隊」「戦争できる国」マッチョな憲法にしたいようです。自民党の改憲案は読んで後味が悪いものです。


 日本国憲法の個性である憲法9条を守ることは、戦争をさせないこと、戦争するための無駄なことをさせないという単純な話です。4月頃から大小の憲法の学習会が広がっており、法律事務所にも講師要請が増えています。明文改憲や生活保護取り下げなど憲法に関わる制度などがテーマです。

 せんべいを食べながら静かに小冊子を読みながら、戦争を想像し、憲法9条を考えるという、素朴な精神的営みが広がることも多いに期待したいものです。

ホームロイヤー(Home Lawyer)のすすめ

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 弁護士の山田佳以です。

 近隣に「かかりつけのお医者さん」をもっている方は多いですが、医者に比べて弁護士はあまり親近感をもたれておらず、敷居が高く、できれば関わりたくないと考える方も多いのではないでしょうか。

 他方で、65才以上の高齢者は約3000万人、要介護状態の人は約500万人、1人暮らしの高齢者は約440万人にのぼるとされる今日の超高齢化社会において、高齢者が地域でその人らしく生活する上では、様々な問題に遭遇します。

 現に、リフォーム詐欺や悪質な訪問販売などの消費者被害は増加していますし、物忘れや心身の衰えからくる将来の財産管理に関するご相談や、死後の葬儀や遺言・相続等の財産処分に関するご相談をお受けすることも多くあります。

 そこで、今回は、比較的ご相談をお受けすることの多い、ご高齢の方の財産管理に関する法的制度とホームロイヤー契約について簡単にご説明したいと思います。

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【財産管理について】
 年齢を重ねるにつれ、次第に財産管理(預貯金の管理、所有不動産の管理)に不安を感じたり、体調等の悪化から金融機関に手続に行くことが困難となってしまうことがあります。しかし、安心して毎日の生活を送る上で、適切に財産を管理することは必要不可欠なことです。

 そのような場合に備えるための財産管理に関する法的制度は、主に次のア〜ウがあります。


ア 財産管理委任契約…契約を結んで財産管理等を依頼する
 財産管理委任契約とは、ご本人と弁護士が、財産管理や生活する上での事務処理(身上監護)について契約を結んで、管理等を依頼する契約です。契約を結びますので、ご本人が契約の内容を理解していることが前提になります。ですから、たとえば認知症が進んでいて、この理解ができないという場合には契約を結ぶことはできず、後述ウの「法定後見制度」を利用することになります。

 財産管理委任契約においては、契約の内容を弁護士と相談して自由に決めることができます。例えば、身上監護(定期訪問等の見守り)や財産管理、葬儀や埋葬に関する死後の事務や相続財産の管理や処分を委任することができます。具体的には、ご本人と相談の上、土地などの権利証や、預金通帳などの大事なものをお預かりして弁護士が保管することで、悪徳商法や詐欺等の被害を未然に防止するほか、毎月、ご自宅に訪問して必要な生活費をお渡しするとともに生活状況をお伺いしたり、施設や病院におられる方の場合は、施設や病院に費用を支払ったりします。高齢の両親が遠方にいて心配な場合に利用されるのもよいのではないでしょうか。


イ 任意後見契約…公証人役場で契約し、監督体制も整備
 任意後見契約は、財産管理をはじめとする生活全般に関わる事務を弁護士に委ね、もってご本人の生活全般を支援する点で前述アの財産管理契約と共通しています。また、ご本人が契約の内容を理解できることが必要である点も財産管理委任契約と同様です。

 任意後見契約の特徴は、ご本人がご自身で管理することができる間は、財産管理・身上監護は始まりませんが、ご本人自身で管理することが困難になったときに初めて、任意後見人による財産管理・身上監護が始まる点にあります。その際、裁判所が任意後見人を監督する監督人を選任します。

 財産管理契約との違いは、財産管理契約が弁護士との私的な契約であって、第三者の関与・監督が予定されていないのに対して、任意後見契約は、公正証書によって契約を締結することが必要とされること、任意後見契約の登記がなされること、任意後見人の職務を監督人及び裁判所が監督するという厳格な体制がとられている点にあります。


ウ 法定後見制度…裁判所で管理人をつけてもらう
 認知症の方や知的障害・精神障害のある方など、判断能力の不十分な状態にあるご本人について、ご本人やご家族などの申立てにより、家庭裁判所がご本人を援助してくれる成年後見人等を選任する制度です(判断能力の程度によって、後見人、補佐人、補助人が選任されます。)。法定後見制度は、精神上の障害等により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)をその趣旨としています。ですから、後見人が選任されても食料品や日用品・衣類等の購入等の日常生活に必要な範囲の行為はご本人が自由にすることができます。

 また、従前は、後見人が選任された場合は、ご本人の選挙権は剥脱されるとされていましたが、2013年5月28日の参院本会議で改正公選法が成立し、成年被後見人にも選挙権と被選挙権が認められることになりました。

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【ホームロイヤーについて】
 このように、財産管理に関する制度はいくつかあるので、ご自分にあった制度を上手に利用すれば、晩年の身上監護や財産管理のみならず、死後の葬儀等についての不安は解消されることと思います。

 他方で、特にご高齢の方の場合、損害賠償、賃貸借、破産・債務整理、消費者被害、相続、離婚、生活保護、遺言、施設契約、医療・福祉サービス、虐待など、直面しうる問題は多種多様です。
医療や介護、住まいの問題等の日常的な困り事の場合、弁護士にアドバイスを受けたいが、大した問題ではないような気がして法律事務所を訪れるのは気が引けるという方は意外と多いのではないでしょうか。

 かかりつけのお医者さんがいると安心なように、人生で起きる様々な法的問題を、決まった弁護士に気軽に相談できたらいいですよね。問題が起きるたびに、違う弁護士に一から話をするのではなく、いつも同じ弁護士に相談できるので安心ですし、ご自身の気持ち、生活、状況にあった法的アドバイスがスムーズに受けられます。また、定期的に法的アドバイスを受けることで、紛争を未然に防ぐことにもつながります。

 ホームロイヤーとは、いわば、あなたの顧問弁護士です。
 どんなことをどのくらいの頻度で相談するかは、弁護士と自由に決めることができます。

 任意後見契約を締結した弁護士とホームロイヤー契約も結んでおくと、任意後見契約が発行するまでの間、任意後見人となる弁護士といろいろな相談ができ、ご自身の意思・希望に沿った任意後見業務が実現できることになります。

 ホームロイヤーについてのパンフレットもご参照下さい。
 (ページ上部の「アップロードファイル 149-1.pdf」をクリックすると閲覧できます。)

もうすぐ誕生!子どもシェルター・レラピリカ

 弁護士の内田信也です。

1.私は、NPO法人子どもシェルターレラピリカの理事長に就任しました。「子どもシェルター」という言葉になじみのない方もいらっしゃる思いますが、これは、虐待や非行などの困難を抱え、家庭や施設に居場所を失った、14、15歳から19歳までの十代後半の子どもたちのための緊急避難所です。こうした子どもたちは、18歳未満であれば、児童福祉法上の要保護児童に該当するのですが、児童相談所の一時保護所は定員を超える満員状態ですし、思春期の子どもへの個別対応ができる体制になく、すぐに保護することができません。また、18歳以上であれば、そもそも一時保護もできません。子どもの人権救済活動の現場で、「今晩、帰る場所がない」という、子どもたちの相談を受けてきた弁護士や児童福祉関係者・市民らが危機に瀕した子どもたちの命を守りたいという願いから、2004年6月に東京で全国で初めての子どもシェルター「カリヨン子どもの家」が開設されました。以来、現在まで神奈川・愛知・岡山・広島・京都・福岡で地域色のある子どもシェルターが開設されてきましたが、この度札幌でも、一年間の準備期間を経て、本年10月から女子専用の子どもシェルター「レラピリカ」(アイヌ語で「美しい風」という意味)を開設することになりました。現在、活動スタートへ向けて、最後の準備を進めているところです。

2.東京の「カリヨン子どもの家」の創設者である坪井節子さんによりますと、これまでの8年間で、カリヨンを利用した子どもたちの数は、のべ210人を超え、圧倒的に女子が多く、避難の主たる理由は、虐待であり、抱えている困難は、離婚再婚が繰り返された複雑な家庭、親の病気、貧困、本人の心身の病、不登校、自傷行為、非行等々がいくつも重なっており、中でも、虐待の後遺症と思われる解離、うつ、パニックなどの精神症状を呈する子どもの多さに驚く・・・とのことです。
 そういう子どもが東京だけにいるわけではありません。この問題は「見ようとしなければ見えない」性質のもので、児童福祉の最前線で日夜格闘しているみなさんのお話によると、札幌にもたくさんいるのです。

3.何故、私たちは子どもの問題にみな心を痛めるのでしょうか。実は、子どもの問題は私たち大人の問題に直結するのです。子どもが健やかに伸び伸びと成長できる社会は、高齢者にとっても安心して生きていける社会に違いありません。ですから、子どもが辛い思いをする社会は、高齢者にとっても辛い社会なのです。この二つは、間違いなく共鳴している問題で、私たち自身が平等に高齢者へ向かって行くことを思えば、子どもの問題は人ごとではありません。子どもへの人権侵害は、私たち大人への人権侵害でもあるのです。そう考えると、子どもシェルターの開設は、私たち大人に課せられた使命といってよいと思うのです。

4.もっと札幌の地に引き寄せてみると、札幌には「子どもの権利条例」があるのですが その中に、8条で「安心して生きる権利」を定めています。
 (1) 命が守られ、平和と安全のもとに暮らすこと
 (2) 愛情を持って育まれること
 (3) いじめ、虐待、体罰などから心や体が守られること
 (4) 自分を守るために必要な情報や知識を得ること
 (5) 気軽に相談し、適切な支援を受けること
 子どもの権利を大切にすることは、子どもが自分の人生を自分で選び、自信と誇りを持って生きていくように励ますことです。それによって子どもは、自ら考え、責任を持って行動できる大人へと育っていきます。そういう大人たちによって私たち高齢者が安心して生きていくことができるのです。だから、私たちは子どもの問題に心を痛めるのです。単なる感傷や同情ではありません。

5.これまでの設立行為は、弁護士が中心になってやってきましたが、実際に活動が始まって子どもたちをケアして、自立へ誘うためには、医療や福祉の専門家との連携がどうしても必要です。きれいごとではすまされない、厳しい子どもたちの現実があることをいろんな人から指摘を受けて、その責任の重さにおしつぶされそうになりながら、若い弁護士たちを中心に「身の丈にあったシェルター」を目指してやっております。
 そんな子どもシェルターの趣旨をご理解いただき、みなさまのお力添えをいただければ幸いです。
 HPのアドレスはhttp://rera-pirika.jp/ (現在作成中)です。

絵本画家いわさきちひろさん

 弁護士の三浦桂子です。

 我が家では、毎年ちひろさんのカレンダーを購入し居間に飾っています。絵の中の子どもは単に可愛いだけでなく、心の揺らぎや葛藤も含めその子の内心を写しとっており、私は自分の子どもが絵の中の子どもと同じ年頃の時の姿や心のありようと重ねあわせて眺めてしまいます。

 札幌の北海道立近代美術館でいわさきちひろ展(6月2日まで)が開催され、ドキュメンタリー映画「いわさきちひろ〜27歳の旅立ち」も上映されました。
 その両方を見て、私は、独特の「にじみ」や「ぼかし」を生かした優しく美しい子どもの絵を生み出すに至ったちひろさんの画家としての苦闘、世界の子どもが平和に暮らせることを願った強い意思を感じました。
 既に17歳の時に画家としての才能を開花させていたにもかかわらず親の反対で断念し親の決めた結婚をせざるを得なかったこと、夫の自死、東京大空襲の火の中を逃げまどい敗戦を迎えたのち、ようやく自分の絵が社会の役に立つという希望を持ち27歳で画家をめざしたこと ー 27歳の自画像には、女性が自分で職業を選ぶ自由や、結婚の自由がなかった時代に対する訣別と画家として生きていく決意に満ちていました。
 松本善明さんと出会い初めて「人を愛する」という感情を持ったこと、猛君の誕生、心血注いで描いた絵本の「挿絵」が大手印刷会社に粗末に扱われることに抗議して仕事を干されても戦い、その結果、画家の著作権を勝ち取り「絵本画家」の地位を高めたこと。

 絵本は、子どものためだけでなく、大人のためのものでもあります。
 早速、しまい込んでいるちひろさんの絵本を取り出して手に取り、日々の励みにしたいと思います。                             

修習費用の給費制についてのパブリックコメントのお願い

 みなさまへのお願い

 弁護士の橋本祐樹です。
 司法修習生に対する修習費用の給費制復活を含む経済的支援についてのパブリックコメントをお願いできませんでしょうか?

 国によって1年間の司法修習(研修)を義務づけられているにもかかわらず、給料が出ず、修習のための生活費を国が貸し付けるという貸与制が導入されて、1年半が経とうとしています。すでに国から300万円の借金をした新人弁護士が誕生していますし、大学・大学院での奨学金と合わせて600〜1000万円の借金を背負った新人弁護士も少なからずいます。現在の司法修習生も、貸与制のもとで司法修習を行っています。
 貸与制のもとでの司法修習については、司法修習生の経済的困難の問題、経済的事情により法曹を目指すことを断念する者の発生の危惧、多様で有為な人材による充実した司法サービスが確保できない虞、などの弊害が指摘されています。
 そのため、司法修習生への経済的支援について、政府の有識者会議(「法曹養成制度検討会議」といいます)があるべき制度について検討を加えております。

 4月12日、法曹養成制度検討会議が貸与制を前提とした中間的取りまとめを発表しました。それは「貸与制」を前提に、「更に検討する」というのみであり、上記のような弊害を克服するための具体策は提示されませんでした。
 そこで、この中間的とりまとめに対して、市民の声を聞く意見公募手続(「パブリックコメント」といいます)が重要となってきます。
 一人でも多くのみなさまに、パブリックコメントにおいて、「給費制」の復活を求める市民の意見を出していただきたいのです。締め切りは5月13日までです。

 パブリックコメントの提出方法は簡単です。以下のURLの「意見提出フォーム」から、直接意見を出すことが可能です。なお、氏名・住所・職業についての記載はしてもしなくても構いません。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300070017&Mode=0

 何を書けばいいのか思案中の方、私が北海道支部の代表をしているビギナーズ・ネットのHPにも特設ページがございます。こちらもあわせてご覧下さい。
http://www.beginners-net.org/#!publiccomment/c22bv

 GW前後でお忙しいと思いますが、権利の守り手を育てるために今が非常に重要な局面ですので、ご協力をお願いした次第です。
 ご家族、ご友人にも広く周知等していただき、一人でも多くの市民の声を発信していただきたいと思います。
 ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。