北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

給費制廃止違憲訴訟のご報告

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【2013年12月11日                  【2013年12月25日
 名古屋訴訟第1回口頭弁論後記者会見】     広島訴訟第1回口頭弁論後報告集会】 
 


 弁護士の橋本祐樹です。

 2013年8月2日に東京・名古屋・広島・福岡で一斉提訴した新65期司法修習生による「給費制廃止違憲訴訟」の裁判期日が少しずつ始まっています。

 12月11日には名古屋で、12月25日には広島で、それぞれ第1回目の口頭弁論が開催されました。2014年1月20日には福岡で、1月29日には東京での裁判期日が控えています。

 私も、名古屋と広島の期日に代理人として出席してきましたが、とても驚きました。
 私は、新64期司法修習生として、司法修習費用の給費制が1年延長された年に司法修習を行ったのですが、司法修習に入る前から給費制の維持を求めて活動をしてきました。2010年から活動していますので、3年以上、給費制の意義や貸与制の弊害を訴え続けてきました。
 貸与制の弊害については、理解しているつもりでした。

 しかし、私が法廷で聞いた新65期の弁護士の生の声は、私が知っているつもりで知らないことだらけでした。私だけではありません、法廷にいた全ての給費制で育ててもらった法曹が衝撃を受けたはずです。

 ペーパーレスで裁判官にとつとつと語りかけた原告は、法科大学院での奨学金債務の返済を司法修習費用として国が貸し付ける貸与金から返済するという多重債務者のような生活、お金がかかりすぎることで法曹への途を断念した友人のエピソードを話しました。

 借金の怖さを家族から教えられて育ったため貸与を申し込まなかった原告は、節約をするため、書籍代の支出などを控えざるを得ず、また病気になっても病院にもかかることができなかった状況を涙ながらに話してくれました。

 冤罪事件に取り組みたいと法曹を目指した原告は、今後の借金の返済を考えてしまい、やりたかった冤罪事件に取り組めない現状を話してくれました。
 保証人の確保ができず、機関保証をつけることへの抵抗もあったため貸与を申請しなかった原告は、経済的に苦しい家庭に育った修習生が、司法試験合格後もさらに大きな経済的に負担を強いられる不合理性を語りました。

 どの原告の声も、経験をしたからこその実感がこもった苦労と無念が伝わる内容でした。
 私は、改めて、実態を知る必要を痛感しました。
 弁護士のみならず、裁判官も訟務検事も、貸与制のもとでの修習について初めてじっくり聞くことで、司法修習生の給費制の復活をはじめとする法曹養成制度の問題を自らの問題として取り組むことができるのではないでしょうか。
 
 「給費制廃止違憲訴訟」は、給費制の取り組みを弁護士会だけの取り組みではなく、裁判所・法務省を巻き込み、法曹三者があるべき法曹養成制度、司法制度を真面目に考える場になります。この訴訟を起こさざるを得なかった原告らの無念・苦労を、全ての法曹が想像し、これ以上、給費制廃止による被害者が増えないように知恵を出し合わないとならないと思います。その意味で、各地の裁判所が、今のところ、丁寧に当事者の声を聞き審理をしようという姿勢を示していることは評価できます。

 また、権利の守り手を国が責任をもって育てることでより良い司法制度をつくるという目的のため、勇気をもって自らのプライベートを晒している原告ら生の声を、一人でも多くの市民の皆さんに知っていただきたいなと思います。

 「給費制廃止違憲訴訟」の詳細は以下のとおりです。 
  http://kyuhi-sosyou.com/index.html

特定秘密保護法案の今国会での廃案を求める声明

 弁護士の渡辺達生です。

 新聞報道等では、みんなの党や維新の会が修正協議で妥協をし、自民党・公明党の4党で、秘密保護法案が衆議院で通されようとしていますが、11月21日、青年法律家協会北海道支部、日本労働弁護団北海道ブロック、自由法曹団北海道支部の道内法律家3団体で、秘密保護法の廃案を求める声明を出し、道内選出の国会議員と衆議院の国家安全保障に関する特別委員に送付しました。
 声明はこちら
 http://www.hg-law.jp/file/131121%20seimei.pdf
 私のパワポも改定しました。
 http://www.hg-law.jp/file/131125%20hogohouppt.pdf
 皆さん、この法案の反対ために、できることは全てやりきりましょう!

環境を、そして動物を守ろう!〜動物園で考える環境保護問題〜

 弁護士の安部真弥です。

 北海道内のほとんどの動物園には象がいません。
 私は愛知県の出身ですが、子どもの頃に動物園に行くと、必ずと言っていいほど象がいたので、動物園に象がいないということにとても驚いています。
 最初は、北海道は寒い地域だから象の飼育が難しいのかな、と思っていたのですが、理由は全く違いました。
 日本国内に野生の象はいませんから、動物園で新たに象を飼育しようと思ったら海外から連れてくるしかありません。ですが、現在、象が希少動物であることから、新たに象を海外から連れてくるためには、ワシントン条約に基づき、繁殖等の学術的な目的で複数頭(最低でも3頭以上と言われているそうです。)で連れてこなければならず、その後の飼育費用も含め、実に多額の費用がかかってしまうそうなのです。
 近年に始まったことではありませんが、環境汚染や乱獲などにより、地球上から多くの動物が絶滅していっていることは、皆さんもご存じのとおりです。
 このままでは、象をはじめとする、私たちが子ども達に見せてあげたい動物達が、どんどん絶滅の危機に瀕し、動物園ですら見ることが難しくなってしまいます。
 私たちにできることは少ないですが、まずは小さなことから(買い物ではエコバッグを使う、とか。)、環境を守る活動、そして動物を守る活動を始めてみませんか?

特定秘密保護法案を廃案に!

 弁護士の渡辺達生です。

 11月7日、特定秘密保護法の審議が衆議院で始まりました。
 特定秘密保護法の問題点については、私のほうでパワーポイントにまとめていますので、こちらをご覧ください。
 http://www.hg-law.jp/file/131109%20hogohouppt.pdf

 もっと詳しく勉強したい方は、自由法曹団本部で、詳細なコンメンタールを作成していますので、こちらをご覧ください。
 http://www.jlaf.jp/menu/pdf/2013/131105_01.pdf

 特定秘密保護法を廃案に追い込むためには、皆さんの力が必要です。
 何かやってみたいと思っている方、衆議院で特定秘密保護法の審議をしている国家安全保障に関する委員会の委員に要請書を出してください。
 http://www.hg-law.jp/file/131107%20youseisyo.pdf

 これは、国家安全保障に関する委員会の委員、全員に対する要請書です。宛名とファックス番号が入れてあるので、あとは、日付と名前を書けば、要請書が完成し、すぐにファックスを送ることができます。


 特定秘密保護法に反対の方、ぜひ、これを活用して、要請書を出してください。
 なんとしても廃案に追い込みましょう!!!

札幌市公契約条例、否決

 残念ながら、公契約条例が否決されました。

 弁護士の渡辺達生です。
 この間、このコラムに何回か、公契約条例のことを書いてきました。今年の7月から取り組んだ公契約条例の制定を求める10万人署名も、ほぼ達成をすることができました。ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。


 しかしながら、札幌市の公契約条例は、10月に開催された第3回定例市議会で、反対多数で否決されてしまいました。最終的に公契約条例に反対をした議員はは、自民党23人、公明党9人、みんなの党1人、市政改革みんなの会の1人の計34人。賛成した議員は、民主党23人、共産党5人、市民ネット3人、市政改革みんなの会の2人の計は33人ですので、1票差の否決です。
 労働組合、学者、弁護士等で、「札幌市公契約条例の制定を求める会」を作り、私は、その一員として札幌市公契約条例の制定を求める活動をしてきました。市議会の否決にあたり、求める会としての声明を出していますので、ご覧下さい。
 http://www.hg-law.jp/file/131101%20seimei%20koukeiyaku.pdf


 否決の最大の理由は、私たちをはじめとした制定を求める運動が、業界団体の反対を乗り越えることができなったことです。業界団体の中でも最も強力に反対をしたのはビルメンテナンス業界です。札幌のビルメン業界は、ほとんどの労働者の賃金を最低賃金プラス1円にしています。不況の下でも、そうすることで利益を確保してきた業界です。公契約条例は、最低賃金プラス1円というビルメン業界の利益の源泉の変更を求めるものですが、それに対し、業界が強烈に反対をしてきたというのが、今回の公契約条例を巡る問題の本質です。
 日本が資本主義経済である以上、業界の利益と労働者の利益が対立するのはむしろ必然です。この対立を乗り越えるために、やれることをすべてやったのか?これが私たちの最大の反省点です。


 ここ何年間か、貧困問題に自分の活動領域をかなりシフトせてきましたが、今回の事件により、貧困問題の本質に改めて直面しました。
 求める会の声明にある通り、札幌市公契約条例の制定に向けて、今まで以上に頑張っていきたいと思っています。

奨学金問題対策全国会議のホームページが開設されました!

 弁護士の池田賢太です。

 当事務所の橋本弁護士とともに加入している奨学金問題対策全国会議のホームページ http://syogakukin.zenkokukaigi.net/ が開設されました!


 奨学金問題については、以前もこのコラムで紹介したことがあります。このホームページを見て、去る2013年7月7日に実施した札幌テレビ塔でのイベントに参加して下さった方もおられたように記憶しています。


 現在、私たちが直面しているのは、日本学生支援機構の奨学金です。現在、日本学生支援機構の奨学金では、債権回収会社、ブラックリスト、訴訟等までも利用した徹底した回収強化策を取っています。それによって返済ができない人に対する無理な取り立てが行われ、奨学金を返したくても返せない人が、経済的にも、精神的にも追い詰められています。


 しかし、このことは、決して日本学生支援機構だけではありません。私たちもまだ全容を把握しきれていませんが、高校生に対する奨学金でも同様の問題が起きています。高校生に対する奨学金も、かつては日本学生支援機構が行っていましたが、平成17年から各都道府県の高等学校奨学会に業務が移管されました。ここ北海道では、財団法人北海道高等学校奨学会がその役割を担っています。こちらからの回収も厳しくなっていると聞いています。

 奨学金問題対策全国会議のホームページでは、次のように自己紹介しています。
「わたしたちは、奨学金問題に取り組む全国組織として、奨学金返済問題に苦しむ人の相談・救済活動を行いながら、真に学びと成長を支える奨学金・学費の制度改革を目指す活動をつづけていきます。」


 奨学金の返済について、困ったことや相談したいことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの相談から、新たな道が開けるかもしれません。
 また、学生さんたちとともに、「北海道学費と奨学金を考える会(通称:インクル)」でも活動しています。インクルでは、法律問題に限らず相談を受け付けています。もしかすると、勉強や進学に対する悩みについても、現役の学生さんが答えてくれるかもしれませんよ。

 おひとりで悩まず、まずはご相談ください。

 奨学金問題対策全国会議 ホームページ
 http://syogakukin.zenkokukaigi.net/

裁判員裁判:検察官が控訴を断念、道内初の無罪判決が確定!

 弁護士の笹森学です。

◆暴れる弟を兄が押さえつけて窒息死させたという前回報告した傷害致死事件の裁判員裁判で、2013年10月7日に言い渡された無罪判決が「確定」しました。確定とはその判決がもはや争うことができない状態になり、そのとおり決まって動かせなくなるということです。被告人と検察官のうち、一審判決に不服のある者は14日間以内に高等裁判所に控訴という不服申立ができます。今回、被告人は無罪だったので控訴することはあり得ません。控訴する利益がありませんのでできないからです。控訴する側はもっぱら検察官でした。


◆通常、検察庁では、無罪をもらってしまった検察官が裁判経過などを報告し、起訴検察官や同僚検察官、上司の検察官も加わって無罪判決の検討会が行われます。これを「控訴審議」と言います。そこで議論をしてやはり判決はおかしいとなれば控訴するということになります。今回はどうだったのでしょうか?10月21日のテレビ報道によれば、検察庁では検討の結果「有罪を立証する新たな証拠を得ることは難しく、裁判員裁判で導き出された結果を尊重する」として控訴を断念したということです。同日の夕刊、翌22日の朝刊でも報道されました。


◆抵抗していた弟が身動きしなくなってからも興奮していたのでさらに10分間強く後頸部を押さえ付けていた、という被告人の自白。これが信用できるという証拠として検察官が取り調べを請求した取り調べの様子を録画したDVD。これを見た裁判員は自白が信用できない証拠だと判断しました。判決には、DVDの中で裁判員に疑問を生じさせたシーンが幾つも引用されていました。裁判員が市民の感覚で取り調べの様子を見て、自白が信用できないという結論を導き出した結果は大変画期的なことだと思います。密室の取り調べが、市民の感覚で断罪されたことに外ならないからです。私たち弁護人は、これこそが、まさに「取り調べの可視化」というものだと実感しました。


◆前のコラム(/news/archives/173.html)で、私は「裁判員が取り調べのDVDを見て自白の信用性を否定したこの判決に、さて検察官は控訴するでしょうか?」と書きました。今回、検察官は、まさに裁判員の判断を尊重せざるを得なかったのです。

担当した裁判員裁判で、道内初の無罪判決!

 弁護士の笹森学です。

◆2013年10月7日午後4時、札幌地裁刑事3部の加藤学裁判長が「被告人は無罪」と宣告し、法廷の全員が一瞬「ほう」という顔つきになりました。傍聴に来ていた私の担当の事務職員も「あらっ!」という感じで私を見やり、破顔しました。この事件をフォローしていなかった報道陣は色めき立ちました。道内で初めて裁判員裁判での無罪判決だったからです。
 皆さんも翌日の朝刊で「正当防衛で無罪 裁判員裁判で道内初」などの新聞記事をご覧になった方もおられると思います。


◆事件は2012年9月に札幌近郊の市のとある家庭で発生しました。精神的な病を悪化させていた弟から突然殴りかかられた兄の被告人が、自分の身を守ろうと暴れる弟の背中に馬乗りになり、首の後ろを強く押えたために顔を床に押し付けられた弟が窒息死した、として傷害致死罪で起訴されました。捜査段階から菅野亮弁護士が被疑者国選弁護人として付いており、私は起訴後に国選弁護人として選任され、菅野弁護士と協力して弁護に当たって来ました。被告人宅は両親との4人暮らしでしたが、事件当時は両親は外出し目撃者はおりません。弁護人は正当防衛が成立すると争いましたが、検察官は、起訴している事実は被害者が身動きしなくなった後も10分間首の後ろを押さえつけていた事実である、この事実によれば被害者の攻撃はないので正当防衛が成立する余地はない、と主張していました。


◆当然、被告人が被害者が身動きしなくなった後も10分間首の後ろを押さえつけていた事実があるかどうかが争いになりました。
被告人は、被害者の力が抜けた後は直ぐ手を離した、身動きなくなってから10分間も押さえ続けたことはない、と訴えていました。検察官は、被告人は起訴前の取り調べではそうだと自白しており、その自白は信用できる、その証拠として取り調べの様子を録画したDVDを提出して来ました。裁判所はそのDVDを証拠として採用、裁判の場で上映しました。傍聴人を含め、裁判員という普通の人々の前に生の取り調べの様子が白日のもとに晒されました。
私たち弁護人はこのDVDこそが無罪の証拠である、と訴えました。「ビデオを見て、どう思ったでしょうか?この人はホントは時間なんか覚えていないのではないか?最初言っていたことがホントではないか?もっとゆっくり聞いてあげたらどうか?結局わけが分からない、真実は分からないのではないか?などと思わなかったでしょうか?皆さまにそのような感覚があれば、その感覚を大切にして、被告人のことをよく考えてあげてほしい、と思ってやみません。」と。


◆DVDには、よく思い出せなくて困惑し、混乱している被告人の様子が如実に映し出されていました。「いやァ・・・どうだったかなァ」「動かなくなったので直ぐに手を離したのは覚えてるんですけど」「興奮していたのでずっと押さえていたかも知れない」「いや、興奮してたかなァ?」「最後の10分間のことを思い出して下さいってことですよね」など揺れ動く被告人に検察官も手を焼き、「そういうことなら警察で話したこととはどうなんだってことになってしまう」「整理するとね・・・で、・・・があるかないかということなんだ」「今のあなたの記憶でマックスの所を聞きたい」などと懸命に路線を戻そうとやっきになり、ついに「今言ったことがマックスということで聞いておいていいね」と話をまとめてしまった経緯が明らかでした。私たち弁護人は、裁判員の人も絶対に分かってくれると信じてやみませんでした。


◆裁判員の判決は、その揺れ動いて記憶が曖昧だと受け取れるシーンを指摘して、「被害者が死亡するに至るには被告人がどのような行動をどの程度の時間行ったかを被告人なりにつじつまを合うように考えて供述したために供述の変遷を繰り返した可能性が高く、(検察官調書は)信用できない」として、被害者が身動きしなくなってから10分間押さえ続けたという自白調書は信用できないと断じたのです。そして、それ以前の反撃は正当防衛と認められるとして無罪を言い渡しました。


◆被告人は捜査終了後に精神鑑定を受け、知的能力に劣る人であるとの判断を受けていました。私たちは繰り返し質問し、粘り強く本人の話を聞き、真実に近づこうと努力しました。菅野弁護士は最終弁論で「私は捜査段階から弁護人として就いていましたが、彼の能力に気づきませんでした。適切な助言ができていなかったかも知れません」と自己批判していましたが、捜査段階の自白を死守しようとした検察官の姿勢と比較して、立派な態度だったと思いました。ただし、判決は被告人の能力を問題とせず、いずれにしても記憶があったか疑わしいと判断したものでした。


◆裁判員が取り調べのDVDを見て自白の信用性を否定したこの判決に、さて検察官は控訴するでしょうか?

紙の鎧

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          【紙の鎧を身にまとう前の無防備な人】

 弁護士の橋本祐樹です。

先日、2013ユニオンフェア「労働組合って、けっこう凄いんです。」の中の企画「北海道青年フェスタ」で、労働法の基礎知識をレクチャーする講師をしました。
 場所は地下歩行空間(札幌駅からすすきのまで南北に通る地下街、通称チカホ)、時間は日曜日の昼下がり。
 お話をいただいた際は、「ここを通る人々が、こんな硬派なネタに立ち止まってくれるには、よほどの工夫が必要だな」と思いました。
 ところが、準備をする北海道の青年達は、寸劇を準備し、その中で労働法の問題点を指摘するという、道行く人が立ち止まりやすい工夫をしていました。
 そこで、私も、「労働法って言われても、何だか難しそう」と敬遠されないように、レクチャーする際に工夫をしました。見ただけでイメージしやすいように、「無防備な人」に「鎧」を着せて行こうと考えたのです。「無防備な人」とは、社会に出るまで労働法の教育を受けていない普通の若者で、「鎧」とは、労働者を保護する各種制度・規定です。
 寸劇は、青年達の力がとても入ったもので、実話も交えてリアリティとエンターテインメントを織り交ぜた堂々たる仕上がりでした。「働きはじめのプレッシャー」「職場で働くプレッシャー」「職場で事故に遭った際のプレッシャー」「雇い止めのプレッシャー」「美容室はてんてこ舞い」などのテーマの問題を分かりやすく、あぶり出してくれました。
 「働きはじめのプレッシャー」では、労働条件明示義務(労働基準法15条)の話をして、労働者が身を守るために労働条件を知ること、契約書の交付を求めることが重要だと話しました。そして、手に持って説明していたメモを「鎧」に見立てて、「無防備な人」に貼っていきました。
 「職場で働くプレッシャー」では、どういう場合がパワハラと言え、どういう対処がありうるかを説明し、「職場で事故に遭った際のプレッシャー」では、労災に遭ったときの対処、その他産休や育休についてもお話ししました。「雇い止めのプレッシャー」では、雇い止めをする際の面談の在り方、解雇の要件などについて説明し、「美容室はてんてこ舞い」では、残業代や最低賃金について、お話をしました。お話をする際に持っていたメモは、全て「鎧」として「無防備な人」に貼られて行きました。働き始め、働いている最中、仕事を辞めるとき、それぞれの過程での問題点についての話が全て終わる頃には、「無防備な人」の体は労働者を保護する各種制度・規定を書いたメモの「鎧」で覆われていました。
 日本の教育課程では、労働法の知識を学ぶ機会はありません。だから、社会に出て、使用者が違法なことをしてきても「社会ってそんなもんなのかな」と思い、我慢してしまうのです。そして、その人が労働法を学ぶ機会を得ないまま「社会人」として育ってしまうと、自身も、他の若者に対して「それが社会の在り方ってもんだよ」と違法なことを受忍させようとしてしまうのです。そういう意味では、労働法を学ぶことは、自身を守るという側面のみならず、他者への責任という側面もあるのではないかと思っています。
 日曜日の昼下がり、繁華街への道すがら、紙の「鎧」を着た元「無防備な人」を見た若者が、少しでも労働法に関心を持って頂けたら、とても嬉しいです。
 今回の企画を通して、若い人にもっと労働法を知ってほしい、労働法を知って身を守ってほしい、そして疑問に思ったら相談してほしい、と思いました。

何としても実現!公契約条例集会

 弁護士の渡辺達生です。

 先日、公契約条例の制定を求める10万人署名のことをこのコラムに書きました。
 先日のコラムは、こちら→ /news/archives/168.html

 札幌市において公契約条例の制定を求める市民の強い意志を社会的に強力にアピールするために、10万人署名の提出と合わせて、下記の日時・場所で市民集会を行います。
「なんとしても実現!!  公契約条例集会」
  日時 9月13日(金) 開演18時30分 開場18時
  場所 自治労会館5階大ホール(北6条西7丁目)

 チラシもご覧ください。http://www.hg-law.jp/file/130913%20nantoshitemojitsugen.pdf

 札幌市の公契約条例もよいよ正念場です。
 是非、皆さん、ご参加ください。
 よろしくお願いします。