北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

おせんべいを食べながら ー 弁護士も仕事と家庭の両立を大切に

 おせんべいを食べながら
   ー 弁護士も仕事と家庭の両立を大切に

 弁護士の三浦桂子です。
 私は、日弁連の男女共同参画推進本部の委員をしており、先日、札幌で釧路・函館・旭川・札幌の弁護士が集まり意見交換しました。

 多くの女性弁護士が求めているのは、育児期間中も弁護士の仕事を続けながら、出産後1年くらいはゆっくりペースで仕事をしたり、育児休暇をとれるようにしたいという点です。
 また、弁護士会の会議の多くは夜に開催されていますが、育児中の女性弁護士も参加して意見を出しやすいように、保育園に子供を預けている昼間の時間帯にする工夫も必要です。

 当日は、気兼ねなくおしゃべりできるように、お茶菓子(私の大好きな小樽「みどり屋」のおせんべい)を用意しました。遠方から参加された男性弁護士は、「男女共同参画」と聞くと固いイメージと思っていたが、和やかな雰囲気で安心した、地元でも色々考えていきたいと感想を述べていました。

 何よりの収穫は、男性・女性を問わず弁護士会全体で出産育児をしながら働く弁護士に優しい目を持つことが確認されたことでした。

「18歳から考えるワークルール」

弁護士中島哲です。

共著ですが、労働法の本を出版します。
「18歳から考えるワークルール」という題名で、
今月末に法律文化社から出版になります。

大学新入生向けに、労働法の基礎を解説する本になっていますので、一般の方でもわかりやすい内容になっているかと思います。

ぜひ、機会があればお手にとってお読み下さい。

お盆がくると思い出すこと。

お盆がくると思い出すこと。

弁護士の安部です。

 お盆の時期になると、数年前に他界した母方の祖父のことを思い出します。
 大正10年生まれの祖父は、戦争経験者でした。
 生前は、よく、第二次世界大戦中に、航空隊として徴兵されてジャワ島に行かされていた話を聞きました。
 ジャワ島で祖父の所属していた部隊では、戦闘機に乗る時は、軍服の胸ポケットにお気に入りの香水の小瓶を入れておき、戦闘で亡くなってしまったら、胸ポケットの香水をかけてあげることになっていたそうです。
 この話を聞くと、若者達が、日常的に常に「死」を意識していたことが分かります。

祖父の妻である祖母は、今月84歳になりますが、とても元気で、札幌で暮らしています。
昭和3年生まれの祖母もまた、戦争経験者で、当時は豊川にある海軍工廠(こうしょう)で働いていました。
海軍工廠とは、戦争に用いる機銃や弾丸、信管を製造する工場で、豊川海軍工廠は、東洋一の規模だったそうです。
 今回このコラムを書くにあたり、ネットで豊川海軍工廠について調べたところ、工廠が壊滅した昭和20年8月7日の爆撃の際に、空襲警報や総員退避命令が出たかどうかが議論になっているとあったので、祖母に聞いてみたところ、「退避命令出たよ。まあ、おえらいさんがみんな逃げちゃった後だけどね。」とのこと。祖母の言うのが、上述の爆撃のときのことなのか、別の爆撃のときのことなのかは定かではありませんが。
 また、祖母が言うには、豊川海軍工廠にあった防空壕には屋根がなく、単に地面を掘っただけなので、空襲で防空壕に避難している間は、空で戦闘機が撃ち合うのが見えたり、近くに爆弾が投下され、土砂などが頭の上に降ってきて、生きた心地がしなかったそうです。
 空襲のさなかに工廠から帰るときなどは、いつ爆撃されるか分からない恐怖の中、空の様子を見ながら走ったことなど、今でもたまに話してくれます。
以前、祖母と一緒に豊川にある豊川稲荷に行ったとき、戦争の慰霊碑のところで、祖母は、そこに刻まれた名前のいくつかを指さし、「この子は友達だった。」、「この子とは仲良しだった。」と言い、最後に、「みんな戦争で死んじゃった。」とつぶやいていました。

 祖父は、最後まで戦争のことを覚えていましたし、祖母も、今でも生々しい戦争の記憶があるようです。
 祖父母の話を思い出すたび、悲惨な結果しか生み出さない戦争などというものが二度と起こらないようにと願わずにはいられません。
 世界平和を祈念しつつ、今年のお盆を過ごそうと思います。

「命の雫」裁判〜北海道における自衛官人権裁判〜

山田です。

私が弁護団の一員として取り組んでいる「命の雫」裁判の現状をご報告します。

1 「命の雫」裁判とは
 平成18年11月21日、当時20歳だった沖縄出身の自衛官亡島袋英吉君が、初任地として赴任した陸上自衛隊真駒内基地内で、徒手格闘訓練中に死亡したことについて、国の責任を問う裁判です。
 遺族は、なぜ希望に溢れていた息子が命を落としたのかを明らかにするべく、英吉君の生涯の軌跡を『命の雫』(文芸社)と題する書籍にまとめ、出版しました。「命の雫」裁判は、この書籍の題名から名付けられました。

2 本裁判の争点
 本裁判の争点は、大きくは次の2点です。
(1) 命の危険性が極めて高い徒手格闘訓練において、英吉君は、十分な受け身の訓練を受けず、攻撃から身を守る方法を知らないまま、繰り返し投げ技や当て身技を受けて死亡した点につき、訓練に関与した当事者らに、安全配慮義務違反が認められるか
 なお、関与当事者らを不起訴とした刑事処分については、検察審査会が「不起訴不当」の議決を下しています。
(2) 英吉君の遺体に、致命傷となった脳損傷のみならず、肋骨骨折や肝臓損傷等の訓練によるものとは思えない外傷が多数みられた点について、訓練に関与した当事者らが、訓練とは名ばかりの「暴行」を加えて死亡させたのではないか

3 弁護団は、上記争点について、関与当事者(自衛官3名)に加え、医師や格闘家らを証人として尋問すること等により、国の責任を立証したいと思います。
 裁判は、いよいよ、証人尋問を控え、山場を迎えています。
 札幌で起こした本裁判は、遠く離れた英吉君の故郷である沖縄でも、本裁判を支援する会が結成され、多くの方々に注目していただいています。
 前回の裁判期日においては、全国から寄せられた公正な裁判を求める旨の3300筆を超える署名を裁判所に提出しました。

4 次回期日は、10月15日(月)午前10時30分〜です。
 次回期日では、証人尋問に向けて具体的な準備を進めることになると思われます。

 興味のある方は、是非、傍聴にいらして下さい。

カルテに思うこと

 カルテに思うこと

 弁護士の香川志野です。
 弁護士の業務の中で、お医者さんが書くカルテ(医療記録)を見る機会は多くあります。医療過誤が問題となるケースではもちろん、交通事故や暴行などで傷害を負い損害賠償請求をするケースなど、様々な場面で登場します。日本語で書かれているだけでもありがたいとは思うのですが、専門用語が飛び交い、おまけに達筆なこともあって、読み解くのはなかなか大変です。
 さて、私がカルテを多く目にするのが、B型肝炎訴訟です。私は北海道弁護団の一員として、現在、数十名の原告・提訴希望者の担当をしています。平成23年6月28日に成立した「基本合意」(H24.6.28のコラムもご覧ください)の中に、和解のための条件が定められており、原告は、過去の治療期間中のカルテを提出することになっています。全ての治療期間ではなく、例えば持続感染判明時から1年間とか、入院中のカルテというように限られた部分しか提出しないのですが、それでも、私の元に届く記録の量に愕然とすることがあります。1回の通院について、お医者さんが記録するのはわずか数行のことも多いですし、1ページに何回分もの検査結果が貼り付けられていることもあります。それでも、こんなに厚い記録になってしまうなんて…。記録には現れない毎日の中にも、どれほどの苦しみがあったのか、想像を絶するものがあります。和解ができても苦しみが消えるわけではありませんが、救済される人が少しでも増えて欲しいですし、私にも何かお手伝いができたら…。そのようなことを思いながら、カルテのページをめくっています。
 

「原発再稼動反対!」の抗議行動

 「原発再稼動反対!」の抗議行動

 事務局の柿田泰成と言います。
 みなさん、ご存知知ですか?
 いま、毎週金曜日の夕方、道庁北門前では「原発再稼動を許さない!」と、仕事帰りの人、大学生、高校生、主婦、子ども連れたお母さんらによる抗議行動が取り組まれ、夜のとばりが下りるにつれ、抗議の声は、それに見合うようにウェーブとなって高まり、駅前ビル街に響きわたっています。
 この行動は、東京の首相官邸前で行なわれている原発の再稼働反対の抗議活動に呼応して、札幌でも行なわれており、私は、7月13日の2回目、そして20日の3回目にも参加しました。
 道庁前に向う道すがら、どんな人たちが集まるか想像もつかず、だがしかし、こんななし崩し的な政府や電力会社のやり方に怒り心頭なのは私だけでなく、多くの人々が同じ想いで“繋がれている”筈だと、道庁北門へと向いました。
 さて、この集まりには正直色んな人がいます。さきほども紹介しましたが、仕事帰りのスーツ姿の方、学生の方、子ども連れの家族、一見何の仕事をされているのかよくわからない方、若い方の参加が多いようですが、年齢もバラバラです。
 前回には、原発を勉強中だと参加した中学生。今回は、原発と自分たちの生活とは相容れない存在であること、今なお悲惨な事態が続いており、ただちに原発をとめてほしいと訴える高校生。というように、知らない人ばかりでしたが、2時間ほど「再稼働はーんたい」と一緒に声を出してきました。
 今原発を再稼働するのはおかしいと考え、でも、集会に参加するのはちょっとね、と二の足を踏んでいる皆さん、先ずは道庁北門に出かけて、その様子をご覧になりませんか。

はじめての少年事件

橋本祐樹です。コラム初執筆です。
先日まで少年事件を担当していました。登録後半年で刑事事件の経験も少ないのに少年事件だなんて、それも一気に2件も…
正直、これまで少年法を勉強したのは司法修習中に講義を受けたくらいでした。ですので、色んな本を読み、勉強しながら、少年に会いに行きました。
少年には時間が許す限り会いに行って、色んな話を聞きました。事件の解決に必要なことも、不必要そうなことも…
少年は、大人振ろうとする一方、幼くあどけない表情を見せるときもありました。私は、「今ここでこの子がちゃんとやり直せるように、できる限りのことをしよう」と思いました。弁護士として、ちょっとおせっかいなお兄さんとして…
親御さんに何度も会いに行き、今後の話をしました。学校にも行き、先生ともお話しました。調査官や裁判官にも会いに行きました。
関係する全ての人が一生懸命でした。周囲の大人のこのような努力を理解してもらいたくて、少年にも伝えました。
少年は真剣に私の話を聞いてくれました。そして少年は、しっかり反省し、周囲の努力に感謝し、前向きに生きていこうと考えるようになりました。
このような姿勢は裁判官にも伝わり、少年にとって良い処分になりました。
今回の事件を通して、事件の処理の仕方だけでなく、子どもをめぐる環境の大切さや家族の絆の強さを学びました。
いつか、少年たちが素敵な大人になって私の前に現れてくれたら嬉しいなと思います。

弁護士になって半年が経ちました!

弁護士になって半年が経ちました!

 弁護士の池田賢太です。
 弁護士になってから、半年が経過しました。ようやく半年といった気持ちであり、もう半年といった気持ちです。
 前回コラムを執筆された渡辺先生のように、世間の耳目を集める事件を紹介するには至りませんが、ご縁があって受任に至った事件一つひとつが、私にとってかけがいのない事件です。丁寧に事件処理をしていこうと考えています。
 他の15人の先生の個性に、ほんの少し私の個性も加えて、当事務所の魅力をアップさせたいと思っています。
 皆さんの悩みにできる限り寄り添ってお応えしたいと思っています。
 取りとめのない挨拶になってしまいました。次回登場の時までには、少しでも成長した姿をお届けしたいと思います。

滝川生活保護不正支給住民訴訟

 滝川生活保護不正支給住民訴訟

 渡辺です。
 私も代理人の一人として取り組んでいる「滝川生活保護不正支給住民訴訟」の現状についてご報告します。

1 事件の概要
 この1月ほど、芸能人の親族が生活保護を受給していたこと等で生活保護のことが話題になっていますが、平成18年3月から平成19年11月までの約1年半の間に、ある生活保護受給者(K夫婦)が、滝川から札幌の病院に通院するための移送費(タクシー代)として、2億3000万円を滝川市に支出させ、そこから1億円近い金額をタクシー会社から還流を受けていたという事件を覚えているでしょうか?

2 滝川市の杜撰な対応
 この事件については、K夫婦が詐欺の加害者で、滝川市が詐欺の被害者ということになりますが、市民の面からみれば、滝川市が余りにも安易に多額の移送費を支出したために、被害額が極めて多額になっており、滝川市にも加害者的な面が多分にあります。
滝川市の住民がその点を問題にし、平成20年に住民訴訟を提訴しました。裁判所の構成が変わったこと等があり、予想していた以上に時間がかかったのですが、この春から、証人尋問を行い、これまでの2回の期日で、担当のケースワーカ、査察指導員、福祉課長、福祉事務所長の尋問を行いました。この事件には、多数の論点があるのですが、この間の尋問で、次のような極めて杜撰な滝川市の対応が明らかになりました。
 滝川市から札幌市までのタクシー料金を業者の言われるままに、1回25万円〜45万円という料金を認める(基本料金が25万円、通院先の病院が1件増えるごとに5万円の上乗せで、最高5つの病院に通院しています)のですが、その会社のホームページには貸し切り制の料金があり、それであれば、8時間で約11万円、12時間でも約17万円と書いているにも関わらず、貸し切り制の料金を検討すらしていません。
 また、当初からこの移送費は、会社名義の口座ではなく、代表者の個人名義の口座に送金されていましたが、平成19年5月には、税理士でもある監査委員から、送金されている口座が個人名義の口座であるということは会社の売上計上されておらず、そこからK夫婦に資金が還流している可能性があるとの指摘がなされた後も、「そのようなことがあるとは思わなかった。」と滝川市の全員が思いこみ、その後も個人名義の口座に送金を続けています。

3 次回期日〜市長の尋問〜
 次回期日には、9月12日(水)午後1時30分から、札幌地裁701号法廷で行います。ここで、よいよ、当時の市長の尋問になります(この時の市長さんは、この事件の後の選挙で落選してしまいました)。私もこれまで何件も住民訴訟をしてきましたが、市長の尋問をやるのは初めてです。このような杜撰な対応に対し、市長がどのように対応していたのかを、是非、明らかにしたいと思います。
 興味のある方は、是非、傍聴にいらしてください。

「労働判例」に掲載されました(弁護士中島の労働事件簿6)

弁護士中島哲です。

私が担当した北海道宅地建物取引業協会事件の判決(札幌地裁平成23年12月14日)が、労働判例1046号に掲載されました。

1年契約の契約職員の1回目の更新拒否(雇い止め)を無効とし、嫌がらせ的な懲戒処分に、慰謝料請求を認めた判決で、いずれも前例がそんなに多くはない、画期的と言っていいものだと自負しております。