北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

奨学金問題対策全国会議を設立


 弁護士の橋本祐樹です。

 「奨学金」と聞いて、「大学に通う際に奨学金を利用した」、「育英会って聞いたことあるなぁ」、などみなさん様々思うことがおありだと思います。
 しかし、この「奨学金」が高い学費と回収強化策と相まって、若者とその家族の生活を苦しめていることをご存じでしょうか?

 私は、司法修習生の給費制の復活を求める活動をしていく中でも、似たような構造にある奨学金問題に関心をもつようになりました。
 奨学金問題と司法修習生の貸与制とは、受益者負担という誤った理由で国が責任を放棄したため、教育の機会均等を損ね、結果的に能力ある若者や権利の守り手などの社会的資源を活用するという社会・国民の利益を損ねる点で共通しています。

 「奨学金」と言われていますが、本来の奨学金は給付制(=返済の必要がない)を意味します。今の日本の「奨学金」は、貸与制(=返済の必要がある)である点、さらにその約75%が有利子である点で、およそ「奨学金」とは言えず、単なるローンなのです。
 「奨学金」については、このような制度の根本的問題、「奨学金」に頼らざるを得ない学生を取り巻く問題、卒業後の返済をめぐる問題など、たくさんの問題があります。
 弁護士は、卒業後の返済についての問題に着目し、札幌でも奨学金ホットラインが2度実施され、返済に困っている元学生本人や連帯保証人の年老いた親などからの相談を受けました。
2月に日弁連が実施した奨学金返済問題ホットラインには、全国で453件の相談がありました。
 借りたくなくても借りざるを得ない奨学金、返したくても返せない奨学金…「奨学金」は、もはや個人の負担として放置できない社会問題になっているのです。

 このような背景から、奨学金問題の研究者、奨学金問題に取り組んできた労組関係者、教育関係者、弁護士、司法書士などが中心となって、奨学金問題対策全国会議を設立することになったのです。

 3月31日に東京で開催された奨学金問題対策全国会議の設立集会「真に学びと成長を支える奨学金を目指して」には、約200名の参加があり立ち見が出るほどで、またマスコミも10社が取材にくるなど、関心の高さが表れていました。

 ここまで読んで、「おれのころの奨学金とは事情が違うようだなぁ」と思われている方も多いと思います。
 具体的な違いについては、to be continued…
 (本日から4日間、奨学金問題について連載します。)

命の雫裁判、勝訴判決の意義

 弁護士の佐藤博文です。

 2006年11月に札幌の自衛隊真駒内基地で起きた徒手格闘訓練死事故(被害者は沖縄出身の20歳の青年)の損害賠償請求事件について、3月29日午後1時15分より、札幌地裁で判決言い渡しがありました。
 自衛隊の海外派兵・地上戦が現実化する中で強化されてきた徒手格闘訓練は、急所を素手で打撃するなどして相手を殺傷するというものです。弁護団が行った情報開示請求により、航空自衛隊では「業務事故」の半分が徒手格闘訓練だということが判明するなど、重大事故が多発しているものです。
 この危険性について、裁判所は「訓練に内在する危険」と述べ、訓練自体の危険性を司法が初めて認定し、部隊の責任を明確に認めました。
 自衛隊の戦争向けの実戦的訓練にブレーキをかけ、自衛隊員の生命・身体をまもる大きな力になる判決です。私のもとには、さっそく現職自衛官から歓迎のメッセージが届きました。

 原告としては、国に控訴を断念させ、全国の自衛隊で多数発生している徒手格闘訓練事故の検証と中止を求めていきます。実はすでに海上自衛隊では、2008年に起きた広島・江田島基地の徒手格闘訓練に名を借りた暴行死事件を契機に、徒手格闘訓練が中止されたという経緯があります。

 なお、判決後に弁護団として声明を出しておりますので、ぜひご一読ください。
 声明:/news/archives/125.html

 

当事務所は東京の債務整理専門事務所とは何らの関係もありません。

弁護士中島哲です。

札幌市内にお住まいの方、最近、新聞の折り込みチラシで、よく、東京の法律事務所の債務整理相談会の広告が入っていませんか?

昨日、ある相談者の方から、東京の某事務所の相談会で相談しようと思って電話をしたところ、債務整理以外の相談はその事務所ではやっていないという理由で、北海道合同法律事務所を紹介された、というお電話を頂きました。

当事務所としては、その事務所から何ら依頼者の紹介を受けるような関係にありませんので、一同、驚いております。

いかなる形であれ、当事務所と繋がって、ご相談頂くことはありがたいことだと思いますが、そういった北海道で債務整理の相談会を開催するようないわゆる債務整理専門の法律事務所と当事務所とは何らの関係もありませんので、ご注意下さい。

また、債務整理相談は、もちろん当事務所でも受け付けております。
以下のコラムなどもご参照下さい。
/news/archives/49.html

ウインタースポーツの思い出

 弁護士の安部です。

 道路の雪もとけ始め、足元の悪い時期になりました。ウインタースポーツが楽しめるのもあと少しですね。

 私は、高校を卒業するまでは本州にいたので、北海道に来て初めて、根雪や雪どけというものを体験しました。
 ウインタースポーツなどもこちらに来てから始めたのですが、スキーは高校の修学旅行で体験したことがあります。
 3泊4日の修学旅行だったのですが、観光などは一切なく、とにかくずっとスキーをやるというもので、修学旅行というよりスキーの強化合宿のようでした。
 しかも、修学旅行中に風邪が流行り、生徒は皆同じ部屋で寝泊まりしているためにあっという間に風邪が蔓延し、200名以上が旅行先のホテルで寝込むという大惨事になりました(新聞にも載りました)。
 幸い私は風邪をひかず、元気に過ごすことができましたが、本当に大変な修学旅行でした。
 ちなみに、学校側が懲りたのか、翌年から修学旅行先が広島観光に変更になったそうです。

 暖かくなったとはいえ、まだ気温が低い日が続きます。
 皆さまも体調にはお気を付け下さい。

卒業式の思い出〜知的障害を持ったとP君のこと〜

 弁護士の安部です。

 3月まであと1ヶ月ちょっととなりました。
 3月は卒業式のシーズンですが、卒業式といえば、私は、中学校の卒業式が一番記憶に残っています。

【小学校の頃】
 中学校の卒業式の話をする前に、少し、小学生の頃の話をさせて頂きます。

 小学生の頃、同じ学年に知的障害をもつ男の子(仮にP君とします。)がいました。養護学級などはない小学校だったので、P君は、私達と同じ教室で学んでいました。
 しかし、授業についていけなくて面白くないのか、授業中、P君は校舎内や校庭を1人でうろうろしていることが多く、先生達もそれを黙認していました。
 小学生だった私は、授業を受けずに自由にできるP君をうらやましいと思ったこともありましたが、今思うと、P君は、本当は私達と一緒に教室で勉強をしたかったのではないでしょうか。
 というのも、体育や図工、音楽など、P君でも参加できる科目の授業は、P君はとても楽しそうに出席していましたし、休み時間なども、P君はとても明るく、楽しそうだったからです。しかし、そんなP君が、1人で校舎内をうろついているときは、驚くほど無表情になるのです。
 できるなら、学校側が、算数などの時間にもP君が教室にいられるように、P君でもできる問題を特別に与えるなどして、P君がみんなと一緒に勉強できる環境を整えてあげるべきだったのでしょうが、当時、そのような配慮はありませんでした。
 P君が、毎日どんな思いで学校に来ていたのか、今では知る術もありません。

【中学校進学】
 その後、P君と私は同じ中学校に進学しました。
 中学校でも養護学級などはなかったので、P君は普通のクラスで生活していました。
 小学校が2クラスしかなかったのに対し、中学校は1学年で約20クラスという、いわゆるマンモス校だったため、中学に進学してからは、P君と会うことも、P君の噂を聞くこともなくなりました。
 ごくたまに、登下校時、遠くに1人で歩くP君を見かけることはありましたが。
 そんな状態だったため、中学校を卒業するころには、私は、P君のことを思い出すこともあまりなくなってしまっていました。

【卒業式】
 そして、中学校の卒業式の日。
 校長先生の挨拶になったとき、ふいに校長先生が、「P君は毎朝、誰よりも早く学校に来て、職員玄関で先生達全員にスリッパを出し、そして、先生達の靴を下駄箱にしまってくれました。P君は、毎朝、笑顔で、元気な声で挨拶もしてくれるので、先生達は毎日を気持ちよく過ごすことができました。ありがとう。」とP君を名指しで誉めたのです。
 それまでの学校生活で、私の知る限りでは、P君が全校生徒の前で誉められたことはありませんでした。そんなP君や、P君のご両親にとって、卒業式という晴れ舞台でのこの校長先生の言葉は、どんなにかうれしい出来事だったでしょう。
 この日、校長先生が名指しで誉めたのはP君だけでした。

 今なら、このようなことをすれば、えこひいきだなどと言って怒られてしまうこともあるかもしれません。
ですが、私はこの校長先生のはからいは、とても素敵だったと思っています。
 P君にとって、学校生活が楽しいものであったかどうかは私には分かりませんが、少なくとも、この卒業式は、P君にとって誇らしい思い出になったのではないでしょうか。

 子を持つ親になった今、全ての子ども達にとって、学校生活が心から楽しいものになるように願わずにはいられません。
 子ども達が毎日笑顔で過ごせるよう、私達大人が頑張っていきたいと改めて思っています。

地域司法対策委員会の活動(その2)

 弁護士の川上有です。

【前回の復習】
 前回に続き、私が所属する札幌弁護士会地域司法対策委員会の活動について書いてみたいと思います。前回お書きしたとおり、札幌弁護士会の管内の自治体は、かなり特殊な状況にあります。全61自治体のうち、弁護士がいる自治体は17で、不在自治体が44です。そして、弁護士不在自治体のうち、人口が3万人以上の自治体は石狩市のみであり、31自治体が人口1万人未満という極めて人口少ない自治体です。
 このような自治体に弁護士が事務所を構えることは考えられません。そもそも事件が少なく、業務として成り立たないからです。
 しかし、そのような自治体の住民の方の中にも、法律問題を抱えている方が必ずいます。そのような方々が弁護士に相談できる体制をどのように作るか、これが札幌弁護士会の地域司法対策委員会の課題です。

【これまでの取組】
 札幌弁護士会は、法律相談センターという法律相談を受ける場所を作ってきました。最初は札幌だけだったのですが、滝川市(中空知法律相談センター)、岩見沢市(南空知法律相談センター)、岩内町(しりべし弁護士相談センター)、新ひだか町(ひだか弁護士相談センター)、小樽市、室蘭市、千歳市、浦河町、えりも町、様似町、日高町に開設してきています。
 また、日弁連、北海道弁護士会連合会、札幌弁護士会が共同して開設したひまわり基金法律事務所が、新ひだか町、岩内町、倶知安町にあります(室蘭市にもひまわり基金法律事務所がありましたが、その弁護士が室蘭市に定着したことによりひまわり基金法律事務所としてはなくなりました。)。このひまわり基金法律事務所というのは、開設費などを全国の弁護士から徴収した特別会費によって拠出して弁護士過疎地に法律事務所を開設するという運動として行ってきたものです。
 さらに、北海道弁護士会連合会は、すずらん基金特別会費というものを全道の弁護士から徴収して、すずらん基金法律事務所という事務所を開設しました。これは、全道のひまわり基金法律事務所に赴任する弁護士や、弁護士不在、偏在地域に事務所を開設する弁護士を育成するための事務所です。札幌弁護士会管内では、これまで、ひだか(新ひだか町)、浦川、岩内、倶知安の各ひまわり基金法律事務所の所長弁護士を輩出している他、室蘭市、登別市に事務所を開設する弁護士を育成してきました。
 そして、札幌弁護士会は、弁護士がいない自治体や社会福祉協議会からの委託を受けて、法律相談を実施することも行ってきました。具体的には、砂川市、恵庭市、北広島市、余市町、栗山町、夕張市、倶知安町で行っています。

【今後の方向性】
 このように、札幌弁護士会は、地域司法についてとても積極的に取り組んできたといえると思います。しかし、これでもまだ十分とはとてもいえません。弁護士不在自治体の方々には、これらの法律相談センター、自治体・社会福祉協議会の相談会実施自治体での相談、ひまわり基金法律事務所やその他の地方で開設した法律事務所まで出向いてもらわなければならないという状況にあるからです。自分が住む自治体で法律相談を受けられる体制、これがどうしても立ち後れているといわなければなりません。また、自治体相談が行われている自治体でも、数ヶ月に一度とかせいぜい1ヶ月に一度の法律相談会しか行われておらず、すぐに相談したいという方々の需要に十分に応えうる体制にあるとはとてもいえません。
 そこで、地域司法対策委員会は、平成23年度から、弁護士不在自治体における高い頻度での法律相談会を一つの柱とした運動を展開することにしました。
 その具体的な内容や現状などは、次回に。

教育論議における『日本の常識は、世界の非常識』

 教育論議における『日本の常識は、世界の非常識』

 弁護士の佐藤博文です。
 昨年、日弁連憲法委員会の一員として、6月の日弁連イギリス教育実態調査、10月の日弁連人権擁護大会教育分科会に参加した私は、教育論議における『日本の常識は、世界の非常識』を実感した1年でした。

 日本の子どもの実情を表すデータがあります。ユニセフ・イノチェンティ研究所の調査(2007年)によると、自分を「孤独」と感じる子どもが、日本が29.8%で断トツの1位、2位がアイスランドの10.3%ですから実に約3倍。イギリスは5.4%。子どもの幸福度世界1位と言われるオランダは2.9%で日本の10分の1です。

 傷つかないためには  気づかないこと
 傷つかないためには  感じないこと
 傷つかないためには  見ないこと
 傷つかないためには  言わないこと
 傷つかないためには  聞かないこと
 傷つかないためには  望まないこと
 傷つかないためには  諦めること
 傷つかないためには  装うこと
 傷つかないためには  自分を見せないこと
 これは、現代の子どもの「生きづらさ」を表現した記述です。おとな社会の「生きづらさ」そのものではないでしょうか。これを深刻であると認識し、変えようとする問題意識を持たずして「教育」や「子ども」を論ずることはできないと思います。

 日本の子どもの学力低下も問題とされています。PISA(OECD生徒の学習到達度調査)の国別順位で、日本はかつて1位だったのに、今や読解力15位、数学的リテラシー10位と落ち込んでおり(2006年)、深刻だと。ちなみに1位はフィンランドです。
 そこで日本では、2007年から全国一斉学力テストの再開、学校評価制度の導入、教育職の階層化(管理統制の強化)が行われました。学校、教師、生徒に目標を課して競争させれば成果が上がるという発想です。2006年9月に「教育再生」を掲げて政権についた安倍首相の目玉政策でした。
 しかし、学力世界1位のフィンランドには、全国一斉学力テストがありません。PISAの順位向上と教育への競争主義の導入を掲げた英サッチャー政権の「教育改革」は失敗に終わり、政権交代しました。
 学力は、体力や運動能力、芸術性、協調性など多様な人格の一側面にすぎず、他の側面と相乗的に発展するものです。自由で多様な、そして自主的、批判的精神に満ちた全人格的な教育こそが真の教育であり、それが「世界の常識」だと確信しました。

 昨年の総選挙で再登板した安倍首相は、サッチャー教育改革の信奉者であり、自民党の仲間と共にイギリスに行き「サッチャーに学ぶ教育正常化への道ー英国教育調査報告」(2005年4月PHP研究所発行)に登場しています。安倍氏は、新年早々に再び「教育再生実行本部(仮称)」設置を掲げましたが、これ以上日本の子どもたちを何処に導こうというのでしょうか。

                                                       2013.1.7記

明けましておめでとうございます

 新年明けましておめでとうございます

 2009年8月の総選挙で、自民党政権による新自由主義・構造改革の非情さに痛めつけられてきた国民は、自民党に見切りをつけ「政権交代」を実現しました。
 あれから3年4か月経った今回の総選挙。今度は、新自由主義批判のマニフェストを捨てて、消費税引き上げ、TPP交渉参加、日米同盟強化、原発維持など国民に痛みを押しつけた民主党政権に代わり、政策的には何も変わらない自民党へ再び「政権交代」させました。
 しかし、今回の総選挙の投票率は史上最低の59%。自公で3分の2の議席を取りましたが、得票率は4割にすぎません。棄権した4割、自公に投票しなかった6割を合計すると、実に76%の国民が自民党政権に投票していないことになります。
 選挙は「ゼロ・サム」ゲームではありません。この圧倒的多数の「民意」こそが、今後の自民党政治、今年7月の参議院選挙を左右することになります。
 ミラン・クンデラ(チェコ生まれの作家)は言いました。「記憶し続けること、憶えているということが、弱い民衆の武器である。我々が抵抗する唯一の武器は、記憶すること、決して忘れないこと。」
 私たちは、皆様と一緒に、自由で平和な社会、人権が尊重される豊かな社会を作るために、努力していく決意です。
 今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

                               2013年1月
                                    北海道合同法律事務所一同

渡島信金・昇格差別争議/道労委が救済命令

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 2012年11月25日付金融労連(全国金融労働組合連合会発行の新聞)に渡島信金の昇格差別争議における北海道労働委員会の救済命令の記事が掲載されましたので,転載いたします。本件は,当事務所の長野順一,佐藤博文が代理人を務めております。


 ≪島信金・昇格差別争議/道労委が救済命令≫

 11月15日、北海道労働委員会は、渡島信金の中原委員長への昇格差別を不当労働行為と認定する救済命令を出しました。命令交付には、金融労連北海道地協から佐藤中執と渡島信金・加藤さん、ユニオン柴田さん、小樽信金OBの土肥さんが応援にかけつけました。
 中原委員長は、現在、勤続38年、56歳、組合三役を28年勤めています。通常30歳前後で代理職以上に昇格するものが増えるなか、これまで一度も事務職C級から昇格しないという、明らかな差別を受けてきました。
 特に平成9年、伊藤理事長が就任した時期から、組合つぶし攻撃が激しくなり、中原委員長に対する差別的取扱が続いてきたとして救済を求めていました。
 救済の内容は、申立日から一年前までにさかのぼって、①平成21年4月1日付で、事務職C級から管理職D級に昇格させ、昇格後の資格に対応する職位を付与したものとして取り扱え、②前項で命じた取扱いにより、平成21年4月1日から受け取るはずの給料及び賞与の差額を支払え、③中原委員長を昇格させず、かつ資格に対応する職位を付与しないことにより組合の運営に支配介入してはならないと命じ、陳謝文の10日間の掲示も命じています。
 同日の報告会には、報道機関の記者やカメラも入り、その中で、弁護団の長野弁護士が「組合役員への昇格差別を明瞭に認定、不利益についての救済も命じた大きな意義あるもの」、佐藤弁護士も「画期的な命令であり、全国の組合を励ますもの」と表明、中原委員長は、「約2年たたかってきて良かった。金庫経営者は命令を履行し、争議解決を」と訴えました。
 この模様は、当日夕方のNHKの全道ニュース、翌日の新聞各紙で報道され、顧客から大きな反響も出ています。

【全国から要請FAX集中を】
 翌16日付で、金融労連・函労会議役員参加の団体交渉を22日に行うよう申し入れましたが、経営者は拒否すると回答、組合は「手続上の期限前に話し合いによる解決を」と求めましたが、経営者は「その事も含め結論を出す、団交出来ない」と返答しました。
 全国、全道、地域から「命令の履行による争議解決を」との要請書FAXが集中している最中での、経営の不誠実な姿勢に怒りを感じます。さらに一層の奮闘をしたいと思いますので、皆様のご支援をお願い致します。

 

地域司法対策委員会について

地域司法対策委員会について

 弁護士の川上有です。
 前回、私のコラムで弁護士会の委員会活動ということを取り上げました。今回は、私が現在、委員長をしている地域司法対策委員会の活動を紹介しようと思います。
 さて、地域司法対策委員会とは、弁護士不在地域を中心とする札幌以外の住民の方々が、法律問題で困ったときにどうやって弁護士にアクセスすることができるようにするか、その方策を立てるというのが主な役割です。
 ということになると、まず、札幌弁護士会のエリア(札幌地方裁判所の管内)の自治体の状況と、弁護士の開業状況を把握する必要があります。

 そこで、皆さんにクイズを出します。

 じゃーん、「司法過疎地統計クイズ!!」(かなりマイナーな内容)
(人口については、平成23年3月末の住民基本台帳によります)

1 札幌弁護士会(札幌地方裁判所)管内の自治体数は(   )です。
  注:北海道には4つの弁護士会・地方裁判所があります。札幌、旭川、釧路、函館です。
    札幌弁護士会のエリアは、石狩、空知(北空知ほか一部を除く)、後志(一部を除く)、胆振、
    日高です。
2 このうち、人口100万人以上の自治体数は(   )です。
  その自治体名は(    )です。
3 1のうち、人口10万人以上の自治体数は、(   )です。
  その自治体名は(    )です。
  そのうち、最も人口が多い自治体名は、(    )です。
4 1のうち、人口5万人以上の自治体数は、(    )です。
  その自治体名は(    )です。
5 1のうち、人口3万人以上の自治体数は(    )です。
6 1のうち、人口1万人未満の自治体は、(    )です。
7 最も人口の少ない市は(    )で、人口は約(    )人です。
8 最も人口の少ない自治体は(   )で約(   )人です。
9 1のうち、平成13年の人口に比べ平成23年の人口が増加した自治体数は(   )です。
  そのうち、合併によらずに人口が増加した自治体が、(   )で、その自治体名は、(   )です。
10 1のうち、平成13年の人口と比べ平成23年の人口が10%以上減少した自治体数は、
  (    )です。
11 1のうち、弁護士が事務所を置く自治体数は(    )です。
12 人口3万人以上で、弁護士事務所のない自治体数は(    )で、自治体名は、(   )です。
13 弁護士不在自治体数は、(   )です。

解答
 1問 61 
 2問 1、札幌市 
 3問 3、苫小牧市、小樽市、江別市、苫小牧市 
 4問 7、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、室蘭市、登別市

 5問 2 
 6問 31 
 7問 歌志内市 4000人 
 8問 神恵内村、1000人 
 9問 9、6、札幌市、千歳市、恵庭市、石狩市、苫小牧市、ニセコ町 
 10問 34 
 11問 17 
 12問 1、石狩市 
 13問 44

 さて、どのくらい分かりましたか。
 正解率5割に達した方は、札幌圏について詳しく郷土への思いが強い方といえるでしょう。正解率8割を越えた方は自治体マニアというべきで、もう少し別なことに興味を持ちましょう。全問正解の方は病院に行きましょう。

 札幌の自治体、弁護士の状況は、全国的に見てもかなり特殊です。

【自治体の状況】
 まず、61の自治体が存在するというのはかなり多いといえます。私がきままに調べたところ(ですから正確ではありません)、多分、全国の都道府県(北海道は札幌、旭川、釧路、函館の4つの弁護士会があります)で、5番目以内に入ります。
 そして、100万都市が一つで、10万人以上の自治体がわずか3つしかありません。そして、過半数の31自治体が人口1万人未満です。最少の市は歌志内の4000人(多分、全国1人口の少ない市だと思います。)、最少の自治体は神恵内村の約1000人です。しかも、この10年間で人口が増加しているのは合併増も含めて9自治体にとどまり、ほとんどの自治体で人口が減少しており、過半数の34自治体で10%以上減少しており、30%近く減少している自治体もあります(夕張市、歌志内市)。
 要するに、やたらと自治体数が多く、その多くが小規模な自治体(それもかなりの小規模)であり、ほとんどが札幌及び札幌圏に集中している上、この傾向は一層強まることがほぼ確実といえます。

【弁護士の状況】
 札幌弁護士会には627人の弁護士がいます(平成24年10月現在)
 うち、札幌市に事務所を置く弁護士が約580人。札幌近隣(裁判所の本庁エリア)を含めると590名を越えます。
 これに対して、札幌地方裁判所には7つの支部があり、それぞれの支部地域に事務所を置く弁護士数は、それぞれ、滝川支部2名、岩見沢支部3名、小樽支部9名、岩内支部2名、苫小牧支部10名、室蘭支部7名、浦川支部3名で、合計してもわずかに36名です。
 どうでしょう、ほとんどが札幌に集中しており、かなり偏った状況にあることが分かりますよね。
 多分、新たに支部に事務所を開設する弁護士はもう少し増えるでしょう。しかし、その多くは、苫小牧、小樽、室蘭など比較的人口の多い都市であり、かつ増加人数も若干名でしょう。そして、現在弁護士が不在の自治体で弁護士開業が見込めるのは、石狩市(人口5万人以上、札幌に近い)くらいではないかと思います。人口が少ないところでは、相談や事件があまり見込めないからです。

 地域司法対策委員会の活動は、さて、このような状況にある札幌圏において、どうやったら住民の方々が弁護士に相談できる体制を整えることができるかということにあります。
 かなり難しい問題です。
 ということで、次回は、地域司法対策委員会の活動を具体的に紹介させてもらおうと思っています。