北海道、札幌を中心とした法律事務所です。財務整理や民事事件など多様な法律問題の解決に取り組んでいます。

 

教職員と生徒の権利~懲戒解雇処分取消で職場復帰!~/弁護士 橋本祐樹

 弁護士の橋本祐樹です。

 「教職員と生徒の権利」という冊子が、当事務所の待合室にあります。

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 これは、佐藤哲之、内田信也の両弁護士とともに、懲戒解雇処分をされた教員を代理して、懲戒解雇処分の取消を求めていた事件の顛末をまとめたものです。

 詳細は、冊子をご覧いただきたいのですが、対応困難な生徒への指導をしていた教育熱心な教員が、2014年の4月に、教育委員会から懲戒解雇処分を受けました。

 そこで、私たちは人事委員会に対して、不服を申し立てる手続きをしました。

 人事委員会では14回もの審理を経て、今年の3月に、懲戒解雇処分は違法との裁決が出されました。

 

 この審理を通して、教育委員会側が懲戒免職処分という重大な処分をするにあたり通常行われるべき調査・証拠収集を怠っていたことや、対応困難な生徒への学校全体の対応が不十分であったことなどが明らかになりました。

 

 裁決においては、「本件処分は明らかに重きに過ぎる」ので「裁量権の範囲を逸脱」したものであり「違法との評価を免れない」と結論付けられました。

 

 懲戒解雇処分が取り消されたことで、教員は、教職に復帰しています。

 名誉の回復はこれからですが、現場に戻って、生徒の立場に立った指導をされることと思います。

 

 冊子には、教員の思いや審理で明らかになったこと、教員の元同僚、教育者、労働組合員の感想など、充実した内容となっています。今後の同種事案の参考になるかも知れません。

 ぜひ、お手に取ってご覧いただきたいと思います。

「司法取引」ってなに?/弁護士 川上有

 弁護士の川上有です。

 

● 2018年6月「司法取引」制度が施行される

 昨年6月に刑事訴訟法の大幅改正がなされたがその中で「司法取引」といわれるものがある。2018年6月までに施行されることになっている。

 

● アメリカの「司法取引」と全然違う

 「司法取引」。

 ハリウッド映画などではなじみのある言葉かもしれない。

 検察官「2級殺人で20年」、弁護人「こちらは故殺の範囲で認める、よって3年」最終的に「5年の懲役」で決着、などというやつである。

 これは「自分の罪を認めるかわりに刑罰を軽くしてくれ」という意味での司法「取引」だ。これは、わかりにくい言葉だけれども「自己負罪型司法取引」といわれている。

 

● 日本の「司法取引」

しかし、今回刑事訴訟法において認められた「司法取引」とは、これとは全く違う。ここでの「司法取引」は、「他人の犯罪に関する情報を提供するから俺の刑罰を軽くしてくれ」というもので、「捜査協力型の合意制度」といわれるものです。正しくは「俺の刑罰を軽くしてくれ」というのではなく、検察官に対して「起訴(検察官が裁判を提起すること)しないでくれ」とか「罰金ですませてくれ」「裁判での求刑(裁判で検察官が求める刑罰の重さ)を軽くしてくれ」などといろいろあるのだけれども。

どんな問題がある?というと、とんでもなくいろいろある。いろいろありすぎて説明しきれないので二つだけ。

 

● ウソの密告による冤罪(えんざい)の発生

 ひとつは冤罪の温床になるリスクである。

 自己負罪型の司法取引は、自分のことを取引するから、認める事実が真実であろうとなかろうと、自分で認める限りそれでかまわない。

 他方、「捜査協力型の合意制度」の場合、他人の犯罪について密告することで自己の刑罰を軽くしてもらうという制度である。だから今度は「真実であろうとなかろうと、当人が認める限りかまわない」ということにはならない。罰を免れたい、軽くなりたいがためにウソの密告をする者は少ないと言い切れない。ウソの密告で捜査対象とされる者(ターゲット)はたまらない。実際、アメリカでの冤罪の最大の原因はウソの密告だという報告もある。ウソの証言でも第三者の証言があると有罪になってしまう、そんなことは日本でもうんざりするほどある。

 

● 進退きわまる弁護人

 二つ目は、弁護士にとっての話である。

 日本の制度では、取引には弁護人が必ず加わらなければならないとされている。そして取引の成立には弁護人の同意が必要で、合意内容を定めた合意書面に署名することになっている。この署名の意味である。弁護人は、自分の被疑者が言っていることが真実かどうかは分からない。であるから、この署名は被疑者の情報が真実であることを担保しない(保証しない)ということに、一応はなっている。では、なんのための署名の?よくわからない。が、無意味であるはずはない。

 弁護人も被疑者の話がウソではないかと思うこともあろう。そう思いながら署名した場合、虚偽供述罪の共犯とされる危険性がないとはいえない(いまのところよくわからないのだ)。でも、弁護人が「これはウソかもしれない」と思ったから署名しないでいると、被疑者から「弁護人のせいで合意が成立しなかった」と言われ、懲戒処分を受ける危険性がある。

 どうやっても弁護人は何らかのリスクを背負うことになりかねない。

 検察官に協力することで罪や罰を軽くするという制度自体、問題がありとても賛成できないが、この制度はあまりに問題が多い。

薬害根絶デーとHPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道発足集会のお知らせ/弁護士 渡辺達生

 弁護士の渡辺達生です。

 薬害エイズの解決を踏まえ、二度と薬害を起こさないことを国が誓うという意味で、1999年8月24日に、薬害根絶の碑が、霞が関の厚生労働省の敷地の一画に、建立されて以降、毎年、札幌でも薬害根絶デーの集会に取り組んでいます。

 今年も、添付のチラシの通り、8月26日(土)午後3時から、当事務所のある北海道高等学校教職員センター4階の大会議室で、薬害根絶デーの集会を開催します。

 今年の薬害根絶デーの集会では、昨年7月に提訴し、北海道でも7人の原告が訴訟に参加しているので、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の結成総会も行います。

 HPVワクチンは、子宮頸がんの有力な原因の一つであるHPV(ヒトパビローマウィルス)への感染を防止することを目的としたワクチンです。子宮頸がんを予防できるということで、2010年から2013年にかけて、中学1年生から高校1年生の少女の多くが接種を受けました。

 HPVワクチンの投与を受けた少女の中に、ハンマーで殴られるような激しい頭痛、関節や全身の痛み、意識の喪失、不随意運動、突然の脱力、不眠・過眠、過呼吸、簡単な計算さえできなくなる知的障害といった副反応を訴える少女が生まれてしまいました。そのような少女たちが、製薬会社と国の責任を追及するために提訴した裁判が、HPVワクチン薬害訴訟です。昨年の7月28日に、東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁に提訴され、7人の北海道の被害者が東京地裁の原告となっています。

 この訴訟と原告を支えるための会が北海道でも発足することになりました。

 是非、皆さん、結成集会にご参加のうえ、支える会にご入会いただき、この訴訟をご支援いただくことをお願いいたします。

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7月集会/弁護士 桝井妙子

 弁護士の桝井妙子です。

 

■ 京都、7月集会へ

 7月の三連休、祇園祭のお囃子が響く京都に行ってきました。

 毎年この時期に、司法修習生(司法試験合格後、法曹になるための1年間の研修を受けている研修生)が社会問題を考えるシンポジウムである「7月集会」を開催しています。

 

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■ 過労死について

 今年の全体会は「過労死」でした。

 川人博弁護士は、ニュースでも大きく取り上げられた電通事件の労災申請の代理人として、過労死の歴史や求められる弁護士の役割を分かりやすくお話ししてくださいました。

 

 また、「一人一人が声を上げることを援助する」という東京東部労組書記長の須田さんの熱弁や過労自殺で夫を亡くした遺族の涙は胸に迫るものがありました。

 

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■ ぜひ、ご相談ください

 当事務所は労働組合や他の支援団体とも深いつながりをもち、労働に関する問題の解決にあたっています。

 

 職場でおかしいと思うことがあった、労災申請について知りたいなど、働くなかでの疑問やお悩みについてぜひご相談ください。初回相談無料で土曜、夜間のご相談も受け付けております。

 

 相談予約フォーム

 

NY留学報告2/弁護士 加藤丈晴

 弁護士の加藤丈晴です。

 今回は、研究活動以外の日常生活について書きたいと思います。テーマは、「お金をかけずに楽しむニューヨーク」です。

 (NY留学報告1は、こちらをご覧ください。)

 ● 芸術の都ニューヨーク

 ニューヨークは、言うまでもなく世界のエンターテイメントの中心地。ブロードウェーミュージカルはもちろん、ニューヨークフィル、メトロポリタンオペラ、バレエ、ジャズなど、音楽だけとってもよりどりみどり。美術の世界でも、メトロポリタン美術館や近代美術館(MOMA)、グッゲンハイム美術館など世界的な美術館が至るところにあります。しかし、これらの芸術に親しむには、それなりにお金がかかります。

 ところが、ニューヨークに住んでいると、IDNYCという身分証明書を作ることができるのですが、これを持っていると、メトロポリタン美術館やMOMA、自然史博物館などの主な美術館や博物館、動物園や植物園など、1年間全部タダ!!世界中から押し寄せる観光客の落とすお金を、ニューヨーク市民に還元してくれるというわけなのです。チケット売り場の長い列に並ぶことなく、カードを見せるだけでフリーパスというのは、ちょっとした優越感に浸れます。

 また夏は、日没が午後8時過ぎと遅いので、夕方になると、公園などで屋外コンサートや映画上映会が開かれ、家族連れなどでにぎわいます。これらは全部無料です。普段はチケットが数十ドルから100ドル以上するニューヨークフィルやメトロポリタンオペラも、屋外コンサートはタダ!!夕暮れから星空に移り変わる中で、優雅なひと時を過ごすことができます。

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● スポーツの都ニューヨーク

 ニューヨークは、野球(MLB)、バスケットボール(NBA)などのほか、テニスの全米オープンが開かれるなど、スポーツの都でもあります。私はもともとスポーツ音痴なのですが、(あえてヤンキースではなく)ニューヨークメッツの試合を観に行ったり、錦織圭のテニスのエキシビジョンマッチを観に行ったりしました。これらのチケットは正規で買うと高いのですが、大学のチケットセンターで激安チケットを手に入れることができます。実際に錦織圭の試合はわずか10ドルで観られました。

 あと変わったところでは、夏の間、マンハッタンの東を流れるイーストリバーをカヤックで遡るツアーがあるのですが、これを無料で体験できます。ボランティアのインストラクターが、初心者にも親切に教えてくれます。ニューヨークの摩天楼を見上げながらカヤックを漕ぐのは、とても印象的でよい思い出になりました。

 

● 食の都ニューヨーク

 ニューヨークには世界中の美食が集まっていると言われますが、とにかく何でも高い!!ラーメン1杯15ドル、大戸屋の定食が25ドルします。しかもレストランではチップが必要なので、これがまた痛い!こういう時の庶民の味方がフードトラック。簡単に言えば屋台みたいなものです。屋台といっても、中華、メキシカン、インド料理、ギリシャ料理など、さすが多民族国家だけあって、バラエティに富んでいて、味も本格的。しかも値段は5ドルから高くて10ドル程度とお値打ち。それでもお金がないという時は、大学のランチセミナーへ。ロースクールでは、お昼休みに、ほぼ毎日様々なテーマでセミナーがあり、これらはたいていランチ付き。ピザとかサンドイッチの時が多いですが、たまに中華とかメキシカンに当たると、思わずガッツポーズが出ます。夜も食事付きのイベントがいろいろあり、時にはお酒も出ます。"Free Food @ NYU"というフェイスブックのページがあるほど、学生は皆、無料の食事を求めて学内をさまよっています。

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      (フードトラックで買ったスブラキ(ギリシャ風焼き鳥))

 

 いかがでしたでしょうか。物価の高いニューヨークで生き延びるサバイバル術。せっかくニューヨークにいるのに、なんだか貧乏臭い話ですみません。

 さて、留学生活も1年を過ぎました。当初の予定よりも少し先になりますが、帰国は年末ころを予定しています。また機会をみて、ご報告をしたいと思います。

法定相続情報証明制度が始まりました

 事務局の橘井です。新制度をご紹介させていただきます。

●法定相続情報証明制度が始まりました。

 2017年5月29日から、全国の登記所(法務局)で、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」が始まりましたのでお知らせいたします。

 現在、相続手続では、お亡くなりになられた方の戸除籍謄本等の束を、相続手続を取り扱う各種窓口(銀行、保険会社など)に何度も出し直す必要があり、被相続人の方の本籍地が道外だったり、何度も本籍地が変更になっていたりする場合は、取得するための費用や時間がかかり大変でした。

 法定相続情報証明制度は、登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出して、併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出し、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付してくれます。証明書は5年以内なら、何枚でも無料で発行してくれます。証明書があれば複数の金融機関に預貯金がある場合、同時並行で相続手続きに関する処理を進められますので、たいへん便利な制度です。

 詳しい申請方法は法務局HPをご参照ください。

法務省:「法定相続情報証明制度」について

●相続にお困りのことがあればぜひご相談を

 当事務所では、上記の手続きも含めて「相続」に関する法律相談等も随時行っており、当事務所のHP及び電話でご予約をお受けしております。初回のご相談は無料ですので、どうぞご利用ください。

 電話 011-231-1888

 予約フォーム https://secure01.blue.shared-server.net/www.hg-law.jp/contact/

伊藤真弁護士の「教えて―立憲主義ってなに?」のご案内

 

弁護士の桝井妙子です。

 

司法試験予備校として有名な「伊藤塾」の塾長、伊藤真弁護士が札幌に来て講演をされます。

「教えて 立憲主義ってなに? ― 暴走するアベ政治ストップへ! ―」

 講師 伊藤真弁護士

    (伊藤塾塾長、日本弁護士連合会憲法問題対策副本部長、九条の会世話人)

 

私も司法試験受験時代、伊藤真弁護士の講義を受けていました。そのお話はたいへんわかりやすく、特に憲法については時に鬼気迫るほどの熱意でお話ししてくださいます。

立憲主義の存立が脅かされているいま、そのお話を札幌の地で聞くことはとても意味のあることだと思います。

お時間のある方は、ぜひぜひご参加ください!

 

と き 6月28日() 18時00分~19時30分

会 場 札幌エルプラザ 大ホール(札幌市北区北8条西3丁目)

資料代 500円

主 催 東区9条の会

 

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国家戦略特区での農業分野の外国人労働者の受け入れ/弁護士 小野寺信勝

 弁護士の小野寺信勝です。

 

■ 国家戦略特区での農業分野の外国人労働者の受け入れ

 昨今、加計学園で話題の国家戦略特区ですが、今国会では特区での農業分野の外国人労働者の受入が審議されています。北海道は受け入れを表明していないため直ちに影響はありませんが、山本内閣府特命担当大臣(地方創世・規制緩和)が地方創世特別委員会で「毎年度適確に評価を行った上で、これを踏まえて全国展開の可否についても政府として適切に判断して参りたいと思います」と答弁していますから、特区での受け入れが全国に波及する可能性は否定できません。

 

■ 農業分野の労働力の必要性

 ところで、農業人口の減少・高齢化が叫ばれて久しいですが、感覚としては理解できるものの、具体的な数字等はあまり知られていないと思います。「農業と経済」2017年6月号に、「日本の農業労働市場はどうなっているのか?多様化する雇用実態」(佐藤忍香川大学経済学部教授)という特集記事が掲載されていました。1985年と2010年とを比較すると、男性の農業人口は765万人から321万人に半減し、基幹的労働力の4分の3は60歳以上と報告されています。ここまで農業人口の減少・高齢化が進行していることに驚かされます。

  こうした実態を受けて農業分野では技能実習生を中心とした外国人の受け入れにより労働力不足を解消しようとしています。前記特集によれば、興味深いデータが紹介されていました。都道府県別に農業常雇者数に占める外国人の割合が紹介されていました(2010年)。それによると全国平均は11.5%、北海道は8.3%と全国平均をやや下回っていますが、茨城県は48.9%と農業に従事する常雇者の2人に1人は外国人ということになります。

 話が長くなりましたが、このように農業人口の減少・高齢化が急速に進む中で外国人による労働力確保は避けられないと思います。私も外国人労働者を受け入れることには賛成です(但し、技能実習による労働力確保には反対ですが、長くなるのでここでは割愛します)。

 

■ 国家戦略特区の受け入れの枠組み

 政府は技能実習で労働力を補いながら、実習生は労働者ではないと詭弁を続けたことに比べれば、外国人労働者の受け入れを議論していた点では一歩前進と評価できるのかもしれません。

 それでは今回の特区に賛成かと言われると、この受け入れ方式には賛成することができません。

 特定機関が外国人と雇用契約を結び、農家等に派遣する方法がとられており、人材派遣会社の参入を想定しています。また、技能実習でノウハウを培った事業協同組合による受け入れも予想されます(茨城県は、事業協同組合のために法規制の緩和を提言していました)。

 一部週刊誌で某民間議員が人材派遣会社の利益誘導をした疑いが報じられましたが、このような不公正さを一旦横に置くとしても、いくつか懸念があります。

 

■ 派遣の枠組みによる懸念

 派遣の枠組みを採用した理由は、農業には農繁期と農閑期があるため、労働力の需要が時期により異なるので、外国人労働者の派遣によりそれを調整することにあります。そうすると、外国人労働者は常に農繁期の派遣先農家で働くことになり、長時間労働になることが懸念されます(なお、総理大臣指針で総労働時間規制を定めることを検討しているようですが、内容は明らかにされていません)。

 また、特定機関にとって、派遣先農家はお客さんにあたるわけですから、農家での不当な働かせ方が発覚した場合に、しっかりと是正させることができるか疑問があります。

 さらに、農協のような公的団体だけでなく、人材派遣会社、事業協同組合等も特定機関として参入することになりますが、玉石混交の業者の中から悪質な業者を排除できるのか、また民間主導につきもののブローカーを排除できるか心配もあります。

 

■ 慎重な制度設計を

 外国人労働者は、在留資格、経済的基盤、言語、文化等、日本人より弱い立場にあります。それ故に、不当な働かされ方を甘受せざるを得ないということが見られます。よほどしっかりとした制度設計をしなければ、技能実習制度と同じ轍を踏みかねません。

 仮に派遣のような間接雇用の枠組みをとるとしても、人材派遣会社等ではなく、行政が主体となって、農家とのマッチングや受け入れ後のフォロー等を通して、適正な実施を常時チェックする態勢は不可欠だと思います。

 

共謀罪NO!中央区実行委員会の街頭宣伝/弁護士 桝井妙子

 弁護士の桝井妙子です。

 

■ 共謀罪NO!街頭宣伝

 6月4日の昼,共謀罪NO!中央区実行委員会の街頭宣伝でスピーチをしました。小雨の降る寒い中でしたが,民進党,共産党の市議会議員のスピーチもあり,盛り上がりました。

 飛び入りの30代の男性によるスピーチもあったのですが,「みんなで我慢していても,何も変わらない!」と切実に訴える言葉がとても印象的でした。

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■ スピーチの内容

 以下,当日の私のスピーチの内容を一部掲載します。

 

 最近行われた道新の全道調査では、共謀罪に反対する人が59パーセントを超えました。この間の強行採決や金田法務大臣のあまりにいい加減な答弁などに多くの人が疑問を抱いた結果だと思います。

 

 私がみなさんに最も訴えたいことは、共謀罪が通った後にやってくる世界をリアルに想像してほしいということです。

 

 共謀罪は組織的犯罪集団の行為を対象としていますが、その実態は政府に都合の悪い活動をする団体を、捜査機関の判断次第で簡単に捕まえたりすることを可能にするものです。

 金田法務大臣は、人権団体や環境団体も共謀罪の処罰対象になるということを明言しており,政府は、よりよい社会やよりよい政治を求める活動を過度に取り締まろうとしています。

 

 共謀罪は一般人の政治的な活動を強く委縮させるものである反面、国家権力の汚職や公務員による犯罪はほとんどがその対象となっていません。こんなものを通してしまったら、これまで以上におかしな政治がまかり通り、それに反対する私たちの声が一層、政治の場に届かなくなってしまいます。

 

 憲法12条は、憲法が保障する人権や自由は、「国民の不断の努力によって保持しなければならない」と謳っています。私たちは、この国の主権者として私たちの自由を奪おうとする共謀罪に対し、一人ひとりが反対の声を上げ続けなければなりません。

私たちが自らの自由を守るための「不断の努力」を怠ったとき、私たちの手から自由や権利はこぼれ落ちていってしまいます。

 

 私は、一人の弁護士として、一人の女性として、そしてこの国に生きる個人として、共謀罪に強く反対します。

 すべての人が安心して、笑顔で、幸せに暮らしていける社会を作っていくために、「おかしい」と思ったことに、「おかしい」と言い続けられる自分でありたいと強く思っています。

 

 みなさん、力を合わせて闘い続けましょう!

 

南ス-ダンPKO派兵差止訴訟 第2回口頭弁論期日/弁護士 池田賢太

 弁護士の池田賢太です。

 私が、弁護団事務局長を務める、南スーダンPKO派遣差止訴訟の第2回口頭弁論期日がありましたので、その報告をします。

 ■ 「撤退したから、めでたしめでたし、では済まない」

 6月1日、南スーダンPKO派遣差止訴訟の第2回口頭弁論期日が開かれました。同月2日付の北海道新聞等に記事が掲載されています。

 平さんは、意見陳述の中で、この訴訟の意義を次のように述べました。

「1つの目的は達成できました。それは、南スーダンのPKOから自衛隊を撤退させることができたということです。今日傍聴に来てくれている方々を含め、私たちのまぎれもない勝利です。この裁判が、子どもたちを撤退させたのだと確信します。他方、何ら事実を明らかにしない国の姿勢には、本当に怒りがこみ上げてきます。私が感じた苦痛は消えることはありません。非常に危険な南スーダンに自衛隊が派遣されていたという事実も消えません。私のこの苦痛の原因を明らかにしてもらいたい。この訴訟を起こした意味があると思います。撤退したね、めでたしめでたし、では済まないのです。」

 

■ 国は、南スーダンの実態を明らかにせよ!

 原告・弁護団は、開示された100日間の日報7000ページを解析して、298ページに及ぶ準備書面を提出しました。この作業を主として担ったのは、当事務所の橋本祐樹弁護士です。

 日報を分析すると、南スーダンでは、昨年7月の首都ジュバでの大規模衝突以外にも射撃事案が頻発しており、自衛隊の派遣は紛争当事者の停戦合意といったPKO参加5原則を満たしていなかったことが、改めて明らかになりました。

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(報告集会で日報問題を語る橋本祐樹弁護士)

■ 次回期日は10月17日午後3時30分と指定

 イラク派兵も検証がなされていません。今回の撤退で、同じような空気が流れています。

 しかし、戦争法成立後、実際に駆け付け警護が任務として付与されたPKOの実態を明らかにすることは、主権者として自衛官を派遣した、私たち一人ひとりの責任でもあります。

 この訴訟を通じて、南スーダンへのPKO派遣を改めて検証したいと思います。

 次回期日は、2017年10月17日午後3時30分から、札幌地方裁判所8階の804号法廷で行われます。ぜひ、足をお運びください。原告と弁護団を支えてください!

 

 なお、弁護団のホームページでは、書面や平和子さんの意見陳述書を公開しておりますので、ぜひ一度、ご覧ください。

 南スーダンPKO派遣差止訴訟弁護団のホームページ

 https://stop-sspko.jimdo.com/

 

平和子さんの裁判は続きます。徹底した事実究明こそ、二度と自衛官を戦場に行かせない保証です。