logo_sq

弁護士の池田賢太です。

■ 奨学金問題の講演会を実施しました!

 昨年に引き続き、11月6日に、北星学園大学で奨学金問題に関する講演会を行ってきました。
 この講演会は、「債権法」の授業の一環で行われていて、前半が学生さんたちの研究発表、後半が私の講演という構成でした。
 
 学生さんたちは、本番前に3度事務所にお見えになり、講演会の構成などについて議論・検討を重ねてきました。今年は、所得連動型返還制度や延滞金の問題について検討をされていました。


■ 複雑な奨学金問題

 奨学金問題は、極めて複合的な問題です。雇用の流動化、世帯所得の減少、学費の高騰、日本学生支援機構の金融機関化などなどです。

 奨学金問題に、確立した定義はありませんが、私は「学費の高騰と家計の悪化が学費における貸与型奨学金への依存度を高めているなかで、雇用の流動化が進み、とりわけ若年層が経済的困窮に陥っているにもかかわらず、不十分な救済制度しかなく、現状に逆行するように回収強化策が取られていること」と定義しています。
 詳しくは、「北海道で生きるということ」という書籍にまとめ書きましたので、そちらをご覧下さい。

■ 奨学金問題は、私たち自身が解決すべき課題

 いまや、大学生の2人に1人が奨学金を借りています。平均して400万円程度は借りています。奨学金で家計を支えている学生さんもいますから、多い人では1000万円近く借りている人もいます。

 自分は借りていない。だけどパートナーや恋人が借りているという人もいるでしょう。結婚できない、子育てできないという声もたくさん聞きます。

 奨学金問題を解決するには、「私たちはなぜ学ぶのか」ということや、教育の意味を私たちが認識する必要があると思います。
 教育の目的は、人格の完成にあると言われます。新渡戸稲造は教育の目的は5つあると言い、人格を高尚にすることが最も大切な目的だと言います。

 私たちの社会をどのように発展させるのか。次代を担う子ども達に十分な教育を与えることは、私たちにとっても有益です。
 また、最先端の技術や議論を学ぶためには、基礎的な研究や学問も極めて重要です。子どもたちが等しく教育を受ける権利を実現できるようにしたいと思います。


■ 大きな視点で考える

 奨学金問題は、高等教育の無償化で片付く問題ではありません。もちろん、大きく前進することは間違いないのですが、貧困の問題から目をそむけてはいけないと思っています。
 お金をもらっても、学ぶことができない子どももいます。
 子どもの貧困は、世帯の貧困。このことを忘れずに、さらに取り組んでいきたいと思います。

 当事務所の橋本祐樹弁護士も、奨学金問題のエキスパートです。
 皆さんと一緒に考えていきたい問題です、学習会などのご要望がありましたら、ぜひお声かけください。


書籍のご案内
 「北海道で生きるということ―過去・現在・未来―」
 清末愛砂・松本ますみ編 2016年 法律文化社
 池田賢太弁護士も執筆しています。道内の日本平和学会の会員が中心となって執筆し、奨学金問題やブラックアルバイトの実態、地域経済再生への課題など、北海道発・権利と平和を考える1冊です。
 事務所でも取り扱っていますので、ご要望の方はお申し出ください。


この記事を家族・友達に教える

TOP