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弁護士の川上有です。

【前回の復習】
前回に続き、私が所属する札幌弁護士会地域司法対策委員会の活動について書いてみたいと思います。前回お書きしたとおり、札幌弁護士会の管内の自治体は、かなり特殊な状況にあります。全61自治体のうち、弁護士がいる自治体は17で、不在自治体が44です。そして、弁護士不在自治体のうち、人口が3万人以上の自治体は石狩市のみであり、31自治体が人口1万人未満という極めて人口少ない自治体です。
このような自治体に弁護士が事務所を構えることは考えられません。そもそも事件が少なく、業務として成り立たないからです。
しかし、そのような自治体の住民の方の中にも、法律問題を抱えている方が必ずいます。そのような方々が弁護士に相談できる体制をどのように作るか、これが札幌弁護士会の地域司法対策委員会の課題です。

【これまでの取組】
札幌弁護士会は、法律相談センターという法律相談を受ける場所を作ってきました。最初は札幌だけだったのですが、滝川市(中空知法律相談センター)、岩見沢市(南空知法律相談センター)、岩内町(しりべし弁護士相談センター)、新ひだか町(ひだか弁護士相談センター)、小樽市、室蘭市、千歳市、浦河町、えりも町、様似町、日高町に開設してきています。
また、日弁連、北海道弁護士会連合会、札幌弁護士会が共同して開設したひまわり基金法律事務所が、新ひだか町、岩内町、倶知安町にあります(室蘭市にもひまわり基金法律事務所がありましたが、その弁護士が室蘭市に定着したことによりひまわり基金法律事務所としてはなくなりました。)。このひまわり基金法律事務所というのは、開設費などを全国の弁護士から徴収した特別会費によって拠出して弁護士過疎地に法律事務所を開設するという運動として行ってきたものです。
さらに、北海道弁護士会連合会は、すずらん基金特別会費というものを全道の弁護士から徴収して、すずらん基金法律事務所という事務所を開設しました。これは、全道のひまわり基金法律事務所に赴任する弁護士や、弁護士不在、偏在地域に事務所を開設する弁護士を育成するための事務所です。札幌弁護士会管内では、これまで、ひだか(新ひだか町)、浦川、岩内、倶知安の各ひまわり基金法律事務所の所長弁護士を輩出している他、室蘭市、登別市に事務所を開設する弁護士を育成してきました。
そして、札幌弁護士会は、弁護士がいない自治体や社会福祉協議会からの委託を受けて、法律相談を実施することも行ってきました。具体的には、砂川市、恵庭市、北広島市、余市町、栗山町、夕張市、倶知安町で行っています。

【今後の方向性】
このように、札幌弁護士会は、地域司法についてとても積極的に取り組んできたといえると思います。しかし、これでもまだ十分とはとてもいえません。弁護士不在自治体の方々には、これらの法律相談センター、自治体・社会福祉協議会の相談会実施自治体での相談、ひまわり基金法律事務所やその他の地方で開設した法律事務所まで出向いてもらわなければならないという状況にあるからです。自分が住む自治体で法律相談を受けられる体制、これがどうしても立ち後れているといわなければなりません。また、自治体相談が行われている自治体でも、数ヶ月に一度とかせいぜい1ヶ月に一度の法律相談会しか行われておらず、すぐに相談したいという方々の需要に十分に応えうる体制にあるとはとてもいえません。
そこで、地域司法対策委員会は、平成23年度から、弁護士不在自治体における高い頻度での法律相談会を一つの柱とした運動を展開することにしました。
その具体的な内容や現状などは、次回に。

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