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生活保護バッシングはいじめと同根

弁護士の笹森学です。

◆ 私は、6月に警察に一旦逮捕されながら逃走し、追跡劇を演じて捕まったお騒がせ男の国選弁護人を担当しています。彼は札幌市から生活保護費を不正に受給したとして告訴されました。車を2台も持っていたのにそれを隠して保護を申請し、昨年9月から今年の4月までに生活保護費約96万円を受け取ったというもので、かなり大きく報道され、つい先週、詐欺罪で起訴されました。

◆ 私は彼の弁護人として記者の取材を受ける度に忸怩たる思いに駆られます。私の被告人は不正受給を認めていますから非難されることはやむを得ません。しかし、彼の事件が、生活保護バッシングに利用され、保障を求める弱い人を吊るしあげることに悪用されるように思えるからです。

◆ 生活保護受給者は6月で211万人となり今年度の予算は3兆7000億円でいずれも最大規模に上っています。同時に政府は不正受給に厳罰化で臨み適正受給を徹底するとの方針を打ち出したと報道されています。要するに、生活保護予算を削りたいということです。この結果、生活保護受給者が監視され、保護の申請が認められにくくなるという間違った道に進む危険があります。白石区姉妹餓死事件が繰り返される危険を孕んでいます。

◆ つい最近、お笑い芸人の母親が生活保護を受給していることでお笑い芸人がワイドショーなどで糾弾されました。生活保護者が多い地方自治体は地方交付税が無駄になり財政が破綻するなどと訴える地方分権主義者も現れる始末です。前者は家族に扶養できる者がいないことは保護を受ける要件ではありませんから全くの間違いですし、後者も生活保護費は全て国の予算で賄われますから、これまた全くの間違いです。不正受給者が増えているという報道もされています。しかし、この報道もデータを正しく伝えていない間違いです。(世にはびこるこのような間違った情報がどうして間違っているかを日弁連がやさしく説明したパンフを公開しています。是非お読みください!
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf

◆ 生活保護制度は、社会から落ちこぼれて死なないための重要なセーフティーネットで、国民が助け合う素晴らしい社会保障の制度です。憲法25条が保障しています。このような一連の生活保護者バッシングはいじめと同根で、弱い者いじめをして世の中への不満を解消する巧妙な世論操作です。このような間違いを真に受けて、間違った世の中にしないように是非注意したいものです。

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