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 弁護士の小野寺信勝です。

■ 外国人の非熟練労働者受け入れの方針
 政府は「経済財政運営の指針」(いわゆる骨太の方針)の原案を発表し、外国人の非熟練労働者受け入れに向けて在留資格を創設する方針を打ち出しました。

 報道では農業、介護、建設、造船、宿泊の5分野を対象に新たな在留資格「特定技能(仮称)」を設け、2025年までに50万人超の受け入れを目指すとされています。

 これまで政府は非熟練労働は受け入れない立場を堅持してきたため、入管政策は大きな転換点を迎えたと言えるでしょう。

 政府は、本来、就労を目的としない「技能実習」「留学」の「活用」によって労働力を供給してきた事を考えると、少なくとも非熟練労働者を受け入れた点に限って言えば、一定評価はできると思います。

■ 制度設計の問題
 制度設計は明らかになっていませんが、いくつか問題があります。

 まず、在留期間は通算5年ですが、家族帯同は認められていません。長期間家族と離れて暮らすことは人道上問題がありますし、専門技術的分野の労働者には家族帯同を認めながら、非熟練労働者のみこれを認めない合理的理由もありません。

 また、具体的内容は明らかになっていないので、技能実習生への深刻な人権侵害の原因である職場移転の自由は認められるか、保証金・違約金禁止の実効性は担保されるか、ブローカーを排除できるかなどはわかりませんが、実習制度への反省に立っておよそしっかりとした制度にしなければ、新たな悲劇が生じるおそれもあります。

 そして何より、「外国人材の活用」という言葉に象徴されるように、外国人を「労働力」としてしか見ていないことが気がかりです。言葉や文化などが違う人たちに来てもらうわけですから、日本社会も共生のために変わる努力が必要でしょう。

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