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 弁護士の加藤丈晴です。
 2月14日のバレンタインデーに、全国で13組の同性カップルが、同性間で結婚できないのは憲法違反であると国を訴える訴訟を、全国4つの地方裁判所に一斉に起こしました。
 東京6組、大阪3組、名古屋1組、そして札幌では、道内に住む3組の同性カップルが原告となり、全国で30名を超える弁護士が弁護団を結成し、私は北海道弁護団のとりまとめ役をしています。
 この訴訟において私たちは、同性カップルが結婚できないということは、憲法24条1項で保障される婚姻の自由を侵害し、さらに異性カップルには当然に認められる婚姻について、同性カップルには認められないということは、不合理な差別であって、平等原則を定める憲法14条にも違反すると主張しています。そして、このような状態を放置している国会の怠慢は違法であり、国に対し、原告らが受けた精神的損害の賠償を求めています。求めているのは損害賠償ですが、これは、制度上、同性間の結婚を認めるように国に直接求める裁判ができないためであり、実質的には、裁判所に対し、同性間の結婚を認めないことが違憲であるという判断を求めていることにほかなりません。
 同性カップルは、結婚できないことにより、さまざまな不利益を受けています。例えば、パートナーを社会保険の扶養家族にすることはできませんし、税金の配偶者控除を受けることもできません。またパートナーが亡くなっても相続を受けられませんし、遺族年金を受けられるかどうかも定かではありません。パートナーが外国籍であった場合、異性カップルであれば、配偶者ビザなどの在留資格を得られますが、同性カップルの場合は、それも叶いません。さらに、病院で医師から病状を聞くことや、手術に同意することも、法律上の家族ではないことから拒否される場合もあります。
 世界では、すでに25カ国で同性間の結婚が認められており、G7の国々で、同性カップルの法的権利が保障されていないのは、日本だけです。アメリカでは、2015年に連邦最高裁判所が、同性間の婚姻を認めないことは違憲であると判断して、全米で同性間の婚姻が認められるようになりました。またお隣台湾でも、2017年に、憲法裁判所にあたる司法院が、同様の判断をしています。もはや同性間の結婚を認めることは、世界の潮流になっているのです。
 結婚するかどうか、結婚するとして、誰と結婚するかを自由に決めることができるというのは、人として当たり前に認められる権利です。その意味で、この問題は、まさに人権の問題であり、人としての尊厳に関わる問題です。
 私たちが目指すのは、「性のあり方にかかわらず、すべての人が、結婚するかしないかを自由に選択できる社会」です。その実現のために、皆様からのご支援をよろしくお願いいたします。

※ 訴訟だけでなく、社会の意識を変える大きな運動を作るべく、イベントの開催、メディアへの働きかけ、政治家へのロビイングなどを行うための一般社団法人「Marriage For All Japan ? 結婚の自由をすべての人に」を立ち上げました。
  そのウェブサイトには、裁判の情報のほか、同性婚をめぐるさまざまな情報を掲載していますので、ぜひご覧下さい。
 http://marriageforall.jp/
※ また、署名及びクラウドファンディングも始めました。2月18日現在で、すでに2万8千筆を超える署名と、750万円を超える寄付が集まっています。下記サイトから、ご協力をよろしくお願いいたします。
 署名:https://www.change.org/marriageforalljapan
 クラウドファンディング:https://readyfor.jp/projects/MFAJ



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